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べらぼう
ふりがな文庫
“
箆棒
(
べらぼう
)” の例文
先日
(
こなひだ
)
も前大統領タフト氏が田舎に旅行して、途中で道連れになつた
農夫
(
ひやくしやう
)
を相手に、近頃農産物の値段が
箆棒
(
べらぼう
)
に高くなつた事を話して
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
箆棒
(
べらぼう
)
、そんなことされつかえ、
踊
(
をどり
)
なんざあ
後
(
あと
)
幾日
(
いくか
)
だつてあらあ、
今夜
(
こんや
)
らつから
行
(
え
)
かねえつたつてえゝから、
他人
(
ひと
)
に
云
(
ゆ
)
はれつとはあ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
丹三ががらりと態度を変えた、「おめえさんは臆病風にとっ
憑
(
つ
)
かれているんだ、男の性根を無くしているんだ、なんだ
箆棒
(
べらぼう
)
め」
無頼は討たず
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
仕方がないから、まあ西洋料理ぐらいでごまかしておこうと思って、とうとう宝亭へ連れ込んだんです。——実に田口という男は
箆棒
(
べらぼう
)
だね。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ウアッ! 畜生! なんて又俺はだらしがなさすぎたんだ!
箆棒
(
べらぼう
)
め! いくら取りみだしたとはいつたところで、こんな大事な友達のことを
金談にからまる詩的要素の神秘性に就て
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
これは六一爺さんがわたしの母とわたしに食べさせるために贈ってくれたもので、彼は母親に向って、わたしのことを
箆棒
(
べらぼう
)
にほめていたそうだ。
村芝居
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
見物「
何
(
なん
)
だ
箆棒
(
べらぼう
)
め、糞の掛けられ損か、それ打込むぞ、やア御新造
危
(
あぶね
)
え/\、
此方
(
こっち
)
へお出でなせえ、やアれ危えッてば」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
した事は生れて初めてだ。荷物の重いばかりでなく、
箆棒
(
べらぼう
)
に
前途
(
さき
)
ばかり急いで、途中ろくろく休む事も出来ねえ。どこまでも
付従
(
くっつ
)
いて行ったら
生命
(
いのち
)
を
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
「寒いッたッて、
箆棒
(
べらぼう
)
に寒い晩だ。酒は
醒
(
さ
)
めてしまッたし、これじゃアしようがない。もうなかッたかしら」と、徳利を振ッて見て、「だめだ、だめだ」と
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
夫れァ
貴官
(
あなた
)
無理ですぜ、火事を見付けて、時計を見てから怒鳴るなんて、其様
箆棒
(
べらぼう
)
な話ァありゃしません。働いてから、紙屋さんの時計を見たら九時過でしたヨ。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
箆棒
(
べらぼう
)
に速い航空機に、テレヴィジョン
送影装置
(
そうえいそうち
)
を積んで月の周囲を盛んに飛行させ、月の表面の様子を地球の上のテレヴィジョン受影機にうつして、地理を研究する。
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「うむ、ひょっとするとこれやア
姉妹
(
きょうだい
)
かも知れねえ。——だが、あいつの肌に、まともに
触
(
さわ
)
る
間
(
ま
)
もねえうちに、
箆棒
(
べらぼう
)
な、あんな野郎が、あすこへ現れるなんて。——」
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
有難がる奴の方が餘つ程の
箆棒
(
べらぼう
)
で、あつしには
賽錢
(
さいせん
)
泥棒くらゐに踏んで相手にもしませんでしたよ
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ぶるぶる胴振いが止まない、室に帰ると、
山
(
やま
)
ゥ
人
(
ど
)
達がしゃべってるしゃべってる、何しろ
箆棒
(
べらぼう
)
な胴間声で、初めの
中
(
うち
)
はユンクフラウと喧嘩でもしているのかと思った、が
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
あまりおかしいので憎っ気もなくなり、
箆棒
(
べらぼう
)
めと云い捨てに別れましたが。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「とても
箆棒
(
べらぼう
)
な俗説ですな。一体富士から此処までは何里ありますか?」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
願掛
(
がんか
)
けがあって、大山の
石尊様
(
せきそんさま
)
へお詣りに行ってきたんですからね、冗談じゃありませんや、神詣りに行った留守にまる焼けになっちまうなんて、そんな
箆棒
(
べらぼう
)
なチョボイチがあるもんじゃねえ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
箆棒
(
べらぼう
)
な爺だ、何を云やあがる、村方の厄介になりながら、詰まらねえ事ばかり云やあがる。不吉も
糸瓜
(
へちま
)
もあるものか、こんな結構な事はねえ。第一人出入りが多くなり、村へ沢山金が落ちらあ」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「なんでまたそんな
箆棒
(
べらぼう
)
な金を金蔵へなんぞ入れておいたんだ」
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
箆棒
(
べらぼう
)
、
家賃
(
やちん
)
でも
滯
(
とゞこほ
)
つた
日
(
ひ
)
にや、
俺
(
お
)
れ
辨償
(
まよ
)
はなくつちや
成
(
な
)
りやすめえし、それこさあ
俺
(
お
)
らが
身上
(
しんしやう
)
なんざ
潰
(
つぶ
)
れても
間
(
ま
)
にやえやしねえ、
厭
(
や
)
だにもなんにも
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
明
(
あ
)
かるい空を見て、しょぼしょぼした眼を、二三度ぱちつかせたが、
箆棒
(
べらぼう
)
め、こう
見
(
め
)
えたって人間でえと云った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この大いなる矛盾のおかげで、この
箆棒
(
べらぼう
)
な儚なさのおかげで、兎も角も豚でなく、蟻でなく、幸ひにして人である、と言ふやうなものである、人間といふものは。
FARCE に就て
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
金一両の四分一、つまり銀十二匁が一分に当たる換算で、十四匁だせば米が一石も買えたという
箆棒
(
べらぼう
)
な世の中だから、五千両がどのくらいの値打か御想像が願いたい。
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なぜみんなは殊の外彼を尊敬するようになったか? これは
箆棒
(
べらぼう
)
な話だが、よく考えてみると、阿Qは趙太爺の本家だと言って打たれたのだから、ひょっとしてそれが本当だったら
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
この仕掛けは、あのように
箆棒
(
べらぼう
)
に寒い暁近くでもなければ、普通の日の昼間はもちろん夜見ても、二つの接点が離れているからそれだけでは
鳥渡
(
ちょっと
)
なんのことやら、怪しまれずに済む筈なんです。
ネオン横丁殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『
箆棒
(
べらぼう
)
め、弟子が大勢居たって、宗次の刀なんぞ、
鈍刀番附
(
なまくらばんづけ
)
の横綱だ』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「野暮でも
箆棒
(
べらぼう
)
でも構わねえが、その眼の三つある
華魁
(
おいらん
)
はどうした」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
余り可笑いので
憎気
(
にくつけ
)
も無くなり、
箆棒
(
べらぼう
)
めと云ひ捨てに別れましたが。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「何を云いやがるんでえ、
箆棒
(
べらぼう
)
め、誰のための苦労だと思う」
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そこへ行くと
箆棒
(
べらぼう
)
には違ないが感心なところがあります。つまりやりかたは
悪辣
(
あくらつ
)
でも、結末には妙に
温
(
あたた
)
かい
情
(
なさけ
)
の
籠
(
こも
)
った人間らしい点を見せて来るんです。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
箆棒
(
べらぼう
)
、おつ
嵌
(
ぱ
)
めんなもんぢやねえ、それ
厭
(
や
)
だら
錢
(
ぜに
)
出
(
だ
)
せよ
錢
(
ぜに
)
、なあ、
錢
(
ぜに
)
出
(
だ
)
さねえ
積
(
つもり
)
すんのが
泥棒
(
どろぼう
)
より
太
(
ふて
)
えんだな、
西
(
にし
)
のおとつゝあ
等
(
ら
)
躊躇逡巡
(
しつゝくむつゝく
)
だから、かたで
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この大いなる矛盾のおかげで、この
箆棒
(
べらぼう
)
な儚なさのおかげで、兎も角も豚でなく、
蟻
(
あり
)
でなく、幸いにして人である、と言うようなものである、人間というものは。
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
それには
箆棒
(
べらぼう
)
に凝った筆法で、いかめしく左のような文章が記述してあったのである。
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「野暮でも
箆棒
(
べらぼう
)
でも構はねえが、その眼の三つある
華魁
(
おいらん
)
はどうした」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
解
(
わか
)
った!
箆棒
(
べらぼう
)
! 何のことだ!」
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しきりにパチつかせていたが「本当にさ、幽霊だの
亡者
(
もうじゃ
)
だのって、そりゃ御前、
昔
(
むか
)
しの事だあな。電気灯のつく
今日
(
こんにち
)
そんな
箆棒
(
べらぼう
)
な話しがある訳がねえからな」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その意味に於て尊公の心に萌し出でた本能の芽は聖なる
鉢顛闍梨
(
パタンヂャリ
)
の三昧に比していささかも
遜
(
ゆず
)
るところを見出しがたいのぢやよ。
唵
(
オーム
)
唵
(
オーム
)
、(
箆棒
(
べらぼう
)
め)といつたものぢやよ。
木枯の酒倉から:――聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「大きい聲ぢや言へねえが、そいつは
箆棒
(
べらぼう
)
な話だね」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ブッ、
箆棒
(
べらぼう
)
、笑っているくせに」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「それが十二万四千石松平伊賀様の御落胤だって、そんな
箆棒
(
べらぼう
)
なすっ頓狂な、ううう、そのへちゃむくれた話があるもんか、ぺてんにひっ掛ったにちげえねえ、それだけは
憚
(
はばか
)
りながらこの銀太が証人だ、いまにざまあ見やがれだ、なあ金太」
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「それでも田口が
箆棒
(
べらぼう
)
をやってくれたため、君はかえって
仕合
(
しあわせ
)
をしたようなものですね」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「えい
箆棒
(
べらぼう
)
、気を付けろい!」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「大
箆棒
(
べらぼう
)
で」
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
仕方がないから何だか分らない、この次教えてやると急いで引き
揚
(
あ
)
げたら、生徒がわあと
囃
(
はや
)
した。その中に出来ん出来んと云う声が
聞
(
きこ
)
える。
箆棒
(
べらぼう
)
め、先生だって、出来ないのは当り前だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「何を、
箆棒
(
べらぼう
)
、怖いものか」
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
焚
(
た
)
き出しをするから、そう云う名をつけたものかも知れない。自分はその
後
(
ご
)
飯場の意味をある坑夫に尋ねて、
箆棒
(
べらぼう
)
め、飯場たあ飯場でえ、何を云ってるんでえ、とひどく
剣突
(
けんつく
)
を
食
(
くら
)
った事がある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
箆棒
(
べらぼう
)
め、うちなんかいくら大きくたって腹の
足
(
た
)
しになるもんか」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
飛び込みながら「
箆棒
(
べらぼう
)
に
温
(
ぬ
)
るいや」と云った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
箆棒
(
べらぼう
)
め、腕が鈍いって……」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
箆
漢検準1級
部首:⽵
14画
棒
常用漢字
小6
部首:⽊
12画
“箆棒”で始まる語句
箆棒奴
箆棒様