三四日、風邪で臥ていた従妹が、きょうは起きて、赤い格子のエプロンをかけ、うれしそうにパンジーの鉢植をしている。 その縁側の外に立って、私はシャベルで縁の下の土を掬っては素焼の鉢にうつした。この従妹は田舎の家で土いじりの好きな父親の対手をして …
著者 | 宮本百合子 |
ジャンル | 産業 > 農業 > 農業史・事情 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「日本学芸新聞」1940(昭和15)年3月20日号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6分(300文字/分) |