候人こうじん)” の例文
かりにも、大塔ノ宮の候人こうじん殿でんノ法印殿に扶持ふちされているおれどもをさして、よくも食い逃げ武士と、汚名をきせたな。
宮の候人こうじん殿でんノ法印良忠は、大塔幕下ばっか第一の羽振り者だが、神泉苑にちかい六角の彼のやしきも、宏大なこと、世をも人をも恐れないものがあった。
わけて宮の候人こうじんといえば、川一つ向うを敵国のように見、足利といえば、悪罵がすぐ二の句に次ぐ。
「大塔ノ宮の候人こうじん殿でん法印ほういん良忠どのがお越しでございますが」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)