づつ)” の例文
と人のこえがしました。小僧こぞうがあわてて、目をこすりこすり、行ってみますと、おとなりのおばあさんが、大きなふろしきづつみをって
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「そんないいものですといいのですが、どうせつまらないものです。」と、おとこはふろしきづつみをいて、くろくなった仏像ぶつぞうかれわたしました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かたかけ門口かどぐちへ出る所へ獨りのをとこ木綿もめん羽織はおり千種ちくさ股引もゝひき風呂ふろしきづつみを脊負せおひし人立止りて思はずもみせならべし水菓子のあたひを聞ながら其所そこに居たりし道之助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私はもうふところへ一杯いっぱいにきのこをつめ羽織を風呂敷ふろしきづつみのようにして持って待っていましたが斯う言われたので仕方なく包みを置いてうしろから理助の俵を押してやりました。
(新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その時、吉左衛門は福島から受け取って来たものを風呂敷ふろしきづつみの中から取り出して
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのあくる朝早く、まだひがしがやっとしらみかけたころ、新吉しんきちは、しもふりの夏服にくつをはき、むぎわらぼうをかむり、ふろしきづつみ一つを持って、一年間あまり住みなれたテント小屋ごやをぬけ出しました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
と、こうひとごとをいいながら、ふろしきづつみをほどくと、大きなお重箱じゅうばこにいっぱい、おいしそうなお団子だんごがつまっていました。
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ひかしつをのぞくと、乞食こじきかとおもわれたようなよぼよぼの老人ろうじんが、ふろしきづつみをわきにいてうずくまっていました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、年子としこは、先生せんせい姿すがたつけると、ごほんあかいふろしきづつみをるようにしてしたものです。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、いて行きました。小僧こぞうはふろしきづつみをげてみますと、中からあたたかそうな湯気ゆげって、ぷんとおいしそうなにおいがしました。小僧こぞう
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「いつでもげる用意よういをしていれよ。バケツとふろしきづつみをわすれんでな。」と、父親ちちおやがいいました。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、そのままあひるをはなして、バケツとふろしきづつみをげて、父親ちちおやあといかけました。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちに、美代子みよこは、おもそうに、ふろしきづつみをげてもどってきました。
ごみだらけの豆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、ちいちゃんが、ひろとおりへようとしたとき、一けんのごもんまえに、一人ひとりのおばさんが、ふろしきづつみをかかえて、紙片かみきれって、門札もんさつをながめながら、ぼんやりっているのをました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)