-
トップ
>
-
屋根瓦
>
-
やねがはら
五、
屋外に
於ては
屋根瓦、
壁の
墜落、
或は
石垣、
煉瓦塀、
煙突等の
倒潰し
來る
虞ある
區域から
遠ざかること。
特に
石燈籠に
近寄らざること。
窓を
開けると、こゝにも
飛ぶ。
下屋の
屋根瓦の
少し
上を、すれ/\に、
晃々、ちら/\と
飛んで
行く。
提唱のある
場所は、
矢張り
一窓庵から一
町も
隔つてゐた。
蓮池の
前を
通り
越して、それを
左へ
曲らずに
眞直に
突き
當ると、
屋根瓦を
嚴めしく
重ねた
高い
軒が、
松の
間に
仰がれた。
甚公!
此繩を
持つてろ——
屋根は
大丈夫かしら?——
其緩い
屋根瓦に
氣をつけろ——ソラ
落ちるぞ!
頭の
上へ!(
恐ろしい
響き)——オヤ
誰がそんな
事をしたんだ?——
甚公だらう——
煙突を
實に
木造家屋が
單に
屋根瓦と
土壁とを
取除かれただけならば、これあるときに
比較して
耐震價値を
増したといへる。
……
極暑の
砌、
見ても
咽喉の
乾きさうな
鹽辛蜻蛉が
炎天の
屋根瓦にこびりついたのさへ、
觸ると
熱い
窓の
敷居に
頬杖して
視めるほど、
庭のない
家には、どの
蜻蛉も
訪れる
事が
少いのに——よく
來たな
石垣、
煉瓦塀、
煙突などの
倒潰物は
致命傷を
與へる
事もあるからである。
又家屋に
接近してゐては、
屋根瓦、
壁の
崩壞物に
打たれることもあるであらう。