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くにん
その
李の
花、
花の
李の
頃、
二階の
一室、
四疊半だから、
狹い
縁にも、
段子の
上の
段にまで
居餘つて、わたしたち
八人、
先生と
合はせて
九人、
一夕、
俳句の
會のあつた
時、
興に
乘じて、
先生が
公人とは、僧ではない。
雑掌の上役とでもいえようか。荘園の
貢税をつかさどる山門の武士である。その
掃部は、倉皇として来て、み
簾洩る灯の遠くに、平伏した。
「それよ、この使い、身命を
賭してくれい。そちのほか
公人数名、連れまいっては、どうかの」
「
公人の
森掃部に、すぐ
罷れと申せ」