縱横じうわう)” の例文
新字:縦横
これに渦毛うづけぶち艷々つや/\しきちんつないで、ぐい/\と手綱たづなのやうにさばいてしが、ふとこゑして、うぢや歩行あるくか、とふ/\ひとげにさつさつと縱横じうわう濶歩くわつぽする。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
が、おなつきおな命日めいにちは、つきれても、附近ふきんまちは、よひからぢるさうです、眞白まつしろな十七にん縱横じうわうまちとほるからだとひます——あとこれきました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ふすま障子しやうじ縱横じうわう入亂いりみだれ、雜式家具ざふしきかぐ狼藉らうぜきとして、化性けしやうごとく、ふるふたびにをどる、たれない、二階家にかいやを、せままちの、正面しやうめんじつて、塀越へいごしのよその立樹たちきひさし
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとひとつがおなじやうに、二三寸にさんずんづゝ、縱横じうわうあひだをおいて、悠然いうぜんとしてながれてとほる。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いちたにたにさんたにたにかけて、山々やま/\峰々みね/\縱横じうわうに、れにるゝがるやう、大波おほなみせてはかへすにひとしく、一夜いちや北國空ほくこくぞらにあらゆるゆきを、ふるおとすこと、すさまじい。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
てんいまだくらし。東方とうはう臥龍山ぐわりうざんいたゞきすこしくしらみて、旭日きよくじつ一帶いつたいこうてうせり。昧爽まいさうきよく、しんみて、街衢がいく縱横じうわう地平線ちへいせんみな眼眸がんぼううちにあり。しかして國主こくしゆ掌中しやうちうたみ十萬じふまんいまはたなにをなしつゝあるか。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……本箱ほんばこいつなゝツがいへ五丁目ごちやうめ七丁目なゝちやうめで、縱横じうわうつうずるので。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)