食卓しょくたく)” の例文
つきましては、おばたちを婚礼こんれいの席によんで、いっしょの食卓しょくたくにつかせてやりたいと思いますが、おゆるしねがえませんでしょうか。
スープさら、コップなどを客室きゃくしつにはこんで、食卓しょくたくのよういをととのえた。暖炉だんろの火はさかんにもえて、ぱちぱちと音をたてている。
わたしはかれがつえの先で追い立てた場所から、そのまま動きなかった。食卓しょくたく背中なかを向けたまま、わたしはかれの顔を見た。
それとも、ご馳走ちそうのたくさんならんでいる食卓しょくたくについて、一さらごとに銀の紙で口もとをふきたいものだと望んでいたのでしょうか。
夜は、これらの摘草をでて食卓しょくたくに並べた。色は水々しかったが、筋が歯にからんで、ひずるの工合ぐあいなどはまるで蒟蒻こんにゃくのようであった。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
食堂はきれいにかたづいて、食卓しょくたくにはごちそうがつまれ、うまそうなにおいがたちこめていた、みなはクンクン鼻を鳴らした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
田沼たぬま先生が、雪をけって自動車をのりつけたのは、もう小川先生の講義もすみ、食事当番の塾生じゅくせいたちが広間に食卓しょくたくの準備をはじめていたころであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そのうちに、食事しょくじをおわったとみえて、みんなは、食卓しょくたくからはなれて、うたをうたい、楽器がっきをならして、ダンスをはじめました。なかにも、おんなたちは、うつくしかった。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
(この時の音楽おんがくはひときわかがやかしいものだった。)それから、はは食卓しょくたくに食物を運ぶ時の音楽おんがくもあった——その時、彼は喇叭らっぱの音で彼女をせきたてるのだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ところで、みんなならんで食卓しょくたくについたとき、ふと見ると、いつどこからやって来たか、たいへん年をとった妖女がひとり、のそのそと広間にはいって来ました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ある日須利耶さまは童子と食卓しょくたくにおすわりなさいました。食品の中に、みつた二つのふながございました。須利耶のおくさまは、一つを須利耶さまの前にかれ、一つを童子におあたえなされました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ののしりつゝ食卓しょくたくく。黒塗膳くろぬりぜんに白いものが三つせてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そうして、あなたの食卓しょくたくにならんですわらせてくださって、あなたのきんのおさらで食べ、あなたのかわいいさかずきでのませてください。
カトリーヌおばさんがそれから出て来て、わたしたちを夕飯ゆうめしんでくれた。リーズは急いで食卓しょくたくの上におさらを二つならべた。
おかみさんがでていくと、男は、さっと食卓しょくたくに近づいた。そして、スープをせっかちにすすり、パンやベーコンをがつがつと食べはじめた。
部屋の中には、かがやくように白いテーブル・クロスをかけた、食卓しょくたくがあって、りっぱな陶器とうきの食器がならんでいます。
いよいよあすは出発という日の夕方、一同はこわれた甲板かんぱん食卓しょくたくをならべて、しばらくの別れをおしんだ。旅程りょていは四日だが、名も知らぬ土地である。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
夕食の食卓しょくたくは、これもやはり地域別に配列され、双方の塾生が一人おきに入りまじって座をめることになっていた。ごちそうはあたたかいさつまじるだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
おかうえに、一つの小屋こやがあります。それには、あかまどがついていました。あるばんのこと、かれらは、そこへあつまりました。そこで、おとこおんなもまじって食卓しょくたくについたのです。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなが食卓しょくたくから立ちあがると、そのまま、その妖女は、とばりのかげにかくれていました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
カエルはいすの上にのせてもらいますと、こんどは、食卓しょくたくの上にのせてくれ、といいだしました。そうして、食卓の上にのせてもらいますと
バルブレンはいま声をかけた亭主ていしゅと、食卓しょくたくに向かい合ってこしをかけた。わたしはばたにこしをかけてそこらを見回した。
ゆうべとおなじように、ナイト・ガウンだけが、すーっと食卓しょくたくのまえにすわりこんで、手も口もなんにも見えないのに、どんどん食べはじめた。
うちのかたたちが、食卓しょくたくにつく前に、アンネ・リスベットは、奥さまのところに呼ばれました。奥さまは、やさしい言葉をかけてくださいました。
食卓しょくたくうえには、いろいろのくだものや、さかなや、とりや、獣物けだものにくなどがならべられ、また、いろのかわったさけが、めいめいのまえにおいてあったコップに、そそがれていました。
雪の上の舞踏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはいきなり立ちあがって、部屋の片隅かたすみにつみ重ねてあった細長い食卓しょくたくの一つを、陽あたりのいい窓ぎわにおくと、走るようにして空林庵くうりんあんに朝倉先生をむかえに行った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ひとりひとりの食卓しょくたくの上には、おさらさかずき食器しょっきがひとそろいならべてあって、それは、大きな金の箱にはいっている、さじだの、ナイフだの、フォークだので、こののこらずが
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
かおり高いコーヒーが晩餐ばんさんのあとののどをうるおす、雑談にふけったり、本を開いたり、一同は思い思いのすがたで食卓しょくたくをかこんでいる、富士男がコトコトと食卓をたたいてたちあがった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ちょうど食卓しょくたくにすわって食べていたお客の一人が声をかけて、うん、あの男なら、近ごろオテル・デュ・カンタルにとまっていたと言ってくれた。
そいつらはこのたびきゃくを殺して、もっているものをうばいとろうというのです。けれども、しごとにかかるまえに、人殺しどもは、まず食卓しょくたくにつきました。
このあめでは、ああいったけれど、小僧こぞうさんは学校がっこうへいくまえにはとどけられないだろうと、食卓しょくたくかって、かねおもっているところへ信吉しんきちは、ちょうど玄関げんかんけてはいったのです。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは食卓しょくたくのはしの、ちょうどバルブレンと老人ろうじんの間にすわっていたものだから、あっちへつかれ、こっちへおされて、いいようにこづき回された。
おまえさんがわたしたちを婚礼こんれいせきによんでくれてね、わたしたちのことをはずかしがらずにおばさんたちだといって、おまえさんの食卓しょくたくにつかせてくれるなら
そうしていちばん上の妹のアンニーというのが、食卓しょくたくをふいていた、いちばん上の弟のアレンが部屋へやをはいていた。
こういうわけで、小鳥ことり食卓しょくたくのじゅんびをし、ハツカネズミは食べものの用意よういをしました。そして、ハツカネズミはすっかりごはんごしらえをしてしまおうと思いました。
みんなは食卓しょくたくにつきました。やがて、食事しょくじがおわりますと、おかあさんがいいました。
家来けらいの人たちといっしょに、みんなで食卓しょくたくについて、きんのおさらでごちそうを食べていますと、なにやら、ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ、と、大理石だいりせき階段かいだんをはいあがってくる音がしました。