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概
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おほむ
ふりがな文庫
“
概
(
おほむ
)” の例文
蘭軒が師事した所の儒家医家は
概
(
おほむ
)
ね此の如きに過ぎない。わたくしは蘭軒の師家より得た所のものには余り重きを置きたくない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
婦人の婚姻に因りて
得
(
う
)
る処のものは
概
(
おほむ
)
ね斯の如し。
而
(
しかう
)
して男子もまた、先人
曰
(
いは
)
く、「妻なければ
楽
(
たのしみ
)
少く、妻ある身には
悲
(
かなしみ
)
多し」
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我は羅馬以北の景を看て、その
概
(
おほむ
)
ね皆陰鬱なるに驚きぬ。
大澤
(
たいたく
)
の畔の如くならず、テルラチナなる橄欖の林の
棕櫚
(
しゆろ
)
を交へたるが如くならず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
建築の外観の宏壮なのも、実は近寄つて見ると巨石を用ひた英仏の古い奥ゆかしい建築と
異
(
ちが
)
つて、
概
(
おほむ
)
ね人造石で堅めてあるのでがつかりする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
果然
(
くわぜん
)
彼
(
か
)
れは
幾
(
いく
)
ばくもなくして
漢族
(
かんぞく
)
のために
亡
(
ほろ
)
ぼされた。
獨
(
ひと
)
り
拓拔氏
(
たくばつし
)
のみならず
支那塞外
(
しなさくぐわい
)
の
蠻族
(
ばんぞく
)
は
概
(
おほむ
)
ねその
轍
(
てつ
)
を
履
(
ふ
)
んでゐる。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
家流の舞蹈は
概
(
おほむ
)
ね
所作
(
しよさ
)
にて之を見る者なれば、爰に言はず、所謂足取、手振、其一部の形式に到りては、遂に我劇界の一疑問とならずんばあらず。
劇詩の前途如何
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
教員は
概
(
おほむ
)
ね士族の若者であつた、なかには中年ものも居た。『窮理の学』といふことがそれらの教員の口から云はれた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
劇烈
欝勃
(
うつぼつ
)
の行為を描き、其主人公は
概
(
おほむ
)
ね薄志弱行なりし故に、メルクは彼を
誡
(
いまし
)
めて
曰
(
いは
)
く、
此
(
かく
)
の如き精気なく誠心なき
汚穢
(
をわい
)
なる愚物は将来決ツして写す
勿
(
なか
)
れ
舞姫
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
太閤ノ時ニ
方
(
あた
)
リ、其ノ天下ニ布列スル者、
概
(
おほむ
)
ネ希世ノ雄也、而シテ
尽
(
ことごと
)
ク其ノ用ヲ為シテ敢ヘテ
叛
(
そむ
)
カシメザルハ必ズ術有ラン、
曰
(
いは
)
ク其意ニ
中
(
あた
)
ル也、曰ク其意ノ外ニ出ヅル也——程度で尽きるだろう。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
暮
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
は
笠
(
かさ
)
の
編目
(
あみめ
)
を
透
(
とほ
)
して
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
に
細
(
ほそ
)
い
強
(
つよ
)
い
線
(
せん
)
を
描
(
ゑが
)
く。
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
は
窶
(
やつ
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
子
(
こ
)
は
概
(
おほむ
)
ね
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
耳
(
みゝ
)
もとで
鳴
(
な
)
る
太皷
(
たいこ
)
の
喧
(
やかま
)
しい
音
(
おと
)
とお
袋
(
ふくろ
)
の
唄
(
うた
)
ふ
聲
(
こゑ
)
とがいつとはなしに
誘
(
さそ
)
つたのであつたかも
知
(
し
)
れぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
概
(
おほむ
)
ね
床屋
(
とこや
)
の親方の人生観を講釈すると五十歩百歩の
間
(
かん
)
にあるが如し。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
父の日記は
概
(
おほむ
)
ね農業日記であるが、かういふ事も漏らさず、極く簡単に記してある。青根温泉に行つたときのことを僕は極めて
幽
(
かす
)
かにおぼえてゐる。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
形は
概
(
おほむ
)
ね
手毬
(
てまり
)
の様に円く大きく盛上り、色は
異
(
かは
)
つた
種種
(
しゆ/″\
)
の
複色
(
ふくしよく
)
を出して、中には
冴
(
さ
)
えた
緑青
(
ろくしやう
)
色をした物さへある。すべて鉢植でなく
切花
(
きりばな
)
を
硝子罎
(
がらすびん
)
に挿して陳列して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
この小都會は
削立
(
さくりつ
)
千尺の大岩石の上にあり。これを貫ける街道は僅に一車を
行
(
や
)
るべし。こゝ等の家は、
概
(
おほむ
)
ね皆
平家
(
ひらや
)
に窓を
穿
(
うが
)
つことなく、その代りには戸口を大いにしたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
然れども其の説くところ
概
(
おほむ
)
ね卑近にして、
俚耳
(
りじ
)
に入り易きの故を以て、人之を俗物と称す。
国民と思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
わたくしの眞志屋文書より
獲
(
え
)
た所の繼承順序は、
概
(
おほむ
)
ね
此
(
かく
)
の如きに過ぎない。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
当時の日本留学生は
概
(
おほむ
)
ね三年ぐらゐ居たのであり、一つの都市に居ついて
其処
(
そこ
)
で勉強するのを常としたから、都市の人々と留学生との間に、おのづと心の交渉が成立ち
日本媼
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
文学者の
側
(
がは
)
には髪や髭に手入をして居る者もあるが、画家は
概
(
おほむ
)
ね
其
(
それ
)
等のことに無頓着な風をして居る。名物男の老主人フレデリツクは断えず酒臭い
気息
(
いき
)
をして客
毎
(
ごと
)
に話して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
然れども当時の文学中の最大部分たる洒落本、戯作の類の大に之に
与
(
あづか
)
りて力ありし事を思はざる可からず。当時の作家は
概
(
おほむ
)
ね遊廓内の理想家にして、且つ遊廓塲裡の写実家なりしなり。
粋を論じて「伽羅枕」に及ぶ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼が生路は
概
(
おほむ
)
ね平滑なりしに、
轗軻
(
かんか
)
数奇
(
さくき
)
なるは我身の上なりければなり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
従来の階級は
概
(
おほむ
)
ね壊裂したり、
加
(
くはふ
)
るに長年の乱世に人民の位地も
大
(
おほい
)
に前とは異なりて、従来貴族たりし者の落ちて平民の籍に投ぜし者、従来平民たりし者の登りて貴族の位地を占めし者
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
史実として時刻の考へられるものは、
概
(
おほむ
)
ね左の通である。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“概”の意味
《名詞》
(とかき)枡からはみ出た分をならす棒(「おおむね」の原義)
(出典:Wiktionary)
概
常用漢字
中学
部首:⽊
14画
“概”を含む語句
大概
概略
梗概
概括
概念
概説
一概
気概
概算
其概略
氣概
概観
詠歌大概
西籍概論
実体概念
既成概念
機能概念
概論
梗概的
概觀
...