人殺ひとごろ)” の例文
ところが、ふたりは人殺ひとごろしののなかにとびこんだのです。ですから、くらやみにまぎれて、十二人の人殺しどもがやってきました。
以て人殺ひとごろしは九助なりと見とめきびしく拷問がうもんに掛し事甚だ其意を得ざる取計とりはからひなりとありしかば理左衞門其儀は九助何樣申立候ともかれすそ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さやうでございますか? あの死骸しがいをとこつてゐたのも、——では人殺ひとごろしをはたらいたのは、この多襄丸たじやうまるちがひございません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人殺ひとごろしをして、やまげて、大木たいぼくこずゑぢて、えだからえだへ、千仭せんじんたにつたはるところを、捕吏とりて役人やくにん鐵砲てつぱうられたひとだよ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「なにをする。ぼくはまだ承諾しょうだくしていないぞ。それはともかく、人殺ひとごろしみたいに、ぼくのくびをしめるとはなにごとだ」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
甲市人 マーキューシオーをころしたやつ何方どちらげました? 人殺ひとごろしのチッバルトは何方どっちげました?
「これ、壮二君のおもちゃにあげてください。ぼくは人殺ひとごろしなんてしませんよ。」
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
とぢて居ければ此上はことばを以て諭さん樣もなく拷問がうもんに及ぶより外はなしと思はれしなり然れどもなほしづかに長庵を見られ如何に長庵ふだつじ人殺ひとごろしのつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
祖父殿おんぢいどん工夫くふう絵図面ゑづめんひまにあかしてつてて、わしつてたが、あんぢやう燃出もえだしたで、やれ、人殺ひとごろし、と……はツはツはツ、みづはいつておよいでげた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ロミオ この黄金こがねつかはすぞ、これこそはひとこゝろ大毒藥だいどくやくぢゃ、おぬしりかぬるこの些末さまつなる藥種やくしゅよりもこの濁世ぢょくせでははるかおそろしい人殺ひとごろしをするもの。おぬしではうてわしこそはどくるのぢゃ。さらば。
盜賊たうぞく人殺ひとごろしなりとうつたへけれども吉三郎事はかねて其方むすめきく密通みつつういたをりむすめよりもらひて與兵衞よへゑうりたりと云故其段そのだん明白に吟味ぎんみせんためむすめを呼出したり其方そのはう此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ねえさん、なん所爲せゐわたしわづらつてるとおもつてくださる、生命いのちつゞかぬ、あまりとへばなさけない。人殺ひとごろし。」
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人殺ひとごろしをあはれむはひところすにひとしいわい。