“こうじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行人19.1%
黄塵18.3%
荒神10.4%
後人8.7%
後塵7.8%
幸甚7.0%
紅塵7.0%
降人7.0%
工人3.5%
候人1.7%
公仁0.9%
皎刃0.9%
光刃0.9%
公人0.9%
垢塵0.9%
好人0.9%
折々行人0.9%
江神0.9%
香蕈0.9%
鮫人0.9%
黄人0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真綱はこれを憤慨して、「ちり起るの路は行人こうじん目をおおう、枉法おうほうの場、孤直こちょく何の益かあらん、職を去りて早く冥々めいめいに入るにかず」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
そのうちに天気が好くなると今度は強い南のから風が吹いて、呼吸いきもつまりそうな黄塵こうじんの中を泳ぐようにして駆けまわらねばならなかった。
電車と風呂 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
荒神こうじん・山神・地ノ神・道祖神は、西部の諸県にもあるが、伊勢から紀州の一部を止まりにして、東にしかないのは社宮司しゃぐじという神である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
天下の豪傑、頭山満が来たというので、才物の菊地市長尊大ぶって、羽根づくろいをするために待たせたものらしいという後人こうじんの下馬評である。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二百余名の甲府勤番がそれで納まるか知らん、駒井を頭にいただいて唯々諾々いいだくだくとその後塵こうじんを拝して納まっているか知らん。
今日学務においてもっとも大切なることなれば、いささか余が所見をのぶること左の如し。各地方小学教師のために備考の一助ともならば幸甚こうじんのみ。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
総勢数えて三十余人、草履あるいは跣足はだしにて、砂を蹴立て、ほこりを浴び、一団の紅塵こうじん瞑朦めいもうたるに乗じて、疾鬼しっき横行の観あり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
単于ぜんう幕下ばっかには、李陵りりょうのほかにも漢の降人こうじんが幾人かいた。その中の一人、衛律えいりつという男は軍人ではなかったが、丁霊王ていれいおうの位をもらって最も重く単于に用いられている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ここへ来るときは、いくら日本一の名匠だとは言っても、たかが手仕事の工人こうじん、たんまり金銀を取らせるといったら、とびついてくるだろうと思っていた田丸主水正。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
宮の候人こうじん殿でんノ法印良忠は、大塔幕下ばっか第一の羽振り者だが、神泉苑にちかい六角の彼のやしきも、宏大なこと、世をも人をも恐れないものがあった。
また董昭とうしょうは——さきに、帝の勅使として来て曹操にその人品を認められていたかの董昭公仁こうじんは——この際いちやく、洛陽のれいに登用された。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
済陰定陶さいいんていとう(山東省)の生れで董昭とうしょうあざな公仁こうじんと申します」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土生仙之助がサッ! と顔色を変えたかと思うと、突如庭奥の闇黒やみから銀矢一閃、皎刃こうじんせいあるごとく飛来して月輪軍之助の胸部へ……!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかも、あの秒刻にして左馬を斬ったのだろうか、泰軒の皎刃こうじんから一条ポタリ! ポタリ! と赤いものがしたたって、道路の土に溜まっているのではないか。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
本所鈴川の屋敷で、剣怪左膳をとりまいて十手と光刃こうじんがよどんでいる最中……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
社会の表面に活動せざる無業むぎょうの人、または公人こうじんとしての義務をへて隠退せる老人等の生活に興味を移さんとす。墻壁しょうへきによりて車馬往来の街路と隔離したる庭園の花鳥かちょうを見て憂苦の情を忘れんとす。
矢立のちび筆 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
かつて馭者ぎょしゃたりし日の垢塵こうじんを洗い去りて、いまやそのおもてはいと清らに、その眉はひときわひいでて、驚くばかりに見違えたれど、まがうべくもあらず、渠は村越欣弥なり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ること一日ならば、一日の好人こうじんるを要す」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
太い桜のみきが黒ずんだ色のなかから、銀のような光りを秋の日に射返して、こずえを離れる病葉わくらばは風なき折々行人こうじんの肩にかかる。足元には、ここかしこに枝を辞したる古いやつががさついている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
盛庸等之を破る。帝都督ととく僉事せんじ陳瑄ちんせんを遣りて舟師しゅうしを率いて庸をたすけしむるに、瑄却かえって燕にくだり、舟をそなえて迎う。燕王乃ち江神こうじんを祭り、師を誓わしめて江を渡る。舳艫じくろあいふくみて、金鼓きんこおおいふるう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
高岡たかおか大野見おおのみ郷島の川の山中にて、官より香蕈こうじんを作らせたまふとき雪の中に大なる足跡を見る、其跡左のみにて一二間を隔て、又右足跡ばかりの跡ありこれは一つ足と称し、常にあるものなり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
支那に鮫人こうじんの伝説はあるが、人魚の話はない。ただ一つ『徂異記そいき』のうちに高麗へ使する海中で、紅裳を着けた婦人を見たと伝えている。
妖怪漫談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
黄人こうじんの私をして白人の黄禍論こうかろんを信ぜしめる間は、君らはすべからく妻を叱咜しったし子をしいた太白たいはくを挙げてしかして帝国万歳を三呼さんこなさい。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)