折々行人こうじん)” の例文
太い桜のみきが黒ずんだ色のなかから、銀のような光りを秋の日に射返して、こずえを離れる病葉わくらばは風なき折々行人こうじんの肩にかかる。足元には、ここかしこに枝を辞したる古いやつががさついている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)