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正面
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しょうめん
ふりがな文庫
“
正面
(
しょうめん
)” の例文
見れば、
正面
(
しょうめん
)
の
床几
(
しょうぎ
)
に、
気
(
け
)
だかさと、美しい
威容
(
いよう
)
をもった
伊那丸
(
いなまる
)
、左右には、
山県蔦之助
(
やまがたつたのすけ
)
と
咲耶子
(
さくやこ
)
が、やや頭をさげてひかえている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
煙の満ち充ちた飾り窓の
正面
(
しょうめん
)
。少年はこの右に
佇
(
たたず
)
んでいる。ただしこれも膝の上まで。煙の中にはぼんやりと城が三つ浮かびはじめる。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
まん中がふくらみだして、とうとう青いのは、すっかりトパーズの
正面
(
しょうめん
)
に来ましたので、
緑
(
みどり
)
の中心と黄いろな明るい
環
(
わ
)
とができました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうちに、
子供
(
こども
)
らは、
正面
(
しょうめん
)
へずらりとお
行儀
(
ぎょうぎ
)
よく
並
(
なら
)
んで、
兵隊
(
へいたい
)
さんの
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
て、バイオリンに
合
(
あ
)
わせてうたいはじめました。
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真
(
ま
)
っ
正面
(
しょうめん
)
からぶつかって、手捕りにしてくれようと、壁辰はお妙を離して、
閉
(
し
)
め切ってある台所の板戸に手をかけた。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
はっとして、目をあげてみますと、じぶんのまっ
正面
(
しょうめん
)
に、しかもたった二メートルの
鼻
(
はな
)
さきに、ものすごい
絶壁
(
ぜっぺき
)
が、きり立っているではありませんか。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
私
(
わたくし
)
はうれしくもあれば、また
意外
(
いがい
)
でもあり、
言
(
い
)
わるるままに
急
(
いそ
)
いで
建物
(
たてもの
)
の
内部
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
って
見
(
み
)
ますと、
中央
(
ちゅうおう
)
正面
(
しょうめん
)
の
白木
(
しらき
)
の
机
(
つくえ
)
の
上
(
うえ
)
には
果
(
はた
)
して
日頃
(
ひごろ
)
信仰
(
しんこう
)
の
目標
(
まと
)
である
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
正面
(
しょうめん
)
は
本院
(
ほんいん
)
に
向
(
むか
)
い、
後方
(
こうほう
)
は
茫広
(
ひろびろ
)
とした
野良
(
のら
)
に
臨
(
のぞ
)
んで、
釘
(
くぎ
)
を
立
(
た
)
てた
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
塀
(
へい
)
が
取繞
(
とりまわ
)
されている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
正面
(
しょうめん
)
に広い
舞台
(
ぶたい
)
ができていました。
間
(
ま
)
もなく甚兵衛は、大きなひょっとこの人形を
持
(
も
)
ちだし、それを
舞台
(
ぶたい
)
の
真中
(
まんなか
)
に
据
(
す
)
えまして、自分は小さな
鞭
(
むち
)
を手に
持
(
も
)
ち、人形の
側
(
そば
)
に立って、
挨拶
(
あいさつ
)
をしました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そしてだんだん
十字架
(
じゅうじか
)
は
窓
(
まど
)
の
正面
(
しょうめん
)
になり、あの
苹果
(
りんご
)
の
肉
(
にく
)
のような青じろい
環
(
わ
)
の雲も、ゆるやかにゆるやかに
繞
(
めぐ
)
っているのが見えました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
正面
(
しょうめん
)
の
梅雪入道
(
ばいせつにゅうどう
)
をはじめ、四
天王
(
てんのう
)
以下の大衆も、かたずをのんで、民部の太刀と伊那丸のようすとを見くらべていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは消え失せてしまわないまでも、二年前には見られなかった、柔かい明るさを呼吸していた。殊に広子は
正面
(
しょうめん
)
にある一枚の油画に珍らしさを感じた。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ものの二
丁
(
ちょう
)
ばかりも
進
(
すす
)
んだ
所
(
ところ
)
が
姫
(
ひめ
)
の
御修行
(
ごしゅぎょう
)
の
場所
(
ばしょ
)
で、
床一面
(
ゆかいちめん
)
に
何
(
なに
)
やらふわっとした、
柔
(
やわら
)
かい
敷物
(
しきもの
)
が
敷
(
し
)
きつめられて
居
(
お
)
り、そして
正面
(
しょうめん
)
の
棚
(
たな
)
見
(
み
)
たいにできた
凹所
(
くぼみ
)
が
神床
(
かんどこ
)
で
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
正
(
ただ
)
しく
生
(
い
)
きることは、どうして、このように
不安
(
ふあん
)
なのであろうかと、
正直
(
しょうじき
)
にいうと、はじめて、
叔父
(
おじ
)
さんは、
正面
(
しょうめん
)
から、じっと
僕
(
ぼく
)
の
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
て、
真剣
(
しんけん
)
な
態度
(
たいど
)
を
示
(
しめ
)
したのでした。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
向
(
む
)
こうの青い森の中の
三角標
(
さんかくひょう
)
はすっかり汽車の
正面
(
しょうめん
)
に来ました。そのとき汽車のずうっとうしろの方から、あの聞きなれた三〇六番の
讃美歌
(
さんびか
)
のふしが聞こえてきました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あかき光を
正面
(
しょうめん
)
にうけて、
薪束
(
まきたば
)
のうえに
腰
(
こし
)
をかけている
影
(
かげ
)
こそ、まさしく
伊那丸
(
いなまる
)
であり、その
両側
(
りょうがわ
)
にそっているのは、
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
、
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
、いつも、すきなき身がまえである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長老は
大様
(
おおよう
)
に微笑しながら、まず僕に
挨拶
(
あいさつ
)
をし、静かに
正面
(
しょうめん
)
の祭壇を指さしました。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そう
言
(
い
)
ってお
爺
(
じい
)
さんはにっこりともせず、
正面
(
しょうめん
)
から
私
(
わたくし
)
に
鋭
(
するど
)
い
一瞥
(
いちべつ
)
を
与
(
あた
)
えられました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
“正面”の意味
《名詞》
正 面(しょうめん)
物の前の面。
正しく向き合う方向。
まともに対すること。
能舞台の中央から前の部分。
(出典:Wiktionary)
“正面(正面性)”の解説
正面性
見る側に対し、左右対称、平行(視線と直交)、その他、正面で向き合おうとすること、およびその性質
見る者に向ける面(正面)を明確・一義的にする性質
(出典:Wikipedia)
正
常用漢字
小1
部首:⽌
5画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“正面”で始まる語句
正面玄関
正面向
正面図
正面壁間
正面整列