“かんい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
敢為37.5%
簡易16.7%
冠衣12.5%
寛衣8.3%
寒威4.2%
敢爲4.2%
浣衣4.2%
環囲4.2%
罐入4.2%
鑵入4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かえって明白な判断にもとづいて起ると云う事実は、彼が犯すべからざる敢為かんいの気象を以て、彼の信ずる所を断行した時に、彼自身にも始めてわかったのである。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しか自分じぶんからがすでたいしたのぞみいだいてわけでもないので、簡易かんいけられると、此方こつちからたのやうにしても、もらはなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
丞相、口惜しければ、閣下も、冠衣かんいを脱ぎ去って、わしのように、表裏一枚の皮しかないところを見せたまえ
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僧正服そうじょうふくとアラビア人の服とをごっちゃにしたような寛衣かんいをひっかけ、頭部には白いきれをすっぽりかぶり、粛々しゅくしゅくと進んで、聖壇にのぼり、椅子に腰を下ろした。聴衆の間からは、いきが聞えた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つれ/″\にはんで、つばさでもし、ひざきもし、ほゝもあて、よるふすまふところひらいて、あたゝかたま乳房ちぶさあひだはしかせて、すや/\とることさへあつたが、一夜あるよすさまじき寒威かんいおぼえた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちゝこんぜざる濃茶のうちやよろこび、みづらざる精酒せいしゆみ、沈鬱ちんうつにして敢爲かんいかた國立こくりつ宗教しゆうきようし、ふか祖先そせんげふおもんず、工業こうげうはなはさかんならざるがゆゑ中等社界ちうとうしやくわいそんするところおほくは粗朴そぼくなる農民のうみんにして
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
日にげたる老翁ろうおう鍬を肩にし一枝いっしの桃花を折りて田畝でんぽより帰り、老婆浣衣かんいし終りて柴門さいもんあたりたたずあんにこれを迎ふれば、飢雀きじゃくその間をうかがひ井戸端の乾飯ほしいいついば
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
鉄弓のつるをはなれた一は、白馬の環囲かんいに突きささった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
椅子の背中には、なべ、マッチ、米の袋、罐入かんいりのカレー粉などが、神式の供え物かなんぞのように、いつも大げさに揺れていた。これらが、そして、これらだけが、博士の生活必需品の全部だった。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
庸三は鑵入かんいりのスリイ・キャッスルを勧めながら、ずっと以前、同じ病院で、院長によって痔瘻じろうの手術をした時の話などした。その時博士は独逸から帰ったばかりであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)