御意ぎよい)” の例文
可笑をかしなお話をいたしましたが、策伝さくでんの話より、一そう御意ぎよいかなひ、其後そののち数度たび/\御前ごぜんされて新左衛門しんざゑもんが、種々しゆ/″\滑稽雑談こつけいざつだんえんじたといふ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
秀林院様は御勘考の上、御返事なされ候べしと、澄見には御意ぎよいなされ候へども、中々しかとせる御決心もつきかね候やうに見上げ候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
遂て遣はすシテ其遺書かきおき持參ぢさん致居るかと問るゝに御意ぎよいの如く持參ぢさん仕つりしと吉兵衞は懷中ふところより取出して指出さしいだしければ越前守殿是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御意ぎよいにござります。みよしえました五位鷺ごゐさぎつばさり、くちばしかぢつかまつりまして、人手ひとでりませずみづうへわたりまする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かやうに様々はからひ申しければ、秀次も自ら御心を移され、内々にお支度ありて、大名小名によらず、御意ぎよいに従ふべきと思召す者共には、お手前にてお茶を下され、或は御太刀、刀
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これが又禿の御意ぎよいに入つたところで、女めつらつ高利アイス塩梅あんばいを見てゐる内に、いつかこの商売が面白くなつて来て、この身代しんだい我物と考へて見ると、一人の親父よりは金銭かねの方が大事
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「さあ、そりや分らない。すべては運命うんめい神様かみさま御意ぎよいのまゝなんだからな。」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「それから、二人で始めましたよ。下地は好きなり御意ぎよいはよしと來ましたね、あの野郎と背中合せになつて、てんでの銚子から、呑むほどに浴びる程に、どぜう汁が來た時は、もう大ヘベレケ」
用ゆべし越前には少身の由萬端行屆まじお手前達てまへたちに於て宜く心付致さるべしとの御意ぎよいなれば越前守は願の通り再吟味の台命たいめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宛然ゑんぜん僕にその硯屏けんびやうを買ふ義務でもありさうな口吻こうふんである。しかし御意ぎよい通りに買つたことをいまだに後悔してゐないのは室生の為にも僕の為にもかく欣懐きんくわいと云ふほかはない。
野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
近侍きんじのもの。侍「ハアー。殿「今宵こよひは十五るの。侍「御意ぎよい御座ござります。殿 ...
昔の大名の心意気 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御意ぎよい、」と一同いちどう川岸かはぎし休息きうそくする。むかぎしへのそ/\とたものがあつた。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「では御意ぎよいに召したのが、へえ?」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なす治助なるか御意ぎよいに御座りますと答るにコレ此請取に覺えあるかと尋ねければ治助は是を見て此請取は昨日さくじつ廣小路ひろこうぢの店にてあきなひを致し手付てつけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宛然ゑんぜん僕にその硯屏を買ふ義務でもありさうな口吻こうふんである。しかし御意ぎよい通りに買つたことをいまだに後悔こうくわいしてゐないのは室生のためにも僕のためにもかく欣懐きんくわいといふほかはない。
身のまはり (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すで獻立こんだてしてちたればたゞちに膳部ぜんぶ御前ごぜんさゝげつ。「いま一膳いちぜんはいかゞつかまつらむ」とうかゞへば、幼君えうくん「さればなりそのぜんかごなかつかはせ」との御意ぎよい役人やくにんいぶかしきことかなと御顏おんかほみまもりて猶豫ためらへり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御意ぎよいあらば立所たちどころ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「へゝゝゝ、おそれながら御意ぎよいにまかせ、早速さつそくおん対手あひて」と按摩あんまふ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「勿論かやうなお姿にしたのは御意ぎよいに入らぬことでございませう。しかしわたしは御承知の通り、日本の画師ゑしでございます。日本の画師はあなた様さへ、日本人にするほかはございますまい。なんとさやうではございませんか?」
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かう御意ぎよい遊ばすのでございまする。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)