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余程
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よつぽど
ふりがな文庫
“
余程
(
よつぽど
)” の例文
旧字:
餘程
それに
余程
(
よつぽど
)
の気紛れ
者
(
もん
)
でね。稼ぎ出すと鼻唄をやり乍ら滅法稼いでるが、怠け出したら一日
主婦
(
おかみ
)
に怒鳴られ通しでも平気なもんだ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
余程
(
よつぽど
)
の
疳癪持
(
かんしやくもち
)
だつたと見えて、亭主と女との
逢曳
(
あひびき
)
を
勘
(
がん
)
づくと、いきなり刀を引つこ抜いて、数寄屋へ通ふ路地の木を滅茶苦茶に
伐
(
き
)
りつけ
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『でも、左様ぢや御座ませんか——新平民だつて何だつて
毅然
(
しつかり
)
した方の方が、
彼様
(
あん
)
な口先ばかりの方よりは
余程
(
よつぽど
)
好いぢや御座ませんか。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
(
其
(
それ
)
をお
渡
(
わた
)
りなさいます
時
(
とき
)
、
下
(
した
)
を
見
(
み
)
てはなりません
丁度
(
ちやうど
)
中途
(
ちゆうと
)
で
余程
(
よつぽど
)
谷
(
たに
)
が
深
(
ふか
)
いのでございますから、
目
(
め
)
が
廻
(
まふ
)
と
悪
(
わる
)
うござんす。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まづその
御意
(
おつもり
)
でお熱いところをお
一盞
(
ひとつ
)
。
不満家
(
むづかしや
)
の
貴方
(
あなた
)
が一寸好いと
有仰
(
おつしや
)
る位では、
余程
(
よつぽど
)
尤物
(
まれもの
)
と思はなければなりません。全く
寡
(
すくな
)
うございます」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
「旦那、
私
(
わし
)
が今迄稼いでたあのステンショね、
彼処
(
あすこ
)
からもう
余程
(
よつぽど
)
来ただんべえか?」
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
貴嬢
(
あなた
)
は斎藤の阿関さん、面目も無いこんな
姿
(
なり
)
で、
背後
(
うしろ
)
に目が無ければ何の気もつかずにいました、それでも
音声
(
ものごゑ
)
にも心づくべき
筈
(
はづ
)
なるに、私は
余程
(
よつぽど
)
の鈍に成りましたと下を向いて身を恥れば
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
皆
(
みな
)
さんはお
通夜
(
つや
)
のお
方
(
かた
)
か、おや/\
物騒
(
ぶつさう
)
だな、
通夜
(
つや
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
酒
(
さけ
)
に
酔倒
(
ゑひたふ
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
炮砥
(
はうろく
)
に
線香
(
せんかう
)
をどつさり
差
(
さ
)
して、一
本花
(
ぽんばな
)
に
枕団子
(
まくらだんご
)
旧弊
(
きうへい
)
だね、
是
(
これ
)
から思ふと
地獄
(
ぢごく
)
の
方
(
はう
)
が
余程
(
よつぽど
)
開
(
ひら
)
けた。と
云
(
い
)
ふお話で。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さと 何時の間にだいろ
眠
(
ね
)
てしもたツた。
余程
(
よつぽど
)
くたぶれとつたツばい。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
奈何だい、商人の楽屋は驚いたもんだらう。尤も僕の商売は夏向で冬は閑な方だが、こゝ君達に一つ秘策を授けやうかナ。懸賞小説を書いたり政治家の尻馬に乗るより
余程
(
よつぽど
)
気楽に儲けることが出来る。
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
『いや、
然
(
さ
)
うで無いて、
余程
(
よつぽど
)
貯蓄
(
たま
)
つたちふぢや有りませんか。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
『風邪かも知れませんが、……先刻支庁から出て坂を下りる時も、妙に
悪寒
(
さむけ
)
がしましてねす。
余程
(
よつぽど
)
温
(
ぬく
)
い日ですけれどもねす。』
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
妖怪より
余程
(
よつぽど
)
怖い馬鹿だもの、今夜はもう意見をするんぢやあないから
謝罪
(
わび
)
たつて承知はしない、
撲殺
(
なぐりころ
)
すのだから左様思へ
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところが、好かつた事には、今旅から帰つたと云ふところなんで、時間を見ると、十時
余程
(
よつぽど
)
廻つてゐるんでせう。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「姉さん達には
余程
(
よつぽど
)
御礼を言はなけりやならないネ。」と叔父さんは自分の子供に言つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「人もあらうに見ず知らずの僕にまで知らせるなんて、君も
余程
(
よつぽど
)
親切な男と見えるね。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
旧
(
ふる
)
いお
馴染
(
なじみ
)
ださうで御座いますが、あの
恰好
(
かつこう
)
は、商売人ではなし、万更の
素人
(
しろうと
)
でもないやうな、貴方も
余程
(
よつぽど
)
不思議な物をお好み遊ばすでは御座いませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
自分が
余程
(
よつぽど
)
以前から此村にゐる様な気持で、
先刻
(
さつき
)
逢つて酒を強ひられた許りの村の有志——その中には清子の父なる老村長もゐた——の顔も、可也古くからの親みがある様に覚えた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
果
(
はた
)
して
猿
(
さる
)
は
餓
(
う
)
ゑないで
居
(
ゐ
)
る。もう
今
(
いま
)
では
余程
(
よつぽど
)
の
年紀
(
とし
)
であらう。すりや、
猿
(
さる
)
のぢいさんだ。
道理
(
だうり
)
で、
功
(
かう
)
を
経
(
へ
)
た、ものゝ
分
(
わか
)
つたやうな、そして
生
(
き
)
まじめで、けろりとした、
妙
(
めう
)
な
顔
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
るんだ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前達二人より
余程
(
よつぽど
)
御手伝ひする。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『皆様にぢやない静さんにだらうと、
余程
(
よつぽど
)
言つてやらうかと思つたがね。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お
心易立
(
こゝろやすだて
)
なんでしやう、でもづるいんだよ。
余程
(
よつぽど
)
さういはうかと
思
(
おも
)
つたけれど、
先生
(
せんせい
)
だといふから、また、そんなことで
悪
(
わる
)
く
取
(
と
)
つて、お
前
(
まへ
)
が
憎
(
にく
)
まれでもしちやなるまいと
思
(
おも
)
つて
黙
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
須田町——東京中の電車と人が四方から
崩
(
なだ
)
れる様に集つて来る須田町を
頭脳
(
あたま
)
に描くが、アノ雑沓の中で、菊池君が電車から降りる……否、乗る所を、私は
余程
(
よつぽど
)
遠くからチラリと後姿を……無理だ
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『珍聞?』と、また勝誇つた眼付をして、『貴方も
余程
(
よつぽど
)
頓馬ね!』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『今日は
余程
(
よつぽど
)
道が融けましたねす。』
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
待つてゐたよりは
余程
(
よつぽど
)
滑稽ですね。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“余程”で始まる語句
余程面白く見える
余程不快を感ぜられ