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分明
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ぶんめい
ふりがな文庫
“
分明
(
ぶんめい
)” の例文
愛
(
あい
)
してだいじにするのか、運動の
習慣
(
しゅうかん
)
でだいじにするのか、いささか
分明
(
ぶんめい
)
を
欠
(
か
)
くのだが、とにかく牛をだいじにすることはひととおりでない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
母親にたずねてみますれば色々その間のいきさつも
分明
(
ぶんめい
)
いたしましょうが、そのような物好き心が何の役にたちましょう。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
明治初年神仏の区別を
分明
(
ぶんめい
)
にして以来殊には近年に至って市区改正のため仏寺の取払いとなったものは
尠
(
すくな
)
くない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かつ先例を
按
(
あん
)
ずるに、歯科医佐藤
春益
(
しゅんえき
)
の子は、単に幼くして家督したために、
平士
(
へいし
)
にせられている。いわんや成善は
分明
(
ぶんめい
)
に儒職にさえ就いているのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
其處
(
そこ
)
に
居
(
ゐ
)
る、……
其
(
そ
)
の
百日紅
(
さるすべり
)
の
左
(
ひだり
)
の
枝
(
えだ
)
だ。」
上野
(
うへの
)
の
東照宮
(
とうせうぐう
)
の
石段
(
いしだん
)
から、
不忍
(
しのばず
)
の
池
(
いけ
)
を
遙
(
はるか
)
に、
大學
(
だいがく
)
の
大時計
(
おほどけい
)
の
針
(
はり
)
が
分明
(
ぶんめい
)
に
見
(
み
)
えた
瞳
(
ひとみ
)
である。かゝる
時
(
とき
)
にも
鋭
(
するど
)
かつた。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
と笑いながら言う言葉の
中
(
うち
)
には
如何
(
いか
)
にしてもお登和嬢をその時の協力者たらしめんとの意
分明
(
ぶんめい
)
に聞ゆ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勿論さきに御紹介した新聞の記事のようなものでは余り漠然として居ますから、一日も早く取調の内容が
分明
(
ぶんめい
)
する日の来るようにと、私は待ちに待っていたのでした。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
手が
達
(
とど
)
きそうになって、岳の右の肩に、三角測量標のあるのが、
分明
(
ぶんめい
)
に見える、眼の下に梓川の水は、
藍瓶
(
あいびん
)
を傾むけたような大空の下に、錆ついた鉱物でも見るような
緑靛
(
りょくてん
)
色になって
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
彼は競争者の
金剛石
(
ダイアモンド
)
なるを聞きて、
一度
(
ひとたび
)
は
汚
(
けが
)
され、
辱
(
はづかし
)
められたらんやうにも
怒
(
いかり
)
を
作
(
な
)
せしかど、既に勝負は
分明
(
ぶんめい
)
にして、我は手を
束
(
つか
)
ねてこの弱敵の自ら
僵
(
たふ
)
るるを
看
(
み
)
んと思へば、心
稍
(
やや
)
落ゐぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此
(
この
)
話
(
はなし
)
で
何事
(
なにごと
)
も
分明
(
ぶんめい
)
になつた。それに
就
(
つ
)
けても
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
昔
(
むかし
)
ながら
壯快
(
おもしろ
)
い
氣象
(
きしやう
)
だ、たゞ
一人
(
ひとり
)
の
兒
(
こ
)
を
帝國
(
ていこく
)
の
軍人
(
ぐんじん
)
に
養成
(
ようせい
)
せんが
爲
(
た
)
めに
恩愛
(
おんあい
)
の
覊
(
きづな
)
を
斷切
(
たちき
)
つて、
本國
(
ほんごく
)
へ
送
(
おく
)
つてやるとは
隨分
(
ずゐぶん
)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つた
事
(
こと
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
余が
前號
(
ぜんごう
)
の
批評
(
ひゝよう
)
にも
云
(
い
)
ひし
如
(
ごと
)
く罪と罰とは
最暗黒
(
さいあんこく
)
の
露國
(
ロコク
)
を
寫
(
うつ
)
したるものにてあるからに
馬琴
(
バキン
)
の
想像的侠勇談
(
そうぞうてきけふゆうだん
)
にある
如
(
ごと
)
く
或
(
ある
)
復讎
(
ふくしゆう
)
或
(
あるは
)
忠孝等
(
ちゆうこうとう
)
の
故
(
ゆえ
)
を
以
(
も
)
て
殺人罪
(
さつじんざい
)
を
犯
(
おか
)
さしめたるものにあらざること
分明
(
ぶんめい
)
なり。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
なんでも夜中の或る時刻に団員をその入口へ案内してくれる機関があるらしかったが、その様子は
分明
(
ぶんめい
)
でない。多分団員の服装か顔かに
目印
(
めじるし
)
をつけて、その団員が通るところを家の中から見ている。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「では、賞罰の
分明
(
ぶんめい
)
に、勝頼の落度がありましたろうか」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
母親にたづねてみますれば色々その間のいきさつも
分明
(
ぶんめい
)
いたしませうが、そのやうな物好き心が何の役にたちませう。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
諄々
(
じゅんじゅん
)
としてわが身のことを説き
諭
(
さと
)
さるるさま
宛
(
さなが
)
ら慈母の
児
(
こ
)
を見るが如くならずや。この一書によりてわが三田に入りし当時の消息もまたおのづから
分明
(
ぶんめい
)
なるべし。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“分”で始まる語句
分
分別
分限
分際
分娩
分捕
分限者
分銅
分疏
分量