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子供心
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こどもごゝろ
墨や
紅を
流して
染めた
色紙、または
赤や
黄や
青の
色紙を
短册の
形に
切つて、あの
青い
竹の
葉の
間に
釣つたのは、
子供心にも
優しく
思はれるものです。
私は
子供心に、父親のことを考へた。国の
為に死んだ
豪い父親!
其墓のある
処はどんな
処だらうと思つた。
其には
別に
理由も
何も無い、
究竟学校が違つて
了つた所から、お
互に
今日あつて
昨日も
明日も無い
子供心に、
漠然と
忘れて
了つたのです、すると、
私が二
級に
成つた
時
美登利は
更に
答へも
無く
押ゆる
袖にしのび
音の
涙、まだ
結ひこめぬ
前髮の
毛の
濡れて
見ゆるも
子細ありとはしるけれど、
子供心に
正太は
何と
慰めの
言葉も
出ず
唯ひたすらに
困り
入るばかり
父さんは
馬車の
上からそれを
眺めて、
子供心にめづらしく
思つて
行きました。
伯父さんの
話で、そこが
上州の
松井田といふ
町だといふことも
知りました。
壁に張つてある
煤けた西南戦争の
錦絵を
私は
子供心によく覚えて
居た。
と
伯父さんに
言はれて、
父さんは
子供心にも
東京のやうなところへ
行かれることを
樂みに
思ひました。
父さんより三つ
年長の
友伯父さんが、その
時やうやく十二
歳でした。