トップ
>
魘
>
うな
ふりがな文庫
“
魘
(
うな
)” の例文
お久美、よく診てもらうがいい。
魘
(
うな
)
されることを、お医師さまに詳しく話してみな。何だか知らないが、わたしはどうも馬鹿なことを
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
OH! Glory ! 何という刹那的な
煽情
(
センセイション
)
! 刺激・陶酔・優超感・
魘
(
うな
)
されるこころ——このGRRRRと、そしてBUMP!
踊る地平線:04 虹を渡る日
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
悪事をする
中
(
うち
)
にも時々思い出すと、
余
(
あんま
)
り
好
(
い
)
い心持じゃアありません……ナアお瀧、手前も時々
魘
(
うな
)
された事もあったな、手前も死処だぜ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お勝をゆりおこして
訊
(
き
)
いてみたが、お勝は別におそろしい夢に
魘
(
うな
)
されたのでも無く、唯うとうとと眠っていて何事も知らないと云った。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とはいえ働きかけることは畏ろしいことである。私はその中間でうろうろしていた。そして
魘
(
うな
)
されるような
晦滞
(
かいたい
)
の感に責められていた。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
水星がネットリと粘っている。何んだこの眼は!
魘
(
うな
)
されているようだ! ああ可哀そうにこの侍、
妄執
(
もうしゅう
)
を払うことは出来そうもない。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜な夜な
魘
(
うな
)
されたり、歯を噛んだり、
盗汗
(
ねあせ
)
をかいたりすることは、かの新坂下の闇討に島田虎之助の働きを見てからであります。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
はじめてその怪い
扱帯
(
しごき
)
の我を
纏
(
まと
)
えるに心着いたか、あ、と忍び音に、
魘
(
うな
)
された、目の美しい蝶の顔は、俯向けに菫の中へ落ちた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「夢に
魘
(
うな
)
されたのではないかい? そんな
莫迦
(
ばか
)
なものがいるはずがないじゃないか! どこにいたんだ? この辺にかい? この辺にか?」
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
確かに順調ではなかった体の工合も、すっかりよくなって、毎晩恐ろしい夢に
魘
(
うな
)
されることもなく、青かった顔にもいい色に血が
潮
(
さ
)
して来た。
地は饒なり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
法水は検屍を終えると、聴衆を室外に出してしまってから、階段を上って行った。すると、伸子がまず、夢に
魘
(
うな
)
されたような声で叫び立てた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「朋友のよしみですばってん、割り箸と引っくんで討死もしましょうが、こりゃとうぶん割り箸の夢で
魘
(
うな
)
されまっしょう」
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「モシモシ大原さん、大層お
魘
(
うな
)
されですね。どうなさいました、怖い夢を御覧になりましたか。モーお目覚めなさいまし」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
と、日暮れになると、彼は高尾山中の岩窟からノッソリ姿を現わし、
魘
(
うな
)
されでもしているかのような口調で叫ぶのだった。
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それでウトウトするかと思うと、厭な夢に
魘
(
うな
)
されなどしていた。新吉とお国と枕をならべて寝ているところを、夢に見た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
床に
臥
(
ふ
)
せつて熱に
魘
(
うな
)
される間も、主人の機嫌を損じはしまいかと、それが
譫言
(
うはごと
)
にまで出る程絶えず
惧
(
おそ
)
れられた。三日目の朝、呼び出しの速達が來た。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
夜中に夢にでも
魘
(
うな
)
されたのだろう。その髪も産後の抜毛に薄くなって、生え際が妙に透いて見えた。起き上って髪を束ねるのに、長く時間を費した。
理想の女
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そうして、悪夢に
魘
(
うな
)
されてびっしょりと冷汗を掻き、瑠璃光丸に呼び醒まされて、蓐の上に飛び起きる事などもある。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
家並が
杜切
(
とぎ
)
れたところから、海岸へ降りる路が白く茫と浮んでいる。伸びきった空地の
叢
(
くさむら
)
と白っぽい埃の路は星明りに
悶
(
もだ
)
え
魘
(
うな
)
されているようだった。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
二度目に彼女と会ったとき、私はその晩恐ろしく
魘
(
うな
)
されました。彼女の夫となってその生きた旋風に
生涯
(
しょうがい
)
結びつけられてるところを夢みました……。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
悪夢にでも
魘
(
うな
)
されるように、重くるしい
呼吸
(
いき
)
が交され、はや悲痛な眼をした顔や、驚きに打たれて
蒼白
(
あおじろ
)
く変った顔が
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思いだしてさえ
慄然
(
ぞっ
)
として
魘
(
うな
)
されるくらいです。余計なおせっかいをするようだが、あの列車だけはお止めなさい。
十時五十分の急行
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
爾して貴方に対しても妻らしい嬉しげな笑顔は絶えてなく夜になると恐ろしい夢に
魘
(
うな
)
され、眠って居て叫び声を発する様な憐れな境界に成るは必定です
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
夫人は夢に
魘
(
うな
)
された時のように、厭やな重圧した気分を感じた。だが彼女の推理癖は、どうにもしてこの奇怪な事件から、真の原因を探り出そうと考えた。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
こんな気味の悪い二晩三晩が此の化物屋敷をつゞけて訪れると、夫人はとう/\恐ろしい夢に
魘
(
うな
)
されたりして、当分お話を休みにしたこともあったやうです。
父八雲を語る
(新字新仮名)
/
稲垣巌
(著)
「旦那、旦那、たいそう
魘
(
うな
)
されてますが、おっそろしい声をだして、
恟
(
びっく
)
りするじゃありませんか、もし旦那」
円朝の牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで、その翌晩は二人がその室に寝たら、一人は
矢張
(
やはり
)
前晩の通り見たが、一人は非常に
魘
(
うな
)
された。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
姉なぞは御丁寧にも、絞首台にブラ下っている彼女の死に顔までマザマザと見届けて、何度も何度も
魘
(
うな
)
されながら松子にユリ起されたと言うから相当なものであろう。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
唯、不幸なのは、毎夜必ず
魘
(
うな
)
される時だけで、其の時はわしが貧しい田舎の牧師補になつた夢を見ながら、昼間の淫楽を悔いて、贖罪と苦行とに一身を捧げてゐるのである。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
毛沼
(
けぬま
)
博士の変死事件は、今でも時々夢に見て、
魘
(
うな
)
されるほど薄気味の悪い出来事だった。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
身投げした十日程前に古着屋から
縮緬
(
ちりめん
)
の夜具を一組買ったそうで厶りましてな、それを着て寝るようになってから、どうしたことか毎夜毎夜内儀が気味わるく
魘
(
うな
)
されるばかりか
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
女中が一人
魘
(
うな
)
されたのです。それだけなんです。興奮し易い、神經質な人間で、自分の見た夢をきつと幽靈か何かさう云つたものと解釋して、それで吃驚りして騷ぎ出したのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
勿論みんな神経だらうとは思ふが、このまま放つとくと
魘
(
うな
)
されて眠れないから、一緒に浴室へ行つてみてくれと言ふのです。勿論湯槽の底に死人が沈んでゐることはなかつたのです。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
かくのごとき夜にむすぶ夢のなかには、あるいは
鬼
(
おに
)
に
襲
(
おそ
)
われたり、あるいは
化物
(
ばけもの
)
に
逢
(
あ
)
ったり、あるいは
魘
(
うな
)
されたりして
可愛
(
かわ
)
ゆかるべき顔にも苦痛または恐怖の念がありありと
顕
(
あらわ
)
れる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
泣き寝入りに寝入ってしまうとよくいうけれどさすがに昼の疲れがでてきたのだろう、やがてグッタリその手足も動かなくなると、間もなく
魘
(
うな
)
されているような荒い鼾をかきはじめた。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
夢魔に
魘
(
うな
)
されている大統領、その身辺に
揺曳
(
ようえい
)
して陰々と耳朶をうつ声なき声、
朦朧
(
もうろう
)
として視界を横ぎる姿なき姿、鋼鉄のごとき神経の持主オブライエンも、この神秘なる霊的現象には
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
僕の夢はいつも失敗で、ウン/\
魘
(
うな
)
される。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
寝ていたって夢で
魘
(
うな
)
されることもあらあ
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
まどろみつ、はた
魘
(
うな
)
されつ。——
憑體
(
よりがら
)
の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「おまえはひどく
魘
(
うな
)
されていたよ」
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は苦しい悪夢に
魘
(
うな
)
された。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
柔かにかろく
魘
(
うな
)
さるれど
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
打明けては言いませんでしたけれども、二晩続けて
私
(
わっし
)
が
魘
(
うな
)
されたのを聞いたんで、
婦人
(
おんな
)
二人はもう
厭
(
いや
)
だとかぶりを振ります。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は
魘
(
うな
)
された人のように、押し詰められた声で叫ぶと共に、やにわに
扉
(
ドア
)
へ飛び付いたが、外から鍵をかけたと見えて、一寸も動こうとはしなかった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今は
魘
(
うな
)
されるような感覚ばかりが彼をとりまいているのだった。刻々にふるえる佗しいものが会社を出て
鋪道
(
ほどう
)
を歩きながらも、彼に附きまとっていた。
美しき死の岸に
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
夜も
更
(
ふ
)
けているので、妹のお年は姉の帰りを待たずに、さっきから次の間の四畳半に寝ていたのであるが、このとき突然に
魘
(
うな
)
されるような叫び声をあげた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
翌朝私は、悪夢に
魘
(
うな
)
された後のような気分で床を離れた。自暴自棄の感情が動いていた。一方には軽くはしゃいでる感情もあった。滑稽なおどけた感情もあった。
理想の女
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
お前はいつまでもこの顔を思いだして
魘
(
うな
)
されるだろうが、それを思うとおれは悲しい……もうこんな話は
止
(
よ
)
そう。ところでお前はすぐに勤め口を探すといったね。
暗中の接吻
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
駕籠屋「モシ/\旦那/\大そう
魘
(
うな
)
されて居なさるが、雨はもう上りましたから桐油を上げましょう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
全北海道の住民が、そうした脱獄囚の姿に毎夜毎夜どれほど
魘
(
うな
)
されて来たか、そうして全道の警察の神経と血管が、連日連夜、どれ程の努力に疲れ果てて来たことか……。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
魘
漢検1級
部首:⿁
24画