ばたけ)” の例文
賢吉けんきちは、そのそばへいってみると、かきのなえが、みょうがばたけはしほうに一ぽんて、おおきなをつやつやさしています。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
クリスチャンスタッドのあたりの大きなジャガイモばたけ——まだくろぐろと、地肌じはだを見せていました——の上を飛んだとき、ガンたちはさけびました。
山姥やまうば半分はんぶんなわをつかんだまま、たか大空おおぞらからまっさかさまに、ちょうど大きなそばばたけなかちました。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ささげばたけでは、ささげがほそほそいあるかないかの銀線ぎんせんの、いな、むづかしくいふなら、永遠えいゑん刹那せつなきてもききたいやうなのでる樂器がくきに、そのこゑをあはせて、しきり小唄こうたをうたつてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
どこを見てもトマトばたけばつかりつまらないわ
一つみつけたはかぶらばたけの野うさぎだ。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
「坊や その むづむづするのはね、今に 坊やの 體から 何かゞ 生えて くるのよ、さあ それでは、あの 丘の 南の なの花ばたけの 中へ はいつて、ぢつと すはつて ゐなさい、何か 生えて くるまで 待つて ゐなさいね。」
仔牛 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
南は高い粟ばたけ
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つきまるく、ひがしそらからのぼばんも、また、黒雲くろくもそとくらばんも、こうもりは、りんごばたけうえびまわりました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大きな、お金もちの農家のうかは、ニワトリたちからも『さいわばたけ』とか、『卵山たまごやま』とか、『宝荘たからそう』といったように、すばらしい名まえをつけてもらっています。
あかがえるをつけているの、きみもおいでよ。」と、清次せいじが、こたえました。賢吉けんきちは、みょうがばたけなかはいりました。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですから、冬、雪におおわれているときには、だれでも、その雪の下には、ほかの平地へいちとおなじように、休閑地きゅうかんちや、ライムギばたけや、クローヴァのえた牧場ぼくじょうがあるものと思います。
また、つぎの、つぎのとしも、なつになると、一ぴきのおおきなこうもりが、おおくのこうもりをひきいてきて、りんごばたけうえ毎晩まいばんのようにびまわりました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
若者わかものは、これをきいて、たいそうよろこびました。そして、二人ふたりは、西にしほうにあるりんごばたけをさしてたびをいたしました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、わたしは、これから西にしにゆきますと、ひろいりんごばたけがあって、そこでは人手ひとでのいることをっています。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
りんごばたけには、朝晩あさばんとりがやってきました。子供こどもは、よく口笛くちぶえいて、いろいろなとりあつめました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、小道こみちをいきました。みちりょうがわに、かぼちゃばたけがあって、黄色きいろはないていました。くまばちが、みつをさがしに、はななかへはいったり、たりしていました。
白壁のうち (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、そのとしなつ日暮ひぐがたのことであります。どこからとなく、たくさんのこうもりがんできて、毎晩まいばんのようにりんごばたけうえびまわって、わるむしをみんなべたのであります。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)