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肩掛
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かたかけ
ふりがな文庫
“
肩掛
(
かたかけ
)” の例文
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
薄
(
うす
)
くらきに
迷
(
まよ
)
ふ
心
(
こゝろ
)
もかき
暮
(
くら
)
されて
何
(
なに
)
と
言
(
いひ
)
入
(
い
)
れん
戸
(
と
)
のすき
間
(
ま
)
よりさし
覗
(
のぞ
)
く
家内
(
かない
)
のいたましさよ
頭巾
(
づきん
)
肩掛
(
かたかけ
)
に
身
(
み
)
はつゝめど
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼は尻をからげて、
莫大小
(
めりやす
)
の
股引
(
ももひき
)
白足袋
(
しろたび
)
に高足駄をはき、彼女は
洋傘
(
こうもり
)
を
杖
(
つえ
)
について
海松色
(
みるいろ
)
の
絹天
(
きぬてん
)
の
肩掛
(
かたかけ
)
をかけ、主婦に向うて
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この
日
(
ひ
)
雨
(
あめ
)
が
上
(
あが
)
つて、
日脚
(
ひあし
)
がさつと
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
の
障子
(
しやうじ
)
に
射
(
さ
)
した
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
不斷着
(
ふだんぎ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
妙
(
めう
)
な
色
(
いろ
)
の
肩掛
(
かたかけ
)
とも、
襟卷
(
えりまき
)
とも
付
(
つ
)
かない
織物
(
おりもの
)
を
纏
(
まと
)
つて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
梔子色
(
くちなしいろ
)
の
綾織金紗
(
あやおりきんしゃ
)
の羽織を
襲
(
かさ
)
ねて白い
肩掛
(
かたかけ
)
に
真赤
(
まっか
)
なハンドバックを持ち、もう一度顔を直すつもりで鏡の前に坐った。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから自分も長椅子に腰をおろすと、モスリンの
肩掛
(
かたかけ
)
をぎゅっと
緊
(
し
)
め直しただけで、それきり
眼
(
ま
)
ばたき一つしなければ眉毛ひとすじ動かさなかった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
忘
(
わす
)
れもしねえだ、
若奥様
(
わかおくさま
)
は、
綺麗
(
きれい
)
な
縫
(
ぬひ
)
の
肩掛
(
かたかけ
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つてよ。
紫
(
むらさき
)
がゝつた
黒
(
くろ
)
い
処
(
ところ
)
へ、一
面
(
めん
)
に、はい、
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
びらのちら/\かゝつた、コートをめしてな。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三十五円もしたという赤い
襦珍
(
しゅちん
)
の丸帯や、それまでは見たこともないような
縮緬
(
ちりめん
)
の長袖や、被布や、
袴
(
はかま
)
や、
紋附
(
もんつき
)
や、
肩掛
(
かたかけ
)
や、
下駄
(
げた
)
や、リボンなどがそれであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
自分は正直に白状するが去年美術院の展覧会で初めてルノアルの原画を見たときにも、岸田君の不思議に美しい「毛糸
肩掛
(
かたかけ
)
せる麗子像」を見た時ほどは動かされなかった。
『劉生画集及芸術観』について
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
低
(
ひく
)
くして
靜
(
しづ
)
かに
明
(
あ
)
くる
座敷
(
ざしき
)
の
内
(
うち
)
これは
如何
(
いか
)
に
頭巾
(
づきん
)
に
見
(
み
)
えざりし
面
(
おもて
)
肩掛
(
かたかけ
)
につゝみし
身
(
み
)
今
(
いま
)
ぞ
明
(
あき
)
らかに
現
(
あら
)
はれぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
は
肩掛
(
かたかけ
)
深
(
ふか
)
く
引
(
ひき
)
あげて
人目
(
ひとめ
)
に
見
(
み
)
ゆるは
頭巾
(
づきん
)
の
色
(
いろ
)
と
肩掛
(
かたかけ
)
の
派手模樣
(
はでもやう
)
のみ、
車
(
くるま
)
は
如法
(
によほふ
)
の
破
(
や
)
れ
車
(
ぐるま
)
なり
母衣
(
ほろ
)
は
雪
(
ゆき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐに
足
(
た
)
らねば、
洋傘
(
かうもり
)
に
辛
(
から
)
く
前面
(
ぜんめん
)
を
掩
(
おほ
)
ひて
行
(
ゆ
)
くこと
幾町
(
いくちやう
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
高僧頭巾
(
こそづきん
)
に
肩掛
(
かたかけ
)
引
(
ひき
)
まとひ、
良人
(
つま
)
の
君
(
きみ
)
もろ
共
(
とも
)
川崎
(
かはさき
)
の
大師
(
だいし
)
に
參詣
(
さんけい
)
の
道
(
みち
)
すがら
停車塲
(
ていしやば
)
の
群集
(
くんじゆ
)
に、あれは
新橋
(
しんばし
)
か、
何處
(
どこ
)
ので
有
(
あ
)
らうと
咡
(
さゝや
)
かれて、
奧樣
(
おくさま
)
とも
言
(
い
)
はれぬる
身
(
み
)
ながら
是
(
こ
)
れを
淺
(
あさ
)
からず
嬉
(
うれ
)
しうて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
肩
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
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肩掛革包