トップ
>
胡魔化
>
ごまか
ふりがな文庫
“
胡魔化
(
ごまか
)” の例文
旦那、そういわないで見ておくんなさい。
儂
(
わし
)
は生れつき
胡魔化
(
ごまか
)
すのが嫌いでネ、なるべくこうしてお手隙の午前中に伺って、品物を
軍用鼠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
吾輩は少々気味が悪くなったから善い加減にその場を
胡魔化
(
ごまか
)
して
家
(
うち
)
へ帰った。この時から吾輩は決して鼠をとるまいと決心した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
請負人
(
うけおひにん
)
は払ふべき
手間
(
てま
)
を払ひ、
胡魔化
(
ごまか
)
される丈け胡魔化してカスリを取り、労働者は皆一度に
己
(
おの
)
が村々へ帰ることになつた。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
胡魔化
(
ごまか
)
すんじゃないよ。今云う吾輩の脳髄論と大関係があるんだ。探偵小説というものは要するに脳髄のスポーツだからね。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
基督
(
キリスト
)
教の教えるところは果して正しいのであろうか。それはただ、人の心を
胡魔化
(
ごまか
)
す麻酔剤にすぎないのではなかろうか。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
そしてまた中には、我知らず騷ぎ立ててしまつたうしろめたさを
胡魔化
(
ごまか
)
さうとして、故意に再び喧囂の内に隱れようとした者さへあつたのである。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
書物を
能
(
よ
)
く読むと
否
(
いな
)
とは人々の
才不才
(
さいふさい
)
にも
依
(
よ
)
りますけれども、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も外面を
胡魔化
(
ごまか
)
して何年居るから
登級
(
とうきゅう
)
するの卒業するのと
云
(
い
)
うことは絶えてなく
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「ようやく毛が四、五寸
揃
(
そろ
)
ったところで、付け
髷
(
まげ
)
か何んかで
胡魔化
(
ごまか
)
し、宮永町の石井へ乗込んだのは去年の春」
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは板や柱の腐れ掛った所は土やペンキを塗って
胡魔化
(
ごまか
)
してあるからちょっと見ただけでは分らぬといって
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
何しろ百キロ以上も離れている山を正確に見ようというのですから、むずかしい話で、多少だまされても仕方がない、仕方がないから
胡魔化
(
ごまか
)
して置きます。
望岳都東京
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
少し
胡魔化
(
ごまか
)
したように見えるが、この話の
秘訣
(
ひけつ
)
は、鉛筆で描いた線には幅があるという点に帰するのである。
地球の円い話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ついには主人の金品を
胡魔化
(
ごまか
)
す、仕入部と工場に忌わしい連絡が結ばれる、とうとう陥る所までおちて
馘首
(
かくしゅ
)
され、昨日の店員も今日からは他人となり縁が絶えてしまう。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
八千円ばかりの金高から百円を
帳面
(
ちょうづら
)
で
胡魔化
(
ごまか
)
すことは、たとい自分に為し得ても、直ぐ
後
(
あと
)
で
発覚
(
ばれ
)
る。又自分にはさる不正なことは思ってみるだけでも身が
戦
(
ふる
)
えるようだ。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
聴けば、杉田先生はお年寄役だけに、三十六計の奥の手も余り穏かならじとあって、単身踏み
留
(
とど
)
まり、なんとかかんとか
胡魔化
(
ごまか
)
して、荷物をことごとく巻上げて来たとの事だ。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
いいや、そんな泣きごとで、
胡魔化
(
ごまか
)
そうとしたって駄目だ——思いもかけねえこの宿屋に、ちっとは骨のあるこの俺が居合せたんで胆を抜かれて、いい加減な出たら目で、人を
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「こいつ、
胡魔化
(
ごまか
)
し
言
(
ごと
)
をいうて、このほうを、小馬鹿にいたすな」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まだ白っぱくれているな。吾々の眼はもう
胡魔化
(
ごまか
)
されんぞ。白丘ダリアが嫌いだったら、『赤外線男』として汝を
捕縛
(
ほばく
)
する。それッ」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何だあの
様
(
ざま
)
は。馴染の芸者がはいってくると、入れ代りに席をはずして、逃げるなんて、どこまでも人を
胡魔化
(
ごまか
)
す気だから気に食わない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
道徳上の罪までも
胡魔化
(
ごまか
)
せるかも知れないというのですから、これ位アクドイ、残酷な
悪戯
(
いたずら
)
は又と在るまいと思われるじゃないですか先生……
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
最小労力で
胡魔化
(
ごまか
)
す術は実験の方で大分こつが分っているので、墨の濃度を色々かえたり、線の形だの太さだのを工夫したりして、順序立てて色々やって見て
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
仏法の
修行
(
しゅぎょう
)
が充分出来て居るではなし、
僅
(
わず
)
かにこの身を
免
(
のが
)
れて来たからといって、世界に対する義務とか何とか書生の喜ぶような事をいって
胡魔化
(
ごまか
)
そうとしても
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
日頃仲のよく無い秋山彌十、自分の腕の鈍さを
胡魔化
(
ごまか
)
すために、何彼と余計な策動をする秋山彌十が、富山七之助に対する反感が
募
(
つの
)
って、見切札の悪戯をしないとは言い切れません。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かつて祖母が
吹聴
(
ふいちょう
)
したものとはまるっきり違っていたことを余りにもはっきりとわからせないように
胡魔化
(
ごまか
)
すためだったのだろう、余りにひどい
筒袖
(
つつそで
)
の衣類などははねのけてしまって
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「やい、
胡魔化
(
ごまか
)
すな」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今夜はね、
根岸
(
ねぎし
)
の
里
(
さと
)
へ行って来るって
胡魔化
(
ごまか
)
して来たのよ。私だって、たまにはゆっくり
泊
(
とま
)
って見たいもの。——大丈夫よ。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして、それは昨日誠太郎を好加減に
胡魔化
(
ごまか
)
して返した反響だろうと想像した。五六分雑談をしているうちに、兄はとうとうこう云い出した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
第一お前は
平常
(
いつも
)
と違って三時間以上余計に朝寝をしていたのはどういう訳か。絞め殺しておいて
胡魔化
(
ごまか
)
すつもりで寝ていたのが、つい寝過したのじゃないか。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
雪の全種類の結晶が、気温と水蒸気の量とを変えることに
依
(
よ
)
って出来るといったのは実は少し
胡魔化
(
ごまか
)
しがあるので、自然の
工
(
たくみ
)
はなかなかそう簡単ではないようである。
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
密使
(
みっし
)
油蹈天
(
ゆうとうてん
)
をはるばる
上海
(
シャンハイ
)
に
遣
(
つかわ
)
して、金博士の最新発明になる“人造人間戦車”の設計図を
胡魔化
(
ごまか
)
しに行かせたのであった。
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
善
(
よ
)
ござんすよ。
胡魔化
(
ごまか
)
さないでも。ちゃんと分ってるんだから。だから正直にそうだと云って御しまいなさい。そうでないと、後が話せないから」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とか何とかいったような
出鱈目
(
でたらめ
)
で、別荘附近の人々を
胡魔化
(
ごまか
)
してしまいました。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もっともアナウンスの外に音楽もはいるのであるから、底に低く音楽を流すと、いくらでも
胡魔化
(
ごまか
)
しが効くらしいということも、少しやっているうちには分って、この方もちょっと面白かった。
映画を作る話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
私のこせつき方は頭の中の現象で、それほど外へ出なかったようにも考えられますから、あるいは奥さんの方で
胡魔化
(
ごまか
)
されていたのかも
解
(
わか
)
りません。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
上家をはじめ他の人達がよく注意して居れば勿論こんな馬鹿馬鹿しい
胡魔化
(
ごまか
)
しにはかからないが、すこし
戦
(
たたかい
)
が
酣
(
たけなわ
)
になって来ると、よくこれが行われる。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
帽子の大きいのと靴の小さいのには閉口したが、それでもどうにか
胡魔化
(
ごまか
)
した。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それにしても、なんだかうまく
胡魔化
(
ごまか
)
されたようなところがあるような気がして、自分の部屋へ帰ると、リーマン博士の言葉をもう一度復習してみた。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
厭味
(
いやみ
)
で練りかためたような赤シャツが存外親切で、おれに
余所
(
よそ
)
ながら注意をしてくれるかと思うと、マドンナを
胡魔化
(
ごまか
)
したり、胡魔化したのかと思うと
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頼むから、ちょっと
胡魔化
(
ごまか
)
して踊らせてやったのだ
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
君に
懸物
(
かけもの
)
や
骨董
(
こっとう
)
を売りつけて、商売にしようと思ってたところが、君が取り合わないで
儲
(
もう
)
けがないものだから、あんな作りごとをこしらえて
胡魔化
(
ごまか
)
したのだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これが普通の場合だったら、旦那どの胤だと、
胡魔化
(
ごまか
)
せるんだが、
生憎
(
あいにく
)
と、その旦那どのというのは、女に子を産ませる力がないことが医学的に判っているのだ。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その鍵だけは監視人の眼も
胡魔化
(
ごまか
)
しおおせて、いまだに僕の手にあり、僕はそれを唯一の玩具——いや宝物として退屈きわまる毎日をわずかに慰めていたのだった。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実は行徳の俎と云う語を主人は
解
(
かい
)
さないのであるが、さすが永年教師をして
胡魔化
(
ごまか
)
しつけているものだから、こんな時には教場の経験を社交上にも応用するのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おう……俺を見忘れたか。手前なんかに
胡魔化
(
ごまか
)
される俺と俺が違わあ……どうだ、話は穏かにつけよう。あの青二才から捲き上げた金を五十両ほど黙って俺に貸せッ」
雷
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宗助
(
そうすけ
)
はとう/\
言
(
い
)
はうとした
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
切
(
き
)
る
勇氣
(
ゆうき
)
を
失
(
うしな
)
つて、
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
いて
胡魔化
(
ごまか
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あれは郵便局で押したものではなく、手製の
胡魔化
(
ごまか
)
しものですよ。だからあの小包を持って来た郵便局の配達夫というのは、恐らく蠅男の変装だったにちがいありません。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一口
(
ひとくち
)
でいうと、叔父は
私
(
わたくし
)
の財産を
胡魔化
(
ごまか
)
したのです。事は私が東京へ出ている三年の間に
容易
(
たやす
)
く行われたのです。すべてを叔父
任
(
まか
)
せにして平気でいた私は、世間的にいえば本当の馬鹿でした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
丘田医師はかねてヘロインを手にしてからというものは、パントポンの代りに、この粗製品を使って世間を
胡魔化
(
ごまか
)
していたことは、帆村の調査によって証拠だてられたところだ。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ、それには又父を
胡魔化
(
ごまか
)
す必要が出て来るに違なかった。代助は腹の中で今までの
我
(
われ
)
を冷笑した。彼はどうしても、今日の告白を
以
(
もっ
)
て、自己の運命の半分を破壊したものと認めたかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やむを得ず筆を停めて
胡魔化
(
ごまか
)
した。今日こそは手記風に書きたく思う。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
胡魔化
(
ごまか
)
されるのはどっちにしても同じでしょうけれども、
載
(
の
)
せられ方からいえば、従妹を
貰
(
もら
)
わない方が、向うの思い通りにならないという点から見て、少しは私の
我
(
が
)
が通った事になるのですから。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
胡
漢検準1級
部首:⾁
9画
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
化
常用漢字
小3
部首:⼔
4画
“胡魔”で始まる語句
胡魔塩