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屈託
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くつたく
ふりがな文庫
“
屈託
(
くつたく
)” の例文
村落
(
むら
)
の
端
(
はし
)
から
端
(
はし
)
まで
皆
(
みな
)
同
(
どう
)
一の
仕事
(
しごと
)
に
屈託
(
くつたく
)
して
居
(
ゐ
)
るのだから
其
(
そ
)
の
季節
(
きせつ
)
を
假令
(
たとひ
)
自分
(
じぶん
)
が
忘
(
わす
)
れたとしても
全
(
まつた
)
く
忘
(
わす
)
れ
去
(
さ
)
ることの
出來
(
でき
)
るものではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
疲れては乘り、
屈託
(
くつたく
)
しては歩き、十二里の長丁場を樂々と征服して、藤澤へあと五六町といふところまで來たのは、第一日の
申刻
(
なゝつ
)
過ぎ——。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二十五といへば
稍
(
やや
)
婚期遅れの方だが、しかし清潔に澄んだ瞳には
屈託
(
くつたく
)
のない若さがたたへられてゐて
木の都
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
昨日
(
きのふ
)
の
晩方
(
ばんがた
)
、
受取
(
うけと
)
つてから
以來
(
いらい
)
、
此
(
これ
)
を
跡方
(
あとかた
)
もなしに
形
(
かたち
)
を
消
(
け
)
すのに
屈託
(
くつたく
)
して、
昨夜
(
ゆうべ
)
は
一目
(
ひとめ
)
も
眠
(
ねむ
)
りません。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
れだから
彼等
(
かれら
)
は
婚姻
(
こんいん
)
の
當日
(
たうじつ
)
にも
仕事
(
しごと
)
の
割合
(
わりあひ
)
にしては
餘
(
あま
)
りに
多人數
(
たにんず
)
に
過
(
す
)
ぎるので、
一
(
ひと
)
つ
仕事
(
しごと
)
に
集
(
あつま
)
つては
屈託
(
くつたく
)
ない
容子
(
ようす
)
をして
饒舌
(
しやべ
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
と
皓齒
(
しらは
)
が
見
(
み
)
えて、
口許
(
くちもと
)
の
婀娜
(
あだ
)
たる
微笑
(
ほゝゑみ
)
。……
行
(
ゆ
)
かないと
心
(
こゝろ
)
が
極
(
き
)
まると、さらりと
屈託
(
くつたく
)
の
拔
(
ぬ
)
けた
状
(
さま
)
で
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「解つたか、八。あの女は馬鹿か豪傑か、でなければ腹の中に容易でない
屈託
(
くつたく
)
があるんだ。それも並大抵のことではない、女が願事が叶ふといふ
禁呪
(
まじなひ
)
のおコンコン樣を捨てゝ行くのは容易ぢやない」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
暫
(
しばら
)
く
好
(
すき
)
な
煙草
(
たばこ
)
に
屈託
(
くつたく
)
して
居
(
ゐ
)
たが
漸
(
やうや
)
く
日
(
ひ
)
が
暖
(
あたゝか
)
く
成
(
な
)
り
掛
(
か
)
けたので、
稀
(
まれ
)
に
生存
(
せいぞん
)
して
居
(
ゐ
)
る
往年
(
わうねん
)
の
朋輩
(
ほうばい
)
や
近所
(
きんじよ
)
への
義理
(
ぎり
)
かた/″\
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
す
積
(
つもり
)
で
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
山
(
やま
)
には
木樵唄
(
きこりうた
)
、
水
(
みづ
)
には
船唄
(
ふなうた
)
、
驛路
(
うまやぢ
)
には
馬子
(
まご
)
の
唄
(
うた
)
、
渠等
(
かれら
)
はこれを
以
(
もつ
)
て
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
勞
(
らう
)
を
休
(
やす
)
め、
我
(
おの
)
が
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れて
屈託
(
くつたく
)
なく
其
(
その
)
業
(
げふ
)
に
服
(
ふく
)
するので、
恰
(
あたか
)
も
時計
(
とけい
)
が
動
(
うご
)
く
毎
(
ごと
)
にセコンドが
鳴
(
な
)
るやうなものであらう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その癖平次は、一向に
屈託
(
くつたく
)
のない顏をしてゐるのです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もし/\と、
二聲
(
ふたこゑ
)
三聲
(
みこゑ
)
呼
(
よ
)
んで
見
(
み
)
たが、
目
(
め
)
ざとい
老人
(
らうじん
)
も
寐入
(
ねいり
)
ばな、
分
(
わ
)
けて、
罪
(
つみ
)
も
屈託
(
くつたく
)
も、
山
(
やま
)
も
町
(
まち
)
も
何
(
なん
)
にもないから、
雪
(
ゆき
)
の
夜
(
よ
)
に
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
一層
(
いつそう
)
寐心
(
ねごころ
)
の
好
(
よ
)
ささうに、
鼾
(
いびき
)
も
聞
(
きこ
)
えずひツそりして
居
(
ゐ
)
る。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ガラツ八はあまりにも
屈託
(
くつたく
)
のない顏です。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“屈託”の意味
《名詞》
屈託(くったく)
いろいろ心配すること。くよくよすること。
疲労や退屈なことでいやになること。
(出典:Wiktionary)
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
託
常用漢字
中学
部首:⾔
10画
“屈託”で始まる語句
屈託顔
屈託気