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王樣
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わうさま
鐵車は
其樣な
事ではビクともしない、
反對に
獸を
彈飛すと、
百獸の
王樣も
團子のやうに
草の
上を
七顛八倒。
吾等一同はドツと
笑つた。
別に、
肩には
更紗を
投掛け、
腰に
長劍を
捲いた、
目の
鋭い、
裸の
筋骨の
引緊つた、
威風の
凛々とした
男は、
島の
王樣のやうなものなの……
『
猫だとて
王樣を
拜して
差支へない』と
愛ちやんが
云ひました。『
私は
或る
書物でそれを
讀みました、
何處であつたか
憶えて
居ませんが』
王樣の
御殿かもしれねえ、
自分はあそこへ
行くのだらう。きつと
王樣が
自分をお
召しになつたんだ。お
目に
懸つたら
何を
第一に
言はう。そうだ。
あれこそは
此世の
名譽といふ
名譽が、
只った
一人王樣となって、
坐る
帝座ぢゃ。おゝ、
何といふ
獸物ぢゃ
予は、かりにも
彼の
方を
惡ういふとは!
王樣の
論據は
斯うでした、
頭のあるものなら
何でも
頭を
刎ねることが
出來る、
死刑執行者の
云ふところも
強ち
間違つては
居ない。
自分の
主人は
慾張で、ろくなものを
自分にも
自分の
子ども
等にも
食べさせません、よく
王樣の
御威嚴をもつて
叱つて
頂きたい。と、それから
次には……
出が
王樣の
城だから、
姫君の
鸚鵡が一
羽。
一
緒に
行かうとした
時に、
愛ちやんは
王樣が
小聲で、一
體に
其の
仲間の
者どもに
斯う
云はれるのを
聞きました、『
皆な
放免する』