御樣子ごやうす)” の例文
新字:御様子
御樣子ごやうすせらるゝ、蒋生しやうせいいのち瀬戸際せとぎはよわて、たまりかねて、「お慈悲じひ、お慈悲じひかへります、おかへください。」とたらに叩頭おじぎをするのであつた。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
バル まゝ、おこらへなされませい、いかうおいろあをざめて、物狂ものぐるほしげな御樣子ごやうす、ひょんなことでもあそばしさうな。
人傳ひとづてきましておいかりにふれるとはるも御樣子ごやうすうかゞひたさににくいところつくろつてやうやうのおもひでまゐりましたお父樣とつさまにもお執成とりなしをとしほ/\としていひづるを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なし餘り久々御疎遠ごそゑんなれば御機嫌ごきげんうかゞひ度又此方の御樣子ごやうす如何と存じ母を同道していで馬喰町武藏屋清兵衞方に罷在まかりあり候と申けるに利兵衞の心はとくよりかは持參金ぢさんきんのあるむこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うも御樣子ごやうすておいでなさいます、といままをせばまをしますやうなものの、あんまりおほきくおりなさいましたで、まるでもつて、思掛おもひがけずでござりました。失禮しつれいながら、おいくつに。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つき今日私し宮崎樣の御屋敷へ罷りこし御屆書を差上げし處内記樣早速御逢おあひなされて御屆けがきの趣きちく一御尋問たづね有りける故其次第を申立候處まづ御聞濟おきゝずみの樣には候へども何か此方の御樣子ごやうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やさしいかたなれば此樣こんづかしいのやうの世渡よわたりをしておいでならうか、れもこゝろにかゝりまして、實家じつかたび御樣子ごやうすを、もしつてもるかといてはまするけれど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくの如き御樣子ごやうすにては對決たいけつなしに忽ち負公事まけくじと成り申すべし此上の處御心を大丈夫になし給ふべし後にはかく申す安間平左衞門ひかへてれば假令たとひ大山がくづれ來る共少しも御心勞に及ばずと力を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はい昨夜ゆうべはよくおやすみになりましたが今朝けさほどまたすこしその、一寸ちよつと御樣子ごやうすかはつたやうで、ま、いらしつて御覽下ごらんくださりませとさきたつ案内あんないをすれば、心配しんぱいらしくひげをひねりて、おく座敷ざしきとほりぬ。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)