一室いつしつ)” の例文
さて此家にも別にかまどはなくみなにてものをる也。やがて夜もくれければ姫小松を細く割たるをともしとす、ひか一室いつしつをてらして蝋燭らふしよくにもまされり。
部屋へや四疊よでふけた。薄暗うすぐらたてなが一室いつしつ兩方りやうはうふすま何室どつちほか座敷ざしき出入でいり出來できる。つまおくはうから一方いつぱうふすまけて、一方いつぱうふすまから玄關げんくわん通拔とほりぬけられるのであつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なつすでぎた九ぐわつはじめなので、大方おほかた避暑客ひしよかくはやげたあとだから、宿屋やどや比較的ひかくてき閑靜かんせいであつた。宗助そうすけうみえる一室いつしつなか腹這はらばひになつて、安井やすゐおく繪端書ゑはがきへ二三ぎやう文句もんくいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そして大島小學校おほしませうがくかう一室いつしつには池上權藏いけがみごんざう肖像せうざうがかけてあります。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
も日もわかず一室いつしつは、げにおそろしき電働機モオトル
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
一室いつしつに見知る顔なし。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しかりとすれば、蔵石ざうせき流行はやりたる頃なれば、かのかじまやがはなしに北国の人一室いつしつをてらす玉のうりものありしといひしは
やがて東華門とうくわもんいたると、こゝに、一大旅店いちだいりよてん築地つきぢホテルとかまへのがある。主人しゆじん此處こゝに、と少年せうねんみちびくまゝに、階子はしごのぼつて、手代てだい二階にかい一室いつしつ表通おもてどほりの見晴みはらしふのへとほる。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかりとすれば、蔵石ざうせき流行はやりたる頃なれば、かのかじまやがはなしに北国の人一室いつしつをてらす玉のうりものありしといひしは
そのすもゝはなはなすもゝころ二階にかい一室いつしつ四疊半よでふはんだから、せまえんにも、段子はしごうへだんにまで居餘ゐあまつて、わたしたち八人はちにん先生せんせいはせて九人くにん一夕いつせき俳句はいくくわいのあつたとききようじようじて、先生せんせい
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すはやとて両人衣服をぬぎすて水に飛入りおよぎよりて光る物をさぐりみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを取得とりえて家にかへり、まづかまどもとおきしに光り一室いつしつてらせり。
すはやとて両人衣服をぬぎすて水に飛入りおよぎよりて光る物をさぐりみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを取得とりえて家にかへり、まづかまどもとおきしに光り一室いつしつてらせり。