兩人りやうにん)” の例文
新字:両人
あゝ、これ一生いつしやうわかれとなるかもわからぬ。櫻木大佐さくらぎたいさも、日出雄少年ひでをせうねんも、だまつて吾等われら兩人りやうにんかほながめ、ちからめて吾等われらにぎつた。
安之助やすのすけいそがしいとかで、一時間じかんらずはなしてかへつてつたが、小六ころく所置しよちついては、兩人りやうにんあひだ具體的ぐたいてきあんべつなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
呼出し其方兩人は是より直樣すぐさま紀州表和歌山へ赴き大黒屋源左衞門榎本屋えのもとや三藏の兩人りやうにんを調べ澤の井が宿を尋ね天一坊の身分を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
みな寒竹かんちくでございます、はい、おしなよろしうございます、五圓六十錢ごゑんろくじつせんねがひたうぞんじます。兩人りやうにんかほ見合みあはせて思入おもひいれあり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
兎角とかくするほどむすびのつなかれて、吾等われら兩人りやうにんせたる輕氣球けいきゝゆうは、つひいきほひよく昇騰しようたうをはじめた。櫻木大佐等さくらぎたいさら一齊いつせいにハンカチーフをつた。
兩人りやうにんすそところが、とこよこ一間いつけん三尺さんじやくはりだしの半戸はんとだな、した床張ゆかばり、突當つきあたりがガラスはきだしまどで、そこが裏山うらやまむかつたから、ちやうどそのまど
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兩人りやうにん共に差置さしおき私しめに而已のみ用事申付られ餘り首尾しゆびの宜き故合點がてんゆかずと存じ居候處或夜あるよ主人儀私しをひそかまねかれ人々を拂つて申されけるは藤五郎藤三郎の兩人りやうにん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
去程さるほど常樂院じやうらくゐんの小姓次助佐助の兩人りやうにんおのれが命のあやふきをば知よしなく山案内やまあんないとして大膳吉兵衞左京の三人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其爲そのため貴君等きくんら兩人りやうにん大佐たいさ袂別わかれげ、一だい使命しめいびてこの空中くうちう飛行ひかうしてたのではありませんか。
きますよ。ご用心ようじん。」「心得こゝろえた。」で、みゝへがつしりとはめた、シテ、ワキ兩人りやうにん
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
下男げなん兩人りやうにんこしたない蒋生しやうせいかゝへて、背戸せどへどんとつかす。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)