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縱横
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じうわう
これに
渦毛の
斑の
艷々しき
狆を
繋いで、ぐい/\と
手綱のやうに
捌いて
來しが、
太い
聲して、
何うぢや
未だ
歩行くか、と
言ふ/\
人も
無げにさつさつと
縱横に
濶歩する。
が、
同じ
月、
同じ
夜の
其の
命日は、
月が
晴れても、
附近の
町は、
宵から
戸を
閉ぢるさうです、
眞白な十七
人が
縱横に
町を
通るからだと
言ひます——
後で
此を
聞きました。
襖障子が
縱横に
入亂れ、
雜式家具の
狼藉として、
化性の
如く、
地の
震ふたびに
立ち
跳る、
誰も
居ない、
我が
二階家を、
狹い
町の、
正面に
熟と
見て、
塀越のよその
立樹を
廂に
一つ
一つがおなじやうに、
二三寸づゝ、
縱横に
間をおいて、
悠然として
流れて
通る。
一の
谷、
二の
谷、
三の
谷、
四の
谷かけて、
山々峰々縱横に、
荒れに
荒るゝが
手に
取るやう、
大波の
寄せては
返すに
齊しく、
此の
一夜に
北國空にあらゆる
雪を、
震ひ
落すこと、
凄まじい。
天未に
闇し。
東方臥龍山の
巓少しく
白みて、
旭日一帶の
紅を
潮せり。
昧爽氣清く、
神澄みて、
街衢縱横の
地平線、
皆眼眸の
裡にあり。
然して
國主が
掌中の
民十萬、
今はた
何をなしつゝあるか。
……
本箱の
五ツ
七ツが
家の
五丁目七丁目で、
縱横に
通ずるので。