“塀越”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へいご50.0%
へいごし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
門からじきに格子戸で、庭には低い立ち木の頂が、スクスクと新しい塀越へいごしに見られる。お作は以前愛された旧主の門まで来て、ちょっと躊躇した。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
今し方彼が通つて来た町の人車の響きまでが、彼を送るべき所へ送り込んだ後の極めてそつけないリズムを塀越へいごしに伝へてゐた。彼は其所そこで二時間余も待たされた後隊長の面前に引き出された。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
そうした場合には、往来へ塀越へいごしに差し出たの枝から、黄色に染まったさい葉が、風もないのに、はらはらと散る景色けしきをよく見た。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ふすま障子しやうじ縱横じうわう入亂いりみだれ、雜式家具ざふしきかぐ狼藉らうぜきとして、化性けしやうごとく、ふるふたびにをどる、たれない、二階家にかいやを、せままちの、正面しやうめんじつて、塀越へいごしのよその立樹たちきひさし
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)