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葬
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とむら
ふりがな文庫
“
葬
(
とむら
)” の例文
「冗談じゃねえ、今日のはもっとイキのいい話だ。何しろ、仏様のねえお
葬
(
とむら
)
いを出したのはお江戸開府以来だろうって評判ですぜ」
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
間もなく日暮里の花見寺での葬儀では、落語家の座席の哄笑爆笑、さすがに今はもうあんなバカバカしいお
葬
(
とむら
)
いは見られない。
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
三郎次は悲しみに暮れている娘を慰めて、お
葬
(
とむら
)
いを出した後で、その娘をお嫁にしまして、二代目の加茂の長者になりました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
この二箇月間、故王のお
葬
(
とむら
)
いやら、わしが位を継いだお祝いやら、また婚儀やらで、城中は、ごったがえしの大騒ぎでした。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「……あれから段々と病気が悪くなるばかりで、到頭ゆうべお亡くなりになりました。今日は日が悪いので、お
葬
(
とむら
)
いは明日だそうでございます」
鼓くらべ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
申すようにとのことで……全くあなたがお見えにならなかったら、お
葬
(
とむら
)
いをすることもできなかったのでございますから
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
泣く泣くお父さんのカラカラの死骸を
荷
(
にな
)
ってつぶれた蓮の葉のお寺に担ぎ込んで、親類や友達蛙が寄ってたかってお念仏をしてお
葬
(
とむら
)
いを済ましました。
鵙征伐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
葬
(
とむら
)
ひは
孔雀
(
くじやく
)
アパートの前を通つて行き、アパートの女達はこの小さい葬ひを偶然に見おくるやうになつてゐた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
霊魂
(
れいこん
)
は、まったく
浮
(
う
)
かばれなかったのです。りっぱなお
寺
(
てら
)
へいって、お
経
(
きょう
)
をあげてもらい、
丁寧
(
ていねい
)
に
葬
(
とむら
)
いをしてもらってから、
冥土
(
めいど
)
の
旅
(
たび
)
につこうと
思
(
おも
)
いました。
町の真理
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ところで、お燕の身は、あなたのお力添えで、ひとまず世間の外へ、
葬
(
とむら
)
いましたが。……なお、あれの母親、お袖という女の始末を急がねばなりますまい」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
葬
(
とむら
)
いまで立会った人が、もう一ぺん、生きて動いて来るとは、どうしても考えられないこともある。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし彼女は豫期してゐる母の死とそれに續いて來る陰氣なお
葬
(
とむら
)
ひを指してゐるのだと私は想像した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
日用品を買いにちょっと外出したと見せかけたジェイムスの
現場不在証明
(
アリバイ
)
、浴槽における花嫁の
溺
(
でき
)
死、アレキサンダア・ライス医師の簡単な死亡証明書、涙の
葬
(
とむら
)
い等
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
あたしの着物でも
簪
(
かんざし
)
でもみんなお前にあげるから。なに、お
葬
(
とむら
)
いぐらいは小屋の方でどうにかして呉れるだろうよ。だがね、この蛇は人にうっかり渡しちゃいけないよ。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
生きたものに葬式と云う言葉は穏当でないが、この白い布で包んだ
寝台
(
ねだい
)
とも
寝棺
(
ねがん
)
とも片のつかないものの上に横になった人は、生きながら
葬
(
とむら
)
われるとしか余には受け取れなかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
悧巧な耶蘇だつて、まさか乗合馬車のお
葬
(
とむら
)
ひまでしようとは思はなかつたらうから、それに相応した文句は残さなかつたらうが、巴里の坊さんは別に引導には困らなかつたらしい。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
葬
(
とむら
)
いもすみまして、自宅の
仏壇
(
ぶつだん
)
の前に、
同胞
(
きょうだい
)
をはじめ一家のものが、
仏
(
ほとけ
)
の噂さをしあっていますと、
丁度
(
ちょうど
)
今から三十分ほど前に、表がガラリと明いて……仏が帰って来たのでございます」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
悪人なれど腹を借りた縁故により、お柳の菩提を
葬
(
とむら
)
うため、紀州の高野山へ供養塔を
建立
(
こんりゅう
)
し、また相州足柄郡湯河原の向山の墓地にも、養父母のため墓碑を建てゝ手厚く供養をいたしました。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
工事はだんだん進行して、彼はもう住み
馴
(
な
)
れた、彼の眼の記憶に残っているただ一つの世界から、立ち退かねばならない日が迫ってきた。人夫のかけ声は、彼の世界を
葬
(
とむら
)
う挽歌のようにひびいた。
二人の盲人
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
現に夏休みの一日前に数学を教える
桐山
(
きりやま
)
教官のお父さんの葬列の通った時にも、ある家の
軒下
(
のきした
)
に
佇
(
たたず
)
んだ
甚平
(
じんべい
)
一つの老人などは
渋団扇
(
しぶうちわ
)
を
額
(
ひたい
)
へかざしたまま、「ははあ、十五円の
葬
(
とむら
)
いだな」と云った。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
はじめはみんな
黙
(
だま
)
ってきいていたが、
少
(
すこ
)
したいくつになったので、お
経
(
きょう
)
を
知
(
し
)
っている
大人達
(
おとなたち
)
は、
庵主
(
あんじゅ
)
さんといっしょに
唱
(
とな
)
え
出
(
だ
)
した。
何
(
なん
)
だか
空気
(
くうき
)
がしめっぽくなった。まるでお
葬
(
とむら
)
いのような
気
(
き
)
がした。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「御檢死が遲れましたので、
葬
(
とむら
)
ひは明日になりませう。何時までも佛樣を置くと、反つて父親の與三郎の歎きを増すばかりですが」
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、弔われている人とは、可なり強い因縁が、
纏
(
まつ
)
わっているように思った。彼は、心からその
葬
(
とむら
)
いの席に、
列
(
つらな
)
りたいと思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お
葬
(
とむら
)
いも、すんでいない。馬鹿な奴だ、お前は。いったい、いまの亭主だか何だか、それはどんな男なんだ。
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
もし
叙君
(
じょくん
)
が、郷党の兵をひきいて、冀城へ攻めてこられるなら、自分は城中から内応しよう。何をかくそう、郷里の妻の
葬
(
とむら
)
いと偽って、馬超から暇をもらい、これへ君を
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まあ、あの野郎も、この腕一本のおかげで命拾いをしたと思えば間違いはござんすまい、この腕はあの野郎にとっては命の親でございますから、そのつもりでお
葬
(
とむら
)
いをしてやりましょう
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まだ退役の辞令を受けていなかったため、軍葬の礼をもって
葬
(
ほうむ
)
られた。カテリーナ・イワーノヴナは姉や伯母といっしょに、父の
葬
(
とむら
)
いが済み次第、十日ばかりして、モスクワへ立ってしまった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「お
葬
(
とむら
)
いの
花
(
はな
)
なんか
拾
(
ひろ
)
って、
縁起
(
えんぎ
)
がわるいな。」と、
一人
(
ひとり
)
がいうと
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
医者が間違ひをした時には、お
葬
(
とむら
)
ひをしたらそれで済む。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
葬
(
とむら
)
ひの後私は直ぐに
發
(
た
)
たうと思つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
身は生きながら
葬
(
とむら
)
いの
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
家の中へ入ると、
楢井
(
ならゐ
)
家は打續く不幸にすつかり
滅入
(
めい
)
り乍らも、お
葬
(
とむら
)
ひの支度やら、
弔問
(
てうもん
)
の客などで、何となくザワザワして居ります。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お母さまのお
葬
(
とむら
)
いも、とっくに済ましていたのじゃないか。ああ、お母さまは、もうお亡くなりになったのだと意識したら、言い知れぬ
凄
(
さび
)
しさに身震いして、眼がさめた。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「真光寺の僧に命じて、正成の遺骸と、ほか五十体の一族とを、ねんごろに
葬
(
とむら
)
わせよ」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「失礼ですが、
貴君
(
あなた
)
も青木さんのお
葬
(
とむら
)
いに?」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「それぢや、氣の毒だが、此處へ相模屋の手代の時松を呼んでくれないか。お
葬
(
とむら
)
ひの仕度の最中、十手を振りまはすでもあるまい」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ねんごろに父の
葬
(
とむら
)
いをすませて、私宅へ帰り、門を閉じて殿の御裁きを待ち受け、女ながらも
白無垢
(
しろむく
)
の衣服に着かえて切腹の覚悟、城中に於いては重役打寄り評議の結果
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
肚の底で、
葬
(
とむら
)
った。——その間にも、眸の前に、鎌が光り、分銅はおどって跳ぶ。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「三日前でございます。昨日
葬
(
とむら
)
ひを濟ませて早速參りました。父が死ぬ時、これを一日も早く親分に渡すやうにと申しましたので」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わかったよ。君は、疲れている疲れていると言いながら、ひどく派手なんだね。いちばん
華
(
はな
)
やかな祭礼はお
葬
(
とむら
)
いだというのと同じような意味で、君は、ずいぶん好色なところを
雌に就いて
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
奧方の
葬
(
とむら
)
ひは、病死の屆け出で、どうにか濟ませましたが、渡り者の中間の死でも、斯う重なると病死だけでは濟まなくなります。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
杖
(
つえ
)
にすがってまず菊之助の墓所へ行き、猿のあわれな姿をひとめ見て一切を察し、菊之助無き後は、せめてこの吉兵衛だけが世の慰めとたのんでいたのに、と
恨
(
うら
)
み嘆き、ねんごろに
葬
(
とむら
)
い
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
部屋に入ると、檢屍が濟んで、
葬
(
とむら
)
ひの支度に忙しいらしく、主人の死骸を
屏風
(
びやうぶ
)
の中に納めて、二三人の者が打合せに夢中でした。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三日前でございます。きのう
葬
(
とむら
)
いを済ませてさっそく参りました。父が死ぬ時、これを一日も早く親分に渡すようにと申しましたので」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから、今日急に思ひ立つて、香之助の
葬
(
とむら
)
ひも濟まぬうちから、物置の土臺を直させたり、お佛壇の引つ越をさせたりして居ますよ」
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兎も角も伊八の
葬
(
とむら
)
ひの仕度をさせ、自分は、隣の癖に、顏を出さうとしない、久吉と官之助のところへ、此方から出向くことにしました。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その日は二つお
葬
(
とむら
)
ひがありましてな、大勢の人がゴタゴタしてをりましたから、どんな隙に間違ひがあつたかわかりません」
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
相模屋の店中も、
漸
(
やうや
)
く平靜を取戻して、型通りの檢屍を濟ませた上、親類や近所の衆が集まつて、
葬
(
とむら
)
ひの仕度に、暫くは
取紛
(
とりまぎ
)
れて居ります。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「横山家では無事に
葬
(
とむら
)
いを出せるだろうし、鉄の野郎には三十両のお手当を貰って来たから、俺の仕事は済んだようなものだ」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「横山家では無事に
葬
(
とむら
)
ひを出せるだらうし、鐵の野郎には三十兩のお手當を貰つて來たから、俺の仕事は濟んだやうなものだ」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“葬”の意味
《名詞》
(そう)死者を葬ること。
(出典:Wiktionary)
葬
常用漢字
中学
部首:⾋
12画
“葬”を含む語句
葬式
埋葬
葬礼
火葬
火葬場
葬儀
送葬
御葬
葬送
水葬
埋葬地
御葬式
葬送行進曲
葬龕
葬具
空葬
葬頭河
仮葬
葬儀屋
土葬
...