觀察くわんさつ)” の例文
新字:観察
べつにもならずすべてを義母おつかさんにおまかせしてちやばかりんで内心ないしん一のくいいだきながら老人夫婦としよりふうふをそれとなく觀察くわんさつしてた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
先刻さつき宗助そうすけ樣子やうすを、どく觀察くわんさつした同僚どうれうは、かれ質問しつもんおく雜談ざつだん以上いじやうのある意味いみみとめたものとえて、まへよりはもつと親切しんせつその方面はうめんはなしをしてかした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
社會的しやくわいてき觀察くわんさつすれば、よめにもらひのない女文士をんなぶんし救濟家きうさいか(この一失言しつげん取消とりけし。こんなこともあらうかと、はじめに、みな美人びじんだと、御世辭おせじをいつておいたのだが)
地震ぢしん如何いかなる有樣ありさまおい家屋かをく震盪しんたうし、潰倒くわいたうするかを觀察くわんさつ破壞はくわいした家屋かおくについてその禍根くわこん闡明せんめゐするの科學的知識くわがくてきちしきがなければ、これにたいする防備的考察ばうびてきかうさつかばない。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
……柳川春葉やながはしゆんえふと、わたしとが編輯へんしふたづさはつてた、春陽堂しゆんやうだう新小説しんせうせつ社會欄しやくわいらん記事きじとして、中京ちうきやう觀察くわんさつくために、名古屋なごや派遣はけんといふのを、主幹しゆかんだつた宙外ちうぐわいさんからうけたまはつたときであつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけはつく/″\この織屋おりや容貌ようばうやら態度たいどやら服裝ふくさうやら言葉使ことばづかひやらを觀察くわんさつして、一種いつしゆどくおもひをなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しからば化物ばけものかんがへはどうしてたか、これ研究けんきうするのは心理學しんりがく領分れうぶんであつて、吾々われ/\門外漢もんぐわいかんであるが、わたしかんがへでは「自然界しぜんかいたいする人間にんげん觀察くわんさつ」これがこの根本こんぽんであるとおもふ。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
其内そのうち小六ころくうはさた。主人しゆじんこの青年せいねんいて、肉身にくしんあに見逃みのがやうあたらしい觀察くわんさつを、二三つてゐた。宗助そうすけ主人しゆじん評語ひやうごを、あたるとあたらないとにろんなく、面白おもしろいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とく藝術的げいじゆつてき觀察くわんさつするとき非常ひぜう面白おもしろい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)