われわれにしてからが、ジャガタラ薯そのものに、すっかりおどかされちゃってるんだから。ことによると、外国の船でもやって来たかな
「児玉さんにあつちや、われわれ大人はまるで大根か薯みたいに扱はれる。ぐいと握られて、いきなりブツリと注射だ。」
この二月の総選挙のとき、ある種の婦人たちは、参政権よりは、やすい薯の方がありがたい、と言葉に出していった。目の前の欲しさを強調した。
屑拾いこそしなかったが、賃縫いや、ラウンドリーの下請けや、進駐軍ハウスの芝刈りや、闇成金の家掃除、米や薯や魚介の買出し、宝クジ売り。
しかし、触れたものをたちまち金にしてしまう力の速さにはかないませんでした。彼の口は、粉を吹いた馬鈴薯じゃない、こちこちの金の薯で一杯でした。