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荒々
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あらあら
ふりがな文庫
“
荒々
(
あらあら
)” の例文
これに
反
(
はん
)
して
北
(
きた
)
からの
風
(
かぜ
)
は、
荒々
(
あらあら
)
しい
海
(
うみ
)
の
波
(
なみ
)
の
上
(
うえ
)
を、
高
(
たか
)
い
険
(
けわ
)
しい
山
(
やま
)
のいただきを、
谷
(
たに
)
に
積
(
つ
)
もった
雪
(
ゆき
)
の
面
(
おもて
)
を
触
(
ふ
)
れてくるからでありました。
大きなかしの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ああ、それで
解
(
わか
)
った。女の選手達が、
大坂
(
ダイハン
)
のことをボンチとか、ボンボンとか呼んでいるのは、そういう意味か」と、言えば、松山さんも
荒々
(
あらあら
)
しく
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
たとえ
何
(
な
)
んであろうと、
引
(
ひき
)
ずっても
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かねばならぬという、
強
(
つよ
)
い
意地
(
いじ
)
が
手伝
(
てつだ
)
って、
荒々
(
あらあら
)
しく
肩
(
かた
)
に
手
(
て
)
をかけた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そしてとうとうこらえ切れなくなって、
吠
(
ほ
)
えるようにうなって
荒々
(
あらあら
)
しく自分の
谷地
(
やち
)
に帰って行ったのでした。
土神ときつね
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、なにげなく立ちよって、
背
(
せ
)
なかの
笈
(
おい
)
を
床几
(
しょうぎ
)
の上へ
安置
(
あんち
)
すると、
土間
(
どま
)
のうちで
荒々
(
あらあら
)
しい人声。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
敏子の声には今までにない、
荒々
(
あらあら
)
しい力がこもっている。男はワイシャツの肩や
胴衣
(
チョッキ
)
に今は一ぱいにさし始めた、
眩
(
まばゆ
)
い日の光を
鍍金
(
めっき
)
しながら、何ともその問に答えなかった。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こっそり帰ってみると、柳吉はいびきをかいていた。だし抜けに、
荒々
(
あらあら
)
しく揺すぶって、柳吉が眠い眼をあけると、「
阿呆
(
あほ
)
んだら」そして
唇
(
くちびる
)
をとがらして柳吉の顔へもって行った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
柔
(
やわら
)
かに
言
(
い
)
う
意
(
つもり
)
であったが、
意
(
い
)
に
反
(
はん
)
して
荒々
(
あらあら
)
しく
拳
(
こぶし
)
をも
固
(
かた
)
めて
頭上
(
かしらのうえ
)
に
振翳
(
ふりかざ
)
した。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
無慈悲
(
むじひ
)
な家主は
怖
(
こわ
)
い顔をして、
荒々
(
あらあら
)
しく
怒
(
おこ
)
って家賃の
催促
(
さいそく
)
をしました。二人の子供は
驚
(
おどろ
)
きと悲しみのあまりものを言うことも出来ませんでした。首をすくめ、目をしばたたいているばかりでした。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
X号は、
眉
(
まゆ
)
をひそめて、その機械人間を
荒々
(
あらあら
)
しく
叱
(
しか
)
りとばした。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子供
(
こども
)
のころから、
海
(
うみ
)
を
畳
(
たたみ
)
の
上
(
うえ
)
のように
思
(
おも
)
っている
人
(
ひと
)
たちでありましたから、この
荒々
(
あらあら
)
しい
海
(
うみ
)
をもおそれてはいませんでした。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼく達は
隅
(
すみ
)
っこでチョコレエトクリイムを
貰
(
もら
)
い、二人でぼそぼそ
嘗
(
な
)
めているとき、入口のドアを
荒々
(
あらあら
)
しく
押
(
お
)
して一人のアメリカの大学生が入ってきて、なにも
註文
(
ちゅうもん
)
せず、スタンドの前に立ち
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
『
余計
(
よけい
)
な
世話
(
せわ
)
は
焼
(
や
)
かんでもいい。』ますます
荒々
(
あらあら
)
しくなる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
荒々
(
あらあら
)
右にて相尽き申す可く候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いつしか、
町
(
まち
)
を
出
(
で
)
はずれ、さびしい
道
(
みち
)
にかかりますと、いままでよりいっそう、
風
(
かぜ
)
は、
荒々
(
あらあら
)
しく、
強
(
つよ
)
く、
吹
(
ふ
)
いていました。
花と少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なに、ゆずをもいだ?」といって、
足音
(
あしおと
)
荒々
(
あらあら
)
しく、
縁側
(
えんがわ
)
へ
出
(
で
)
てこられると、
怖
(
おそ
)
ろしい
目
(
め
)
で、にらみつけて
ゆずの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あなたがこのさびしい
野原
(
のはら
)
に、こうしてひとりで
頼
(
たよ
)
りなく
咲
(
さ
)
いていられるのは、あの
旗
(
はた
)
が、
荒々
(
あらあら
)
しい、
北海
(
ほっかい
)
の
波
(
なみ
)
の
間
(
あいだ
)
にひらめくのと
同
(
おな
)
じだと
考
(
かんが
)
えられるのです。あなたは、さびしくはありませんか。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
々
3画
“荒”で始まる語句
荒
荒野
荒唐無稽
荒磯
荒涼
荒寥
荒海
荒神
荒地
荒物屋