踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「朋友のよしみですばってん、割り箸と引っくんで討死もしましょうが、こりゃとうぶん割り箸の夢で魘されまっしょう」
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
夫人は夢に魘された時のように、厭やな重圧した気分を感じた。だが彼女の推理癖は、どうにもしてこの奇怪な事件から、真の原因を探り出そうと考えた。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
唯、不幸なのは、毎夜必ず魘される時だけで、其の時はわしが貧しい田舎の牧師補になつた夢を見ながら、昼間の淫楽を悔いて、贖罪と苦行とに一身を捧げてゐるのである。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
女中が一人魘されたのです。それだけなんです。興奮し易い、神經質な人間で、自分の見た夢をきつと幽靈か何かさう云つたものと解釋して、それで吃驚りして騷ぎ出したのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
勿論みんな神経だらうとは思ふが、このまま放つとくと魘されて眠れないから、一緒に浴室へ行つてみてくれと言ふのです。勿論湯槽の底に死人が沈んでゐることはなかつたのです。
吹雪物語:――夢と知性―― (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
泣き寝入りに寝入ってしまうとよくいうけれどさすがに昼の疲れがでてきたのだろう、やがてグッタリその手足も動かなくなると、間もなく魘されているような荒い鼾をかきはじめた。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)