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嫡男
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ちゃくなん
ふりがな文庫
“
嫡男
(
ちゃくなん
)” の例文
大和国
神戸
(
かんべ
)
ノ
庄
(
しょう
)
、
小柳生城
(
こやぎゅうじょう
)
の
主
(
あるじ
)
、柳生
美作守家厳
(
みまさかのかみいえとし
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
として生れ、産れ落ちた
嬰児
(
えいじ
)
の時から、体はあまり丈夫なほうでなかった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上野国の御家人薗田太郎成家は
秀郷
(
ひでさと
)
将軍九代の孫、薗田次郎成基が
嫡男
(
ちゃくなん
)
であるが、武勇の道に携わり、
射獦
(
しゃかつ
)
を事として罪悪をほしいままにしていたが
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「神保帯刀様ご
嫡男
(
ちゃくなん
)
、同姓市之丞様に物申す。いざ尋常にご覚悟あって、その
御手
(
おんて
)
背
(
そびら
)
にお廻わしあれや!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
嫡男
(
ちゃくなん
)
の正広と云う人があるが、その人とは分けても仲が悪くて、よく
喧嘩
(
けんか
)
をすること、光代自身は見ていないが、激して来ると兄貴を殴ったりもしかねないと云う話であること
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かの国にて世を終らんかなどの事をさえ打ち明くるに至りければ、妾もまたその情に撃たれつつ、
御身
(
おんみ
)
は妾と異なりて、財産家の
嫡男
(
ちゃくなん
)
に生れ給い、
一度
(
ひとたび
)
洋行してミシガン大学の業を
卒
(
お
)
え
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
それにしても
右
(
みぎ
)
の
所謂
(
いわゆる
)
『
小櫻姫
(
こざくらひめ
)
』とは
何人
(
なんびと
)
か?
本文
(
ほんぶん
)
をお
読
(
よ
)
みになれば
判
(
わか
)
る
通
(
とほ
)
り、この
女性
(
じょせい
)
こそは
相州
(
そうしゅう
)
三浦
(
みうら
)
新井城主
(
あらいじょうしゅ
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
荒次郎
(
あらじろう
)
義光
(
よしみつ
)
の
奥方
(
おくがた
)
として
相当
(
そうとう
)
世
(
よ
)
に
知
(
し
)
られている
人
(
ひと
)
なのであります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「それはいけない。私はまだ青くさい一介の若輩だし、貴公はいやしくも平安の名家吉岡拳法の
嫡男
(
ちゃくなん
)
、門人数百を持つ一流の御宗家だ」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやいやそれは信じられぬ。いかに暴虐の殿であっても、鳰鳥などという怪しい
女子
(
おなご
)
に魂を奪われる殿であっても、お家の忠臣花村家の、その
嫡男
(
ちゃくなん
)
の
某
(
それがし
)
の、愛するそなたを
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
中御門
(
なかみかど
)
の北、堀川の東一丁の所にあった時平の居館の名で、当時時平は故
関白
(
かんぱく
)
太政
(
だじょう
)
大臣
基経
(
もとつね
)
、———
昭宣公
(
しょうせんこう
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
として、時の
帝
(
みかど
)
醍醐
(
だいご
)
帝の皇后
穏子
(
おんし
)
の兄として、権威並びない地位にあった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
嫡男
(
ちゃくなん
)
として役所に届け出でられぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
それは、亡き楠木河内守正成の
嫡男
(
ちゃくなん
)
正行
(
まさつら
)
だった。先帝の
喪
(
も
)
と洩れ聞いて、正行は一族の和田和泉守らとほか数百騎をひきつれて
馳
(
は
)
せ参じ
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫡男
(
ちゃくなん
)
新三郎水没し、次男弥蔵
出藍
(
しゅつらん
)
の
誉
(
ほま
)
れあり、江州佐和山石田三成に仕え、乱後身を避け高野山に登り、後吉野の
傍
(
そば
)
に住す。清洲少将忠吉公、その名を聞いてこれを召す。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こゝで此の二人が噂をしている「
帥
(
そち
)
の大納言」とその北の方と云うのは
如何
(
いか
)
なる人であるか、と云うのに、大納言は藤原
国経
(
くにつね
)
のことで、閑院左大臣
冬嗣
(
ふゆつぐ
)
の孫に当り、権中納言
長良
(
ながら
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
である。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして、東と西は、加茂の河辺から山の尾根までを抱き、小松谷の山ふところには、
嫡男
(
ちゃくなん
)
の重盛が邸宅を新築し、小松殿とよばれてもいる。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、義元は、甲斐の信玄の
嫡男
(
ちゃくなん
)
太郎義信
(
たろうよしのぶ
)
に、自身の
息女
(
むすめ
)
を嫁がせ、信玄の息女を、北条家に嫁がせることを、かねてから策していたのであった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒲焼屋の男が、とたんに、ぺたッと坐ってしまったのは、もしやこの人が、上野介の
嫡男
(
ちゃくなん
)
の
左兵衛佐
(
さひょうえのすけ
)
ではあるまいか、とすぐ感じたからであった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中の弟の二十二歳になるほうは、終始、主君の
嫡男
(
ちゃくなん
)
太郎信勝の影身にそい、この若い主従も、同じ頃、討死していた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかに自分の
嫡男
(
ちゃくなん
)
であろうと、こういう暗愚を見せられたら、家臣たちもおのずと氏真を軽んじるであろう。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとたび、山を追われて、今の
修羅
(
しゅら
)
の世に出て、あの
雄叫
(
おたけ
)
びを聞いたなら、おそらく、彼は、源
義朝
(
よしとも
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
たちと共に、
業火
(
ごうか
)
の下に、
鉄弓
(
てっきゅう
)
もしごく男となろう
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気品においては、源家の正統、
鎮守府将軍義家
(
ちんじゅふしょうぐんよしいえ
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
、
対馬守義親
(
つしまのかみよしちか
)
の息女、云い分のあろうわけはない。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鎌倉には、妻の
登子
(
とうこ
)
を残していた。また、新田軍のうちには、
嫡男
(
ちゃくなん
)
の千寿王を、あえて参陣させてある。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
城主の勝入をはじめ、
嫡男
(
ちゃくなん
)
の
紀伊守
(
きいのかみ
)
や
聟
(
むこ
)
の
森武蔵守
(
もりむさしのかみ
)
まで、一時に三名の柱が、長久手に戦死して、のこるは、若い三左衛門
輝政
(
てるまさ
)
と、まだ十五歳の
長吉
(
ながよし
)
だけとなった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
残してきた最愛の
嫡男
(
ちゃくなん
)
だけがひたすら彼の心配であった。——年を越えつつ尊氏は備前から京都へ急いで引っ返した。——だが途中で、もうその義詮は父に出会った。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信長はまた、
嫡男
(
ちゃくなん
)
の信忠に、信玄の第六女を
娶
(
めと
)
って、両国のくさびを
弛
(
ゆる
)
めまいと努めた。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わが病の一つは、これで除かれたというものだ。彼の
嫡男
(
ちゃくなん
)
孫策はまだ幼年だし……」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かりに五十日や百日お
寝
(
やす
)
みでも、決して時務に
遅滞
(
ちたい
)
はいたしませぬ、諸大名も案じています、どうぞ充分御静養を取られますようにと、さすがもう
世嗣
(
よつぎ
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
らしく自負して言った。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遮那王といえば、源家の
嫡男
(
ちゃくなん
)
、
前左馬頭義朝
(
さきのさまのかみよしとも
)
の末子で、
幼名
(
おさなな
)
を、牛若といった
御曹子
(
おんぞうし
)
のことだ。
常磐
(
ときわ
)
とよぶ母の乳ぶさから
捥
(
も
)
ぎ
離
(
はな
)
されて、鞍馬寺へ追い上げられてから、もう、十年の余になる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かくて教頭王進の
母子
(
おやこ
)
は、そのまま史家村に居着いてしまった。そして
史家
(
しけ
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
九紋龍一人のために、かつての禁軍八十万の師範王進が、日々手をとって武芸十八般にわたる秘技を指南した。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よい子持ちだの。——
嫡男
(
ちゃくなん
)
どもか。みんな前へ出ろ。わしが尊氏だ」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御幼少なお
嫡男
(
ちゃくなん
)
、お三人の
姫
(
ひい
)
さまたちのお行く末については、藤吉郎、身にかえても、お護りいたす
所存
(
しょぞん
)
にございますれば……畏れながら、それについては、いささかのお心残りも遊ばさぬように
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ことし十二歳になった小六の
嫡男
(
ちゃくなん
)
亀一は、父の声を聞くと
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫡男
(
ちゃくなん
)
の菊池武重を、肥後の守護職、
兼
(
けん
)
、左京大夫に。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長政は、黒田
如水
(
じょすい
)
の
嫡男
(
ちゃくなん
)
であった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ご
嫡男
(
ちゃくなん
)
、千寿王ぎみ
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“嫡男”の意味
《名詞》
法律上婚姻関係にある妻・正妻が生んだ長男。
家督を継ぐ者。
(出典:Wiktionary)
“嫡男”の解説
嫡男(ちゃくなん)とは、嫡子(')とも呼ばれ、一般に正室(正嫡)の生んだ男子のうち最も年長の子を指す。女子の場合は嫡女'となる。
(出典:Wikipedia)
嫡
常用漢字
中学
部首:⼥
14画
男
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“嫡”で始まる語句
嫡子
嫡流
嫡
嫡妻
嫡孫
嫡々
嫡后
嫡庶
嫡系
嫡室