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身形
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みなり
ふりがな文庫
“
身形
(
みなり
)” の例文
おあいが
身形
(
みなり
)
にもかまわず、小さな子供を負って、雪を分けて、森の家を指して行くのを、
晩方
(
ばんがた
)
、戸口に立っていて見た人があった。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今更に
身形
(
みなり
)
のしどけないのに、年にも似ず顏赭らめて、寢衣の上へ帶なぞ締めて來たお道は、前をかき合はせ/\、呆れた顏をして
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
黄八丈の着物に鹿の子の帯を締め、そしてお河童頭には紅いリボンを三つも結んでいるというのがそのころの妾自身の
身形
(
みなり
)
だった。
三人の双生児
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
角「縁は縁だが、
此様
(
こん
)
な事になっては悪縁だねえ、さア此処に金が五十両あるから、これで
身形
(
みなり
)
を整えて、立派なお
士
(
さむれえ
)
になって下せえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男はやがて
身形
(
みなり
)
を直した。額の脂汗を袖で拭った。それから蚊帳の外に出て、押入の襖を静に開いた。中には四尺ばかりの空いてる場所があった。
白血球
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
特に「
御所人形
(
ごしょにんぎょう
)
」とか「
嵯峨人形
(
さがにんぎょう
)
」とか呼ばれるもので、昔からの技を守るものは出来が上等であります。
顔立
(
かおだち
)
にも
身形
(
みなり
)
にも型を守って乱しません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
殺害したるに違ひなしと思ひし
中
(
うち
)
家の造作家内の
身形
(
みなり
)
も立派になり皆々
不思議
(
ふしぎ
)
に存じたる所博奕に廿兩勝た三十兩勝たと
吹聽
(
ふいちやう
)
致せども是は盜賊の名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は何だか変な
身形
(
みなり
)
をして、頭には、両方の耳の上へ
鍔
(
つば
)
が突き出したような一種のふち無し帽をかぶっていました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
身形
(
みなり
)
が別に派手でも何でもないが、彼女を見付け出すのは鶏群中の
雄鶏
(
おんどり
)
を見出す程容易であった。彼女の手には
反物
(
たんもの
)
らしい紙包の買物が既に抱かれて居った。
偽刑事
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
身形
(
みなり
)
の端正なのにそぐわず、髪の毛を馬鹿にモジャモジャと
伸
(
のば
)
した、相手の青年は、次の様に語り出した。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自分の
身形
(
みなり
)
や
他人
(
ひと
)
からの悪口を気にせず、また躍り上る浮気心や他人のお世辞にのぼせ上らずに、埃だらけ泥まみれになって努力し続けなければ駄目でしょう。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
廣間二つに樂の群を居らせて、客の舞踏の
場
(
には
)
としたり。舞ふ人の中にベルナルドオありき。金絲もて飾りたる緋
羅紗
(
らしや
)
の上衣、白き
細袴
(
ズボン
)
、皆發育好き
身形
(
みなり
)
に
適
(
かな
)
ひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
勿論セリフは全くわからないし、
身形
(
みなり
)
も作らない作業姿なので、最初は何が何だかサッパリわからなかったが、だんだんと場面が進行するにつれて
外題
(
げだい
)
がわかって来た。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
やがて通されたのは、十七八の可愛らしい娘で、八五郎の前觸れほどのきりやうではありませんが、
身形
(
みなり
)
もよく物腰しも上品で、何んとなく好感を持たせるところがあります。
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
市九郎は、二人の
身形
(
みなり
)
を見ると、彼はこの二人を今年の犠牲者にしようかと、思っていた。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この助郷は雲助などに比べると相当の着物を着て
身形
(
みなり
)
もよく一層温順であるが、それだけ駕籠の舁き方も拙く、足ものろいので、我々はやはり助郷よりも雲助の方を便とした。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
断っておくが、井深君の齢は、そんな
身形
(
みなり
)
をしても、未だ三十二歳には少し間があって、しかもその実際よりも更に三つ四つ若く、つまり
弱冠
(
はたち
)
そこそこにしか見えないような童顔をしていた。
嘘
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
『人のことを、そないに見るのは
厭
(
い
)
や。』と、お光は自身の
身形
(
みなり
)
を見𢌞はしてゐる小池の視線を
眩
(
まぶ
)
しさうにして、
身體
(
からだ
)
を
竦
(
すく
)
めた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
右「えゝ、そんなお
身形
(
みなり
)
にお成りなさいまして、
此様
(
こん
)
な山の中にお出でなさいますか、お
情
(
なさけ
)
ない事でございますなア」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし口には何事も言わずにただ
身形
(
みなり
)
や
容子
(
ようす
)
で——もう日が暮れて時刻が遅くなるぞ。早くやっつけてしまわねえかと催促するように
忙
(
せわ
)
しげに動き始めた。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
察
(
さつ
)
し是々御浪人我等は此樣に見苦しき
身形
(
みなり
)
故
(
ゆゑ
)
定めて
不審
(
いぶかし
)
き者と
思
(
おぼ
)
されんが必ず御心配なさるに及ばず某は
讃州
(
さんしう
)
丸龜
(
まるがめ
)
に住居なす後藤半四郎
秀國
(
ひでくに
)
とて
劔道
(
けんだう
)
指南
(
しなん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いたずらに都の風を追う安っぽい
身形
(
みなり
)
よりも、土地から生れたこういう風俗の方が、どんなに美しいでありましょう。借物でも嘘物でもないからであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
旅人は二人とも、大変粗末な
身形
(
みなり
)
をして、財布には宿賃を払うだけのお金もなさそうに見えました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
格子戸の中、
灯
(
あかり
)
から遠い土間に立ったのは、二十三——四の年増、ガラッ八が言うほどの美い
縹緻
(
きりょう
)
ではありませんが、
身形
(
みなり
)
も顔もよく整った、
確
(
しっか
)
り者らしい奉公人風の女です。
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
只今は
然
(
そ
)
ういうお
身形
(
みなり
)
だが、
前々
(
まえ/\
)
は
然
(
しか
)
るべきお身の上のお方と存じます、左もなくて腕がなければ中々又市を一
撃
(
うち
)
にお打ちなさる事は出来ぬ事でな
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
買
(
かひ
)
妻子の
身形
(
みなり
)
も立派になり二十兩勝た三十兩勝たと
博奕
(
ばくち
)
に勝た
咄
(
はなし
)
をする樣子何分
合點
(
がてん
)
行
(
ゆか
)
ず常には
負
(
まけ
)
た事ばかり云ひて勝た事を
云
(
いは
)
ざるに全く金の出處を
疑
(
うたが
)
はれぬ樣に勝し事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
格子戸の中、
灯
(
あかり
)
から遠い土間に立つたのは、二十三——四の年増、ガラツ八が言ふほどの美い
縹緻
(
きりやう
)
ではありませんが、
身形
(
みなり
)
も顏もよく
整
(
とゝの
)
つた、
確
(
しつか
)
り者らしい奉公人風の女です。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何時、見る時も、
曾
(
かつ
)
て、この村に来た時と同じい年頃に見受けた。そればかりでなく、
身形
(
みなり
)
も余り変っていると思った者がない。或時は、秋から冬にかけて、僧はこの村に入って来た。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雪国の人たちは雪に
堪
(
た
)
える
身形
(
みなり
)
や持物を用意せねばなりません。それらのものは都からは運ばれて来ません。人々は色々のものを作って、自分やまた家族の者のために準備せねばなりません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
纒
(
まと
)
まったお金を幾らか私が貰って上げるから、それで
内証
(
ないしょ
)
の借金を払い、二百両か三百両の金を友さんにも遣り、借金の
方
(
かた
)
を附け、可なり
身形
(
みなり
)
を
拵
(
こしら
)
え
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どんな
身形
(
みなり
)
でも地方的に特色のあるものは、どこか美しいものです。そうしてこういう特色あるものが地方から凡て消えてしまったら、その国民の風俗は眠い醜い凡庸なものに沈むでしょう。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
心は冷たい石となってしまったかと思われる程、
身形
(
みなり
)
に構わなくなった。色の青白い顔に根の弛んだ髪は解けて肩のあたりまで散りかかっている。身には女らしい赤や、紫の色は
着
(
つ
)
いていなかった。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わっち
)
が上野の三橋側の
夜明
(
よあか
)
しの茶飯屋のところで、立派な
身形
(
みなり
)
の
新造
(
しんぞ
)
が谷中長安寺への道を聞いてるんで、てっきり駈落ものと
睨
(
にら
)
んで横合から飛び出し、私もね
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
行きずりに道で逢う人々の
身形
(
みなり
)
が大事である。
冠
(
かぶ
)
る
帽
(
ぼう
)
、
纏
(
まと
)
う着物、背負う籠、腰の持ち物、それらより
活
(
い
)
きた手本はない。同じように事情が許すなら、民家の茶の間、その台所を見るに
如
(
し
)
くはない。
地方の民芸
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
それが或年から、全く翁の
身形
(
みなり
)
や、信仰が変ってしまった。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
姑
(
しゅうと
)
が腹を立って追出すくらいでございますから、何一つもくれませぬ、それ故少しは
身形
(
みなり
)
も
拵
(
こさ
)
えたり、江戸へ
行
(
ゆ
)
くには土産でも持って
行
(
ゆ
)
かなければなりませぬ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
身形
(
みなり
)
から、様子から、その時の儘であると語った。
僧
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
旦那様もお
身形
(
みなり
)
が変りお
見違
(
みち
)
げえ申す
様
(
よう
)
になりました、誠にまアあんたもおふけなさいました
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此の金子で
私
(
わし
)
が
身形
(
みなり
)
を整えて江戸の屋敷へ帰るから、よう、よう分ったか
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに付いても貴方のお
身形
(
みなり
)
は
何
(
ど
)
う云う訳で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“身形”の意味
《名詞》
(context、dated)身体。
(出典:Wiktionary)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“身”で始まる語句
身体
身
身上
身装
身扮
身體
身動
身長
身代
身悶