忠義ちうぎ)” の例文
わすたまひしおことばなりおもふはねたみにやお主樣しうさまゆゑにはころして忠義ちうぎくすひとさへるをわれ一人ひとりにてきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たか大家たいかと云はれてたさに無暗むやみ原稿紙げんかうしきちらしては屑屋くづや忠義ちうぎつくすを手柄てがらとは心得こころえるお目出めでたき商売しやうばいなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
さゝるゝな立派な出世致すべしかくてこそ予にたい忠義ちうぎなるぞと申聞られ一人々々ひとり/\盃盞さかづきを下され夫より夜のあくるをまちける此時越前守の奧方おくがたには奧御用人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さすれば無用むようつひえせつせむ、なんぢ一人いちにん奉公ほうこうにて萬人ばんにんのためになりたるは、おほ得難えがた忠義ちうぎぞかし、つみなんぢはづかしめつ、さぞ心外しんぐわいおもひつらむが、見棄みすてずば堪忍かんにんして、また此後このごたのむぞよ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くばり曾て外々ほか/\の者とは事變り其辛抱は餘所目よそめにも見ゆる程なれば近所近邊の者に至るまで伊勢五の忠義ちうぎ々々/\と評判高く一年々々ととしかさなりて終に二十年を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま松野まつのてゝ竹村たけむらきみまれれにまれ、开所そこだめなばあはれや雪三せつざうきやうすべし、わが幸福かうふくもとむるとて可惜あたら忠義ちうぎ嗤笑ものわらひにさせるゝことかは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はばなんぢいた面皮めんぴかむが、忠義ちうぎのほどはわれれり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はなあらしのおそろしきこゝろもらずおこらんにや、るさせたまへとてこひなればこそ忠義ちうぎきたへし、六しやく大男おほおとこをふるはせて打泣うちなきし、姿すがたおもへばさてつみふかし、六歳ろくさいのむかし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のべざるも不忠ふちうと存候此儀私事には候はず天下の御爲おんためきみへの忠義ちうぎにも御座あるべく依てつゝまず言上仕り候越前儀未熟みじゆくながら幼少えうせうの時より人相にんさういさゝ相學あひまなび候故昨日あひへだち候へ共彼の方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)