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千代
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ちよ
ふりがな文庫
“
千代
(
ちよ
)” の例文
それでも筆と紙がいっしょにならない時は、撮んだ顎を二本の指で
伸
(
の
)
して見る。すると
縁側
(
えんがわ
)
で文鳥がたちまち
千代
(
ちよ
)
千代と二声鳴いた。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おしいことをしたなあ」と、団長をはじめ、
留
(
とめ
)
じいさんもお
千代
(
ちよ
)
さんも、
正坊
(
しょうぼう
)
も五郎も、馬の死がいをとりまいてなげきました。
正坊とクロ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私の祖父を里正
津下市郎左衛門
(
つげいちらうざゑもん
)
と云つた。旧家に善くある
習
(
ならひ
)
で、祖父は分家で同姓の家の娘を
娶
(
めと
)
つた。祖母の名は
千代
(
ちよ
)
であつた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
砂山に生え
交
(
まじ
)
る、
茅
(
かや
)
、
芒
(
すすき
)
はやがて散り、はた年ごとに枯れ果てても、
千代
(
ちよ
)
万代
(
よろずよ
)
の末かけて、
巌
(
いわお
)
は松の緑にして、霜にも色は変えないのである。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
千代
(
ちよ
)
経
(
へ
)
よとまだみどり児にありしよりたゞ住吉の松を祈りき」「頼みては久しくなりぬ住吉のまつ此度はしるしみせてよ」
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
まだ女学校に通っているらしい、髪を
束髪
(
そくはつ
)
にした娘の半身像で、その裏には「興録さま。取り残されたる
千代
(
ちよ
)
より」
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
お母さまは、ネルの着ものに、青いこうもりをさして、
千代
(
ちよ
)
をつれて、そこいらへ買ひものにいきなぞしました。
ぽつぽのお手帳
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
お糸は早くから気に入りの女中お
千代
(
ちよ
)
と自分の部屋に
籠
(
こも
)
ってしまいましたが、いかに警戒が大事でも、日本橋小町と
謳
(
うた
)
われた十六娘の寝室に押し込んで
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
千代
(
ちい
)
ちやん
彼
(
あれ
)
は
何
(
なん
)
だ
学校
(
がくかう
)
の
御朋友
(
おともだち
)
か
随分
(
ずゐぶん
)
乱暴
(
らんばう
)
な
連中
(
れんぢう
)
だなアとあきれて
見送
(
みおく
)
る
良之助
(
りやうのすけ
)
より
低頭
(
うつむ
)
くお
千代
(
ちよ
)
は
赧然
(
はなじろ
)
めり
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
帰ろうと思ったのですが、それがみょうですよ、やっぱりどうかしてたのですよ、そこは時どき往ってますから、
婢
(
じょちゅう
)
も知ってるのですよ、お
千代
(
ちよ
)
と云う婢が
雪の夜の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼の著として伝わっている『
仮名性理
(
かなせいり
)
』あるいは『
千代
(
ちよ
)
もと
草
(
ぐさ
)
』は、平易に儒教道徳を説いたものであるが、しかし実は、彼の著書であるかどうか不明のものである。
埋もれた日本:――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
千代
(
ちよ
)
という十九の娘がございます、至って親孝行で、器量といい品格といい、物の云いよう
裾捌
(
すそさば
)
きなり何うも貧乏人の娘には珍らしい別嬪で、
他
(
た
)
から嫁に貰いたいと云い込んでも
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あそこに
千代
(
ちよ
)
ヶ
坂
(
さか
)
というのがありましてな、
八石平
(
はっこくだいら
)
からあちらは、女は
忌
(
い
)
んで、通ってはならぬことになっているのを、千代という若い女の方が
強
(
し
)
いて通りましたところ、翌日になると
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その夫と蹈舞することを許さないというのはなぜだろう。
千代
(
ちよ
)
をちぎって一身も同じとまでいう夫婦だから。夫婦
同士
(
どし
)
だきついておどってこそ。面白くも楽しくもありそうなものなのに。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
「ええ、います。あなたのご
紹介
(
しょうかい
)
でやとった
千代
(
ちよ
)
という娘のことでしょう。」
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「とう——とうたらりたらりらア——。
所
(
ところ
)
千代
(
ちよ
)
までおわしませエ——。吾等も
千秋
(
せんしゅう
)
侍
(
さむ
)
らおう——。鶴と亀との
齢
(
よわい
)
にてエ——。幸い心にまかせたりイ——。とう——とうたらりたらりらア……」
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
初めて聞いた俳人の名は
加賀
(
かが
)
の
千代
(
ちよ
)
という名前でその句は
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一、 朝顔に
釣瓶
(
つるべ
)
取られてもらひ水
千代
(
ちよ
)
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
千代
(
ちよ
)
もへぬべき
心地
(
ここち
)
して………
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
千代
(
ちよ
)
をもかくてあらましを
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
千代
(
ちよ
)
にかはらぬ道をとくかな
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
千代
(
ちよ
)
の松原
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
三重吉の小説によると、文鳥は
千代
(
ちよ
)
千代と鳴くそうである。その鳴き声がだいぶん気に入ったと見えて、三重吉は千代千代を何度となく使っている。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
天魔太郎
(
てんまたろう
)
、妹
月子
(
つきこ
)
、それにお
千代
(
ちよ
)
と
虎吉
(
とらきち
)
をくわえた少年少女四人に、大猿の
次郎坊
(
じろうぼう
)
一匹、伝馬町の大牢へと、嵐のなかをおよぐようにたどりつきました。
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こゝに
居
(
ゐ
)
るよお
千代
(
ちよ
)
や
阿母
(
おつか
)
さんだよいゝかへ
解
(
わか
)
つたかへお
父
(
とつ
)
さんもお
呼申
(
よびまを
)
したよサアしつかりして
薬
(
くすり
)
を
一口
(
ひとくち
)
おあがりヱ
胸
(
むね
)
がくるしいアヽさうだらう
此
(
この
)
マア
汗
(
あせ
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すると、ダンスをおわったお
千代
(
ちよ
)
さんが、うすももいろのスカートをひらひらさせて、舞台うらへひきさがってきました。つぎは、くまのクロが出る番になっていました。
正坊とクロ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そして、
翌日
(
あくるひ
)
になったところで、
生憎
(
あいにく
)
とどしゃぶりの雨になって、それがその翌日も続いたので、旅僧はしかたなく
逗留
(
とうりゅう
)
することになったが、娘の
千代
(
ちよ
)
は、日一日と旅僧になじんで
往
(
い
)
った。
風呂供養の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
おうちには、
千代
(
ちよ
)
といふ小さな女中がゐました。
ぽつぽのお手帳
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
宝暦
(
ほうれき
)
九年に登勢が二十九歳で
女
(
むすめ
)
千代
(
ちよ
)
を生んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
市
(
いち
)
が
栄
(
さか
)
へて
千代
(
ちよ
)
やよろづよ
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こらせし
母
(
はゝ
)
も
水初穂取
(
みづはつほと
)
りに
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
へ
立
(
た
)
ちしお
福
(
ふく
)
も
狼狽敷
(
あはたゞしく
)
枕元
(
まくらもと
)
にあつまればお
千代
(
ちよ
)
閉
(
と
)
ぢたる
目
(
め
)
を
開
(
ひ
)
らき。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ドアのむこうにお
千代
(
ちよ
)
さんの顔を見つけだすと、正坊はとびあがってよろこびました。
正坊とクロ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「おまえたちも知っているはずだ。お城大工の棟梁、泉田筑後のむすめお
千代
(
ちよ
)
だ」
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
千
常用漢字
小1
部首:⼗
3画
代
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“千代”で始まる語句
千代紙
千代田
千代萩
千代町
千代子
千代松
千代公
千代古
千代岡
千代川