串談じようだん)” の例文
いや串談じようだんではなし札幌さつぽろ病院長びようゐんちやうにんじられて都合次第つがふしだい明日あすにも出立しゆつたつせねばならず、もつと突然だしぬけといふではなくうとは大底たいていしれてりしが
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ご挨拶ね。然し串談じようだんは止してほんとに寄つていらつしやいよ。ね好いんでせう。」
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
串談じようだんはぬきにして結城さん貴君に隠くしたとて仕方がないからまをしますが町内で少しははばもあつた蒲団やの源七といふ人
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
串談じようだんはぬきにして結城ゆふきさん貴君あなたくしたとて仕方しかたがないからまをしますが町内ちやうないすこしははゞもあつた蒲團ふとんやのげん七といふひと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さる子細しさいあればこそ此處こゝながれにおちこんでうそのありたけ串談じようだん其日そのひおくつてなさけ吉野紙よしのがみ薄物うすものに、ほたるひかりぴつかりとするばかりひとなみだは百ねんまんして
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私はくらやみの谷へ突落されたやうに暖かい日の影といふを見た事が御座りませぬ、はじめの中は何か串談じようだんわざとらしく邪慳じやけんに遊ばすのと思ふてをりましたけれど
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしはくらやみたに突落つきおとされたやうにあたゝかいかげといふをこと御座ござりませぬ、はじめのうちなに串談じようだんわざとらしく邪慳じやけんあそばすのとおもふてりましたけれど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人数にんずはさのみ変らねどあの子が見えねば大人までも寂しい、馬鹿さわぎもせねば串談じようだんも三ちやんの様では無けれど、人好きのするは金持の息子さんにめづらしい愛敬
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ともかく喜んでおくれ悪るい事では無いからと言ふに、本当か、本当か、と吉はあきれて、嘘では無いか串談じようだんでは無いか、そんな事を言つておどかしてくれなくても
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何にしろ菊の井は大損であらう、かの子には結搆けつこうな旦那がついたはづ、取にがしては残念であらうと人のうれひを串談じようだんに思ふものもあり、諸説みだれて取止めたる事なけれど
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
とりにがしては殘念ざんねんであらうとひとうれひを串談じようだんおもふものもあり、諸説しよせつみだれて取止とりとめたることなけれど、うらみなが人魂ひとだまなにかしらずすぢひかもののおてらやまといふ小高こだかところより
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ましてやこの大島田に折ふしは時好じこう花簪はなかんざしさしひらめかしてお客をらへて串談じようだんいふ処を聞かば子心には悲しくも思ふべし、去年あひたる時今は駒形こまかた蝋燭ろうそくやに奉公してゐまする
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
腰に尺八の伊達だてはなけれど、何とやらいかめしき名の親分が手下てかにつきて、そろひの手ぬぐひ長提燈ながでうちんさいころ振る事おぼえぬうちは素見ひやかし格子先かうしさきに思ひ切つての串談じようだんも言ひがたしとや
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なんとやらいかめしき親分おやぶん手下てかにつきて、そろひのぬぐひ長提燈ながてうちんさいころことおぼえぬうちは素見ひやかし格子先かうしさきおもつての串談じようだんひがたしとや、眞面目まじめにつとむる家業かげうひるのうちばかり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)