騷々さう/″\)” の例文
新字:騒々
騷々さう/″\し過ぎます、グレイス。」とフェアファックス夫人は云つた。「吩咐いひつけを守るんですよ。」グレイスは、だまつてお辭儀して、這入つていつた。
……はなし騷々さう/″\しい。……しづかにしよう。それでなくてさへのぼせて不可いけない。あゝ、しかし陰氣いんきると滅入めいる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
り世間も何だか騷々さう/″\しく本もよんでも身に成ませねば二更よつでも打て親父が寢てからそつと忍んでゆき御本ごほん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それに大概たいがいうでよりもより以上いじやうくち達者たつしや面面めんめんおほいのだからその騷々さう/″\しさももつさつすべきである。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
翌日よくじつあめあさからしよぼ/\とつて陰鬱いんうつきはまる天氣てんき溪流けいりうみづしてザア/\と騷々さう/″\しいこと非常ひじやう晝飯ひるめし宿やどむすめ給仕きふじて、ぼくかほわらふから、ぼくわらはざるをない。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
正午頃まひるごろだいホテル、秋冷あきひやゝかにしんとしたなかへ、騷々さう/″\しさ。病人びやうにん主人しゆじん、フトまどからしたのぞくと、きふまゆひそめて
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
授業が終つたので、既に騷々さう/″\しくなりかけてゐたのであつたが、彼女の聲で靜まつた。彼女は續けて云つた。
致させ裏手うらてあき長屋ながやへ入られおよ二時ふたときあまり過て又白洲しらすへ呼出されいまだ考へ出ずば又明日出よ尤も其方のたくは終日客も入來り騷々さう/″\しからんにより日々奉行所へいで明長屋にて思ひ出すまでかんがふべしと申わたされ一同さげられしかば三郎兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし、靜かな物さびしい氣のする丘であつた。さうして、騷々さう/″\しいミルコオト地方のこんな近くにあらうとも思はなかつた靜かな地域で、ソーンフィールドをかこんでゐるやうに見えた。
……うでえ、昨夜ゆうべの、あの椋鳥むくどり畜生ちくしやうさわかたは——ぎやあ/\、きい/\、ばた/\、ざツ/\、騷々さう/″\しくつて、騷々さう/″\しくつて。……俺等おいら晝間ひるまつかれてるのに、からつきしられやしねえ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
殺さぬと云張いひはるかハテ知たことよ身に覺えのなきことは何處迄どこまでも此の段右衞門は覺えなしサといふにお文は夫なら是程たしか證據しようこが有てもしらぬと云か段右衞門アヽ騷々さう/″\しい女ごときが口で云ふ事は證據しようこに成者かおのれは取逆上のぼせ亂心らんしんして居るなたゞしねつ上言うはごと未練みれんいつはりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
騷々さう/″\しい!……急病人きふびやうにんがあるんだ、つてください。)
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
町内ちやうないいつぱいのえらい人出ひとでだ、なんにつけても騷々さう/″\しい。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)