ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
われわれのこの民本主義の時代においては、人は自己の感情には無頓着に世間一般から最も良いと考えられている物を得ようとかしましく騒ぐ。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今までのは正面から文字の意味どおりに、むしろ拘泥し過ぎて取扱っていますが、この句は必ずしも文字の意味に拘泥せずに、やや無頓着に取扱っている傾きがあります。
黒いものをパクついている男達はもうすべてのことがらに無頓着になっているらしく、「昨日は五里歩いた」「今夜はどこで野宿するやら」と他人事のように話合っていた。
事務官が自分に対して前より無頓着に、横柄になったような気がした——けれど、不思議なことには——彼自身も突然、誰がなんと思おうと同じことだ、という気持になった。
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
犯罪とか犯人などということにはまったく無頓着、念頭にもなかったが、珠緒さんが殺されてみると、私は始めて犯罪ということをヒシヒシと考えさせられ、例の一馬の手紙のこと
が、かの女は、婚期などには、無頓着で、結構、毎日を陽気に暮していた。ことに、東の対ノ屋の一部屋に、泰子が住むようになってからは、のべつ、西の対ノ屋からこっちへ遊びに来ていた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女は窓掛をおろすのを忘れるほど無頓着だった。そして気がついても、無精のあまりわざわざ窓掛をおろしに行こうともしなかった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
なるべく私が気を付けて出すようにしたが、しまいにはいつも私に払わせて知らん顔をしていた、でも啓坊は男だけに細かいことには無頓着な風を装っていたが
メールストロムの旋渦 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心、岡倉覚三(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ところで、君は気がついたかい——ラスコーリニコフはほかの事にはいっさい無頓着で、何を言っても黙っているが、ただ一つ興奮して夢中になることがある。それは例の殺人事件だ……
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
そしてローザも、自分の鼻の格好には無頓着で、素敵な家庭的義務を典例に従って履行することばかりを、自ら誇りとしていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
結句船の中の人たちから度外視されるのを気安い事とまでは思わないでも、葉子はかかる結果にはいっこう無頓着だった。もう船はきょうシヤトルに着くのだ。