トップ
>
路用
>
ろよう
ふりがな文庫
“
路用
(
ろよう
)” の例文
「お金はあるよ、家を逃げ出す時に持っていたのが、まだこの箱の中にソックリあるから、逃げようと思えば
路用
(
ろよう
)
には困らないのだよ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
徊歴
(
くわいれき
)
し
肥後國
(
ひごのくに
)
熊本の
城下
(
じやうか
)
に到りぬ
爰
(
こゝ
)
は名に
負
(
おふ
)
五十四萬石なる
細川家
(
ほそかはけ
)
の城下なれば他所とは
替
(
かは
)
り
繁昌
(
はんじやう
)
の地なり寶澤は既に
路用
(
ろよう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「おい! 浅に、喜蔵に、
嘉助
(
かすけ
)
とが、俺と一緒に来るんだ! 外の野郎達は、銘々思い通りに落ちてくれ!
路用
(
ろよう
)
の金は、分けてやるからな!」
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
四番
(
よばん
)
めの
大伴
(
おほとも
)
の
大納言
(
だいなごん
)
は、
家來
(
けらい
)
どもを
集
(
あつ
)
めて
嚴命
(
げんめい
)
を
下
(
くだ
)
し、
必
(
かなら
)
ず
龍
(
たつ
)
の
首
(
くび
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
つて
來
(
こ
)
いといつて、
邸内
(
やしきうち
)
にある
絹
(
きぬ
)
、
綿
(
わた
)
、
錢
(
ぜに
)
のありたけを
出
(
だ
)
して
路用
(
ろよう
)
にさせました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
自分はそのうちから佐野まで往き復りの
路用
(
ろよう
)
として一両だけを取って、残りの金を主人に戻した。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
盗
(
と
)
られた財布の中味は、正直のところ、
路用
(
ろよう
)
から湯治の雑用を併せて三両二分ばかり、あとに残ったのは、煙草入に女房のお静が入れてくれた、たしなみの小粒が三つだけです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ
必定
(
ひつじょう
)
、駈落の侍が
路用
(
ろよう
)
の金なるべしと心付き候へば、なほ更空恐しく相なり、
後日
(
ごじつ
)
の掛り合になり候ては一大事と、そのまゝ捨て置き立去らむと致せしが、ふとまた
思直
(
おもいなお
)
せば
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「石の枕」は
一
(
ひと
)
つ
家
(
や
)
の
婆
(
ばあ
)
さんが石の枕に旅人を寝かせ、
路用
(
ろよう
)
の金を奪ふ為に上から綱に
吊
(
つ
)
つた
大石
(
おほいし
)
を落して旅人の命を奪つてゐる、そこへ美しい
稚児
(
ちご
)
が
一人
(
ひとり
)
、
一夜
(
いちや
)
の宿りを求めに来る。
槐
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時
(
とき
)
に、
一歩
(
いちぶ
)
の
路用
(
ろよう
)
を
整
(
とゝの
)
へて、
平吉
(
へいきち
)
がおはむきに、
最
(
も
)
う
七
(
なゝ
)
ツさがりだ、
掘立小屋
(
ほつたてごや
)
でも
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
とま
)
んねな
兄哥
(
あにい
)
、と
云
(
い
)
つてくれたのを、いや、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
娼妓
(
おいらん
)
が
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
らと、
例
(
れい
)
の
己
(
おれ
)
が、でから
見得
(
みえ
)
を
張
(
は
)
つた。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
途中の
路用
(
ろよう
)
も、
知
(
し
)
る
辺
(
べ
)
もないし、それに不破から先の山道や、長い江州路には、野武士や悪者がたくさんいて、先おととし、安土が攻め落されたとき、そこを迷うて怖ろしい目におうているので
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刧
(
おびやか
)
し
路用
(
ろよう
)
を
奪
(
うばひ
)
て己が酒色の
料
(
れう
)
にぞ
遣
(
つか
)
ひ
捨
(
すて
)
けり初の程は何者の
仕業
(
しわざ
)
とも知る者
無
(
なか
)
りしが遂に誰云ふとなく
旅人
(
りよじん
)
を
剥
(
はぐ
)
の惡黨は此頃常樂院の食客大膳と云ふ者の仕業なりとを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
まあ、半分は
逐
(
お
)
い出されたような形で、幾らかの
路用
(
ろよう
)
を貰って江戸へ帰って参りました。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
でも差迫って不自由なのは
路用
(
ろよう
)
で、今のところ何にも無く、明日にも路頭に迷わなきゃなりません、済みませんが、私の荷物の中に貰い溜めた給金、小判で五両ほどぼろに包んで隠してあります
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なに
)
もいざこざはない、
話
(
はなし
)
は
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
てゆつくりするが、
此
(
これ
)
から
直
(
す
)
ぐに
筑波山
(
つくばさん
)
へ
參詣
(
さんけい
)
だ。
友達
(
ともだち
)
の
附合
(
つきあひ
)
でな、
退引
(
のつぴき
)
ならないで
出掛
(
でか
)
けるんだが、お
秋
(
あき
)
さん、お
前
(
まへ
)
を
呼出
(
よびだ
)
したのは
他
(
ほか
)
の
事
(
こと
)
ぢやない、
路用
(
ろよう
)
の
處
(
ところ
)
だ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
出し外に金五十兩是は其方が
路用
(
ろよう
)
の足に致すべしと二包の金子を渡せば忠八は其
志操
(
こゝろざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
暫
(
しばら
)
く身を
潜
(
ひそ
)
め、
路用
(
ろよう
)
を
拵
(
こしら
)
えて
上方
(
かみがた
)
へでも行こうという話でした
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“路用”で始まる語句
路用金位