宴会えんかい)” の例文
旧字:宴會
さて、お話かわって、この国の王さまが大きな宴会えんかいをもよおすことになりました。その宴会は、三日もつづくことになっていました。
宴会えんかいへ行くときにあれほどれ晴れとしていたかの女のかわいらしい顔は、いまは悲しみにしずんで、なみだがほおをつたっていた。
その夜は、カモシカ号不時着以来、はじめての、にぎやかな宴会えんかいがひらかれ、星人たちと二少年とは、陽気にさわいで楽しんだ。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
太郎たろうは、きつねの嫁入よめいりのはなしをいていました。いまあちらの野原のはらで、その宴会えんかいひらかれているのでないかとおもいました。
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
命は弟宇迦斯おとうかし献上けんじょうしたごちそうを、けらい一同におくだしになって、お祝いの大宴会えんかいをお開きになりました。命はそのとき
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
「もう、すずの兵隊さんの服が、かりられるよ。きっと、似合うだろう! 宴会えんかいのときは、軍服を着ていたほうが、スマートに見えるからね」
あるところに宴会えんかいが開かれ、当時議会でぶりのよい有名なぼう政治家が招待せられ、わが輩もその末席まっせきについたことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
男はタキシイド、女は紋服もんぷくかイブニング・ドレスといった豪奢ごうしゃ宴会えんかいで、カルホルニア一流の邦人名士の御接待でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
それから家来たちに、すぐお祝いの宴会えんかいと、婚礼の用意をするようにとおっしゃいました。するとアラジンは
昨晩だって旅川があの宴会えんかいに加わらなかったのは別に腹が立ちもしない。あれは僕とは縁なき衆生しゅじょうだ。僕から見れば馬鹿野郎だ。どんなにでも軽蔑出来る。
風宴 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「あッは、あッは。おもしろい、おもしろい。今夜こんやのようなゆかいな宴会えんかいははじめてだ。だがついでにだれか、もっとめずらしいおどりをおどってせるものはないか。」
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
この芸妓げいしゃは、昨夜ゆうべ宴会えんかい余興よきょうにとて、もよおしのあった熊野ゆやおどりに、朝顔にふんした美人である。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
過般こないだ宴会えんかいの席で頓狂とんきょう雛妓おしゃくめが、あなたのお頭顱つむりとかけてお恰好かっこう紅絹もみきますよ、というから、その心はと聞いたら、地がいて赤く見えますと云って笑いころげたが
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ヤトナというのはいわば臨時雇で宴会えんかい婚礼こんれいに出張する有芸仲居のことで、芸者の花代よりは随分安上りだから、けちくさい宴会からの需要が多く、おきんは芸者上りのヤトナ数人と連絡れんらくをとり
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
かれらからいろいろのはなしくだけでも無益むえきではないであろうから、正月しょうがつには、かれらをまねいて、ひとつ盛大せいだい宴会えんかいひらいて、みようとおもう……。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
はいかぶりがこの着物をきて、宴会えんかいせきにあらわれますと、だれもかれもがその美しさにあっとおどろいてしまいました。
そして、たまたまちょうどその家ができあがったばかりで、近々にそのお祝いの宴会えんかいをするというので、大さわぎでしたくをしているところでした。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
毎日毎日、宴会えんかいがもよおされ、舞踏会ぶとうかいだの、いろいろの会が、つぎからつぎへと開かれました。それなのに、この国の王女は、まだ一度も姿を見せたことがありません。
しかし、おじいさんは、会社かいしゃからのかえりに、宴会えんかいがあって、そのほうへまわりました。そして、河骨こうほねのことは、それきりわすれてしまったのでした。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしてさかんなご宴会えんかいをお開きになって、そのお席で曾婆加里そばかりを大臣の位におつけになり、すべての役人たちに言いつけて礼拝をおさせになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ふたりのまま子のきょうだいは、じぶんたちもその宴会えんかいにでられることになっているときかされて、大よろこびでした。それで、はいかぶりをよびつけて
「今夜、あなたを、宮中の宴会えんかいにおまねきするのは、わしにとって大きなよろこびです。宮中へまいりましたら、あなたの美しい声で、どうか、皇帝陛下のみ心を、おなぐさめ申しあげてください」
人間にんげんでもそうであるように、まれには、仲間なかまどうしだけで、宴会えんかいひらきたいものです。うみ男女だんじょかみたちは、きゅうに、舞踏会ぶとうかいもよおすことになりました。
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
いよいよおうさまが宿やどなしどもや、乞食こじきどもを、おまねきなされて、盛大せいだいなご宴会えんかいひらかれるというふれが、いたるところに、はられましたから、すきなさけめずに、貧乏びんぼうくるしんでいるひとたちは
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぶどうは、すこしぎたが、まだいいのがあります。かきもなっているところをっていますし、くりや、どんぐりや、やまなしのなど、まださがせばありますから、かならずいい宴会えんかいができますぜ。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひめさま、まことにかわいそうなことでございます。去年きょねんはる御殿ごてんにおきゃくがありまして、ご宴会えんかいのございましたときに、殿とのさまから、おひめさまにうたをうたってうようにとのご命令めいれいがありました。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)