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じょうきげん
ふりがな文庫
“
上機嫌
(
じょうきげん
)” の例文
その代り相手から小言を言われても
上機嫌
(
じょうきげん
)
で我慢をし、攻撃されても決して自分を弁解したり
喧嘩
(
けんか
)
したりするようなことはなかった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
おじいさんは、
上機嫌
(
じょうきげん
)
でありました。
正二
(
しょうじ
)
も、おじいさんにそういわれると、ハーモニカを
買
(
か
)
ってもらったよりもうれしかったのでした。
二百十日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
は
頼光
(
らいこう
)
たちが
悪
(
わる
)
びれもしないで、
生
(
い
)
き
血
(
ち
)
のお
酒
(
さけ
)
でも、
生
(
な
)
ま
肉
(
にく
)
のおさかなでも、
引
(
ひ
)
き
受
(
う
)
けてくれたので、
見
(
み
)
るから
上機嫌
(
じょうきげん
)
になって
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「こないだは、ずいぶん怒ってお帰りになりましたのよ。」と相変らず
上機嫌
(
じょうきげん
)
に笑いながら、僕と斎藤氏と二人の顔を
見較
(
みくら
)
べながら言った。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
三人で行って来給えなどと、気味が悪い程の
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、今
迄
(
まで
)
こんなに義兄から親切に云われたことはないくらいであった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
これはただ自分の心持が変ってしまっただけのことなのだ。というのは自分が
今度
(
このたび
)
故郷へ帰って来たのは、決して
上機嫌
(
じょうきげん
)
で来たのではないからだ。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
「芸者を呼びましょうか」とか、「大相
上機嫌
(
じょうきげん
)
です、ね」とか、「またいらっしゃい」とか、そういうことを専門に教えてくれろと言うのであった。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
彼女は午後の一部分を庭で過ごしながら、年取った不平家の父親といっしょにいつも
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、縫い物をしたり夢想したり庭をいじったりしていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
将軍は今日も
上機嫌
(
じょうきげん
)
だった。何か副官の一人と話しながら、時々番付を開いて見ている、——その眼にも始終日光のように、
人懐
(
ひとなつ
)
こい微笑が浮んでいた。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、大そう
上機嫌
(
じょうきげん
)
で弁じるのであった。(この大谷は八月六日の朝、出勤の途上
遂
(
つい
)
に
行方
(
ゆくえ
)
不明になったのである)
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
どっかりとすわった与吉、お藤の差しだす茶碗の
冷酒
(
ひや
)
をぐっとあおって、さて、
上機嫌
(
じょうきげん
)
に話しだしたのは……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と龍巻は
上機嫌
(
じょうきげん
)
である。そしていままでは、やや心をゆるさずにいた
民部
(
みんぶ
)
を、すッかり信用してしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日は荒田老もめずらしく
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、「わしはめしはたくさんです」などと
無愛想
(
ぶあいそう
)
なことも言わず、自分からすすんで平木中佐をさそい、その席につらなったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
後がワシントンに帰ってきたときは、出かけるときとはちがって、大した
上機嫌
(
じょうきげん
)
であった。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、おじさんは、
花林
(
かりん
)
の卓のまえに向ったまま、思いのほか、
上機嫌
(
じょうきげん
)
そうに答えた。
花を持てる女
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
『今のは太そうな奴だな、フン、うまいうまい。』叔父さん
独語
(
ひとりごと
)
を言って
上機嫌
(
じょうきげん
)
である。
鹿狩り
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ある日のこと、父は久方ぶりの
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、わたしの部屋へ入ってきた。彼はこれから馬で出かけるところで、ちゃんと
拍車
(
はくしゃ
)
をつけていた。わたしは、
一緒
(
いっしょ
)
に連れて行って下さいとせがんだ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
皇帝は病気にかかっていて馬上では局所に苦痛を感じて困難ではあったが、かつてその日ほど
上機嫌
(
じょうきげん
)
なことはなかった。心情を発露することのないその顔つきも、朝から微笑をたたえていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
家
(
うち
)
で
晩酌
(
ばんしゃく
)
に飲み、村の集会で飲み、有権者だけに衆議院議員の
選挙
(
せんきょ
)
振舞
(
ぶるまい
)
で飲み、どうやらすると
昼日中
(
ひるひなか
)
おかず
媼
(
ばあ
)
さんの
小店
(
こみせ
)
で一人で飲んで
真赤
(
まっか
)
な
上機嫌
(
じょうきげん
)
になって、笑って
無暗
(
むやみ
)
にお辞義をしたり
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
あるすきとおるように
黄金
(
きん
)
いろの秋の日土神は大へん
上機嫌
(
じょうきげん
)
でした。
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もう大分
上機嫌
(
じょうきげん
)
になっていたが、見るから一と癖も二た癖もありそうな、
癇癪
(
かんしゃく
)
の強いぎょろりとした大きな出眼の、額から
顳顬
(
こめかみ
)
のあたりが太い筋や
皺
(
しわ
)
でひきつったようになって、気むずかしいのは
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
空いた
燗徳利
(
かんどくり
)
が三四本、
肴
(
さかな
)
の
鉢
(
はち
)
や洋食の
皿
(
さら
)
もかなり並んでいたし、留さんは
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、陽気に笑ったり話したりしながら、「まあ飲みなせえな」とか、「もっと食いせえ、ま」などとせっついていた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
医師はいつも
上機嫌
(
じょうきげん
)
で、騒々しくて、せかせかして、俗っぽくて、好人物だった。盛んに食い飲み語り笑った。彼といっしょだとアンナも少し口をきいた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そこで、その
日
(
ひ
)
ばかりは、
特別
(
とくべつ
)
に
無礼
(
ぶれい
)
のことのないかぎり、
彼
(
かれ
)
らはくつろいで
飲
(
の
)
んでも、いいとのことであったから、みんなは、
上機嫌
(
じょうきげん
)
になってしまいました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
弁当持参で出掛けられて、二時頃迄に帰って来られれば、その間に此方も済むであろう、と、至極
上機嫌
(
じょうきげん
)
の顔つきで云い、縁のものだから分らないけれども、私は実は
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
汽車は割に
空
(
す
)
いていて、三人とも腰かけられた。汽車の中では、叔父さまは非常な
上機嫌
(
じょうきげん
)
でうたいなど
唸
(
うな
)
っていらっしゃったが、お母さまはお顔色が悪く、うつむいて、とても寒そうにしていらした。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いかにも
上機嫌
(
じょうきげん
)
そうに、ふらりふらりと歩いていた。
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
四 トロミエス
上機嫌
(
じょうきげん
)
にてスペインの歌を歌う
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
白木も
上機嫌
(
じょうきげん
)
だ。
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いつも隣で聞かされながら云い知れぬ
嫉妬
(
しっと
)
を覚えたものだが、今夜は特別にそのゴロゴロが大きな声に聞えるのは、よっぽど
上機嫌
(
じょうきげん
)
なのであろうか、それとも自分の寝床の中だと
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
がクリストフは、その男の
滑稽
(
こっけい
)
な
饒舌
(
じょうぜつ
)
といつも変わらぬ
上機嫌
(
じょうきげん
)
とを愉快がっていた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「やあ、おめでとう。」と津田氏も
上機嫌
(
じょうきげん
)
である。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
クリストフは
上機嫌
(
じょうきげん
)
に話をした。彼女は気のない返辞ばかりしていた。クリストフを恨めしく思いがちだった。そこへ呼鈴が鳴った。それはジョルジュだった。オーロラはびっくりした。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「またもう
一遍
(
いっぺん
)
学生時代に
復
(
かい
)
ったような気イするなあ」などいいますから、「夫婦づれで自動車で通う学生あったらおかしいやないか」いいましたら、あはあは笑うたりなんぞして
上機嫌
(
じょうきげん
)
でした。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、ひどく
上機嫌
(
じょうきげん
)
な声で云った。すると、並んで立っていた陣場が
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
上機嫌
(
じょうきげん
)
で笑っていた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
機
常用漢字
小4
部首:⽊
16画
嫌
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
“上”で始まる語句
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上手
上下
上方
上海
上衣
上野
上総
上人
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