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一室
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いつしつ
さて此家にも別に
竈はなくみな
炉にてものを
煮る也。やがて夜もくれければ姫小松を細く割たるを
燈とす、
光り
一室をてらして
蝋燭にもまされり。
部屋は
四疊敷けた。
薄暗い
縱に
長い
一室、
兩方が
襖で
何室も
他の
座敷へ
出入が
出來る。
詰り
奧の
方から
一方の
襖を
開けて、
一方の
襖から
玄關へ
通拔けられるのであつた。
夏も
既に
過ぎた九
月の
初なので、
大方の
避暑客は
早く
引き
上げた
後だから、
宿屋は
比較的閑靜であつた。
宗助は
海の
見える
一室の
中に
腹這になつて、
安井へ
送る
繪端書へ二三
行の
文句を
書いた。
夜も日もわかず
一室は、げに
畏しき
電働機の
然りとすれば、
蔵石の
流行たる頃なれば、かのかじまやが
話に北国の人
一室をてらす玉のうりものありしといひしは
やがて
東華門に
至ると、こゝに、
一大旅店、
築地ホテルと
言ふ
構へのがある。
主人は
此處に、と
少年の
導くまゝに、
階子を
上つて、
其の
手代は
二階の
一室、
表通りの
見晴と
云ふのへ
通る。
然りとすれば、
蔵石の
流行たる頃なれば、かのかじまやが
話に北国の人
一室をてらす玉のうりものありしといひしは
その
李の
花、
花の
李の
頃、
二階の
一室、
四疊半だから、
狹い
縁にも、
段子の
上の
段にまで
居餘つて、わたしたち
八人、
先生と
合はせて
九人、
一夕、
俳句の
會のあつた
時、
興に
乘じて、
先生が
すはやとて両人衣服を
脱すて水に飛入り
泳ぎよりて光る物を
探りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得て家に
皈り、まづ
灶の
下に
置しに光り
一室を
照せり。
すはやとて両人衣服を
脱すて水に飛入り
泳ぎよりて光る物を
探りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得て家に
皈り、まづ
灶の
下に
置しに光り
一室を
照せり。