大目おほめ)” の例文
やがて、合方あひかたもなしに、落人おちうどは、すぐ横町よこちやう有島家ありしまけはひつた。たゞでとほ關所せきしよではないけれど、下六同町内しもろくどうちやうないだから大目おほめく。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れから屹度きつとやらないなら今日けふところだけは大目おほめいたゞいて警察けいさつれてかれないやうにうかゞつててあげるがね、どうしたもんだね」と勘次かんじへいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それから又、問題が私にはつきりしてゐない為に私の答へた所でも、あなたの要求された所と一致しなかつたかも知れません。それも不悪あしからず大目おほめに見て置いて下さい。以上
すゑなにとなるぞ、兩親れうしんありながら大目おほめてあらきことばをかけたることく、ろうあるじ大切たいせつがる樣子さまあやしきに、けば養女やうぢよにもあらず親戚しんせきにてはもとよりく、あねなるひと身賣みうりの當時たうじ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大倭根子日子賦斗邇おほやまとねこひこふとにの命黒田くろだ廬戸いほどの宮にましまして、天の下治らしめしき。この天皇、十市とをちの縣主の祖、大目おほめが女、名はくはし比賣の命に娶ひて、生みませる御子、大倭根子日子國玖琉おほやまとねこひこくにくるの命一柱。
「本當にね。初めての方にはきつとさうお見えになるのでせうねえ。でも私はもうあの方の遊ばすことにはよく慣れてますのでさうは思ひませんよ。それに若しあの方がもと/\風變りでいらつしやるのでしたら、大目おほめに見て差上げなくてはね。」
たとひ紋着もんつきはかま穿いても、これが反對うらはらで、女湯をんなゆ揚場あがりばに、はうだんると、時節柄じせつがら早速さつそくすぢから御沙汰ごさたがあるが、男湯をとこゆをんな出入でいりは、三馬さんば以來いらい大目おほめてある。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悪口わるぐち岡目八目をかめはちもくの然らしむる所以ゆゑんだと大目おほめに見て頂きたい。(九・七・十八)
西洋画のやうな日本画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
もつとこのくれえぢや旦那だんな大目おほめてくれべえから心配しんぺえはあんめえがなよ」勘次かんじすぐにおしな病氣びやうき心付こゝろづいてういつた。壁際かべぎはにはわら器用きようたはら規則正きそくたゞしくかへられた。おしなはそれを一しんた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
二階にかいあがらせては面倒めんだう、とふのが、うして人參にんじんところられると、都合つがふわるいので、金子かねわたさぬわけにかぬぢや。……は、は、大目おほめやれさ。」と仰向あふむけに椅子いする。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)