いはひ)” の例文
このたびはソノ三題話さんだいばなし流行はやつた時分じぶん出来できました落語はなしで、第一が大仏餅だいぶつもち、次が袴着はかまぎいはひ乞食こつじき、と三題話さんだいばなしを、掲載すことにいたしました。
さて、はなしなか物語ものがたり、わづらはしいからはぶく、……いはひ仲間ちうげんども一座いちざ酒宴しゆえん成程なるほど元二げんじ仕組しくんだとほり、いづれも持寄もちよりで、國々くに/″\はなしをはじめた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十一才の誕生の日には母のゆるしを得て一日学校を休み、例の通り少しばかりのいはひをしてらいました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
喜びの舞と尊き大いなるいはひ——光、光と樂しく快くかつ歌ひかつ照しあふ——とが 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
源氏の再版のいはひだと云つて煙草たばこを十二いろ交ぜて持つて来てくれた。嬉しくてならなく思つた。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
船中のクリスマスは相応に立派な飾りつけが出来たが、二等室は動揺がひどいので日本人の大部分は食卓に就かなかつた。一等室の食卓では西洋人も予等もたがひ三鞭シヤンペンさかづきを挙げていはひ合つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「お心付きはございませんか、私と妹は、泉州せんしう堺の住人、いはひ圓之丞の娘——」
これは長兄が生れたとき、いはひもらつた品々などの記入から始まり、法事の時の献立こんだて、病気見舞の品々、婚礼のときの献立など、こまごまとしるしてあるので、僕は珍しいと思つて貰ひ受けたのであつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
呼出よびだし一人一人に吉兵衞に引合ひきあはせ此度は番頭ばんとう吉兵衞樣御商賣のお手初てはじ新艘しんざうの天神丸の上乘成うはのりなさるゝとの事なり萬事ばんじ御利發ごりはつのお方なり正月三日のおいはひ番頭樣ばんとうさまおごり成ぞ皆々悦び候へと語りければ水主等かこらは皆々手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さていはひ中間ちうげんども一座いちざ酒宴しゆえん成程なるほど千助せんすけ仕組しくんだとほり、いづれも持寄もちよりで、國々くに/″\はなしをはじめた。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ナニ横着わうちやくな事があるものか、イエあれはほんの心ばかりのいはひなんで、如何いかにもめづらしい物を旧主人きゆうしゆじんからもらひましたんでね、じつ御存知ごぞんぢとほり、ぼく蘭科らんくわはう不得手ふえてぢやけれど、時勢じせいに追はれてむを
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おツ、言ふとも、いはひ圓之丞の娘、琴と糸、今こそ思ひ知つたか」
祭よりもいはひよりも誘惑そそる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しめきん七十圓なゝじふゑん——もしそれわたしをして幹事かんじたらしめば、たちまちにおぼん軍用ぐんようてようものを、軍規ぐんき些少いさゝかてきにかすめざる瀧君たきくんなれば、こゝろざしはうけた——あるひ新築しんちくいはひあるひをどり一手ひとて祝儀しうぎ
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)