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兩人
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りやうにん
あゝ、
之が
一生の
別れとなるかも
分らぬ。
櫻木大佐も、
日出雄少年も、
默つて
吾等兩人の
顏を
眺め、
力を
込めて
吾等の
手を
握つた。
安之助は
忙がしいとかで、一
時間足らず
話して
歸つて
行つたが、
小六の
所置に
就ては、
兩人の
間に
具體的の
案は
別に
出なかつた。
呼出し其方兩人は是より
直樣紀州表和歌山へ赴き大黒屋源左衞門
榎本屋三藏の
兩人を調べ澤の井が宿を尋ね天一坊の身分を
皆寒竹でございます、はい、お
品が
宜しうございます、
五圓六十錢に
願ひたう
存じます。
兩人顏を
見合せて
思入あり。
兎角する
程に
結びの
綱は
解かれて、
吾等兩人を
乘せたる
輕氣球は、
遂に
勢よく
昇騰をはじめた。
櫻木大佐等は
一齊にハンカチーフを
振つた。
兩人の
裾の
所が、
床の
間横、
一間に
三尺、
張だしの
半戸だな、
下が
床張り、
突當りがガラス
戸の
掃だし
窓で、そこが
裏山に
向つたから、
丁どその
窓へ
兩人共に
差置私しめに
而已用事申付られ餘り
首尾の宜き故
合點行ずと存じ居候處
或夜主人儀私しを
竊に
招かれ人々を拂つて申されけるは藤五郎藤三郎の
兩人を
去程に
常樂院の小姓次助佐助の
兩人は
己が命の
危きをば知よしなく
山案内として大膳吉兵衞左京の三人を
「
吹きますよ。ご
用心。」「
心得た。」で、
耳へがつしりとはめた、シテ、ワキ
兩人。
と
下男兩人、
腰の
立たない
蒋生を
抱へて、
背戸へどんと
掴み
出す。