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莞爾々々
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にこにこ
ふりがな文庫
“
莞爾々々
(
にこにこ
)” の例文
草履作りが名人の
莞爾々々
(
にこにこ
)
した橋本のお爺さん、お婆さん、其隣の大尽の杉林のお婆さん、亡くなった人人も二三に止まりません。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれども、お勢は何とも云わず、また向うを向いてしまッたので、やや顔を
霽
(
は
)
らして、
極
(
きま
)
りわるそうに
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
斉
(
ひと
)
しく俯向いて、
莞爾々々
(
にこにこ
)
と笑ってばかり、黙って、ついて
歩行
(
ある
)
いた、お千世が、
衣
(
きぬ
)
の
気勢
(
けはい
)
にそれと知って、
真先
(
まっさき
)
に
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、いつも
沈着
(
おちつ
)
いてる男が、跡から跡からと
籠上
(
こみあげ
)
る嬉しさを包み切れないように満面を
莞爾々々
(
にこにこ
)
さして
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
隔ては一重で、つい目の
前
(
さき
)
の、丁子巴の紋を見ると、
莞爾々々
(
にこにこ
)
と笑いかけて、黙って
引込
(
ひっこ
)
むと、またばたばたばた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
昇は面白そうにお勢の真面目くさッた顔を
眺
(
なが
)
めて
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら、「いいじゃないか? ただちょいと……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
すると二葉亭は眼を細くして、「ドウモ
敏捷
(
すばしっ
)
こい
奴
(
やつ
)
だ!」と
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら悦に入ったもんだ。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
使
(
つか
)
って見ると、少し
愚
(
おろ
)
かしい
点
(
とこ
)
もあるが、如何にも親切な女で、
毎
(
いつ
)
も
莞爾々々
(
にこにこ
)
して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ト云ッてお勢が
莞爾々々
(
にこにこ
)
と笑いながら
此方
(
こちら
)
を振向いて視て、
些
(
すこ
)
し
真面目
(
まじめ
)
な顔をした。昇は
萎
(
しお
)
れ返ッている。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
(市川菅女。)と
莞爾々々
(
にこにこ
)
笑って、澄まして袷を
掻取
(
かいと
)
って、襟を合わせて、ト
背向
(
うしろむ
)
きに
頸
(
うなじ
)
を
捻
(
ね
)
じて、
衣紋
(
えもん
)
つきを映した時、早瀬が縁のその棚から、ブラッシを取って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いつも
莞爾々々
(
にこにこ
)
して、亡くなる前日まで
縄
(
なわ
)
を
綯
(
な
)
うたりせっせと働いて居ました。入棺前、別れに往って見ると、
死顔
(
しがお
)
もにこやかに、生涯労働した手は
節
(
ふし
)
くれ立って土まみれのまま合掌して居ました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何だか知らんが、睦まじそうに
密々話
(
ひそひそばなし
)
をしているような事もある。一度なんぞ女に脊中を叩かれて俗物が
莞爾々々
(
にこにこ
)
している所を見懸けた。私は気が気でない……
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「ちょいとちょいと、今日はね、うんと礼を言わすんだ、拝んで
可
(
い
)
いな。」と
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら、
勢
(
いきおい
)
よく、棒を突出したようなものいいで、
係構
(
かけかまい
)
なしに、何か嬉しそう。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
土産
(
みや
)
の先廻り。……
莞爾々々
(
にこにこ
)
お帰りでございました。ですからもう
今日
(
こんにち
)
は、お持ちになるに及びません。ほんとにお坊ちゃんは、水菓子がお好きでいらっしゃいます事!
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
花模様の丸ボヤの
洋灯
(
ランプ
)
の
下
(
もと
)
で、隅ではあったが、皆と一つ食卓に
対
(
むか
)
い、若い雪江さんの罪の無い話を聴きながら、
阿父
(
とう
)
さん
阿母
(
かあ
)
さんの
莞爾々々
(
にこにこ
)
した
面
(
かお
)
を見て、
賑
(
にぎや
)
かに食事して
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何事があっても
莞爾々々
(
にこにこ
)
とさっせえて、ついぞ、腹立たしったり、悲しがらしった事はないけに、何としてそのように
難有
(
ありがた
)
い気になられたぞ、と尋ねるものがあるわいの。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と父に催促されて、私は
莞爾々々
(
にこにこ
)
となった。何故だか知らんが、
莞爾々々
(
にこにこ
)
となって、ドサンと膝を突いて、遠方からお辞儀して、急いで次の間へ逃げて来て、
矢張
(
やっぱり
)
莞爾々々
(
にこにこ
)
していた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
例の大船で
一艘
(
いっぱい
)
積出す男は、火のない瀬戸の欠火鉢を
傍
(
わき
)
に、こわれた
脇息
(
きょうそく
)
の
天鵝絨
(
びろうど
)
を
引剥
(
ひきはが
)
したような小机によっかかって、あの入船帳に
肱
(
ひじ
)
をついて、それでも
莞爾々々
(
にこにこ
)
している……
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今しがた乳母どのにおぶわれていた男の児で、人なつッこく顔を見て
莞爾々々
(
にこにこ
)
する。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
居士
(
こじ
)
が、いや、もし……と、
莞爾々々
(
にこにこ
)
と声を掛けて、……あれは珍らしい、その訳じゃ、
茅野
(
ちの
)
と申して、ここから宇佐美の方へ三里も山奥の
谷間
(
たにあい
)
の村が竹の名所でありましてな
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背後
(
うしろ
)
に立ったのが、
朝参
(
あさまいり
)
の
婀娜
(
あだ
)
たる美人で、罪もなく
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら、
繻子
(
しゅす
)
の不断帯の間から、
膨
(
ふっく
)
りと懐紙に包んだ紙入を抜いて取り、
掌
(
てのひら
)
に拡げて
緋地
(
ひじ
)
の
襤褸錦
(
つづれにしき
)
の紙入を開いた中から
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お蔦 (無邪気に
莞爾々々
(
にこにこ
)
しつつ)いいもの、……でも、お前さんには気に入らないもの、それでも、気に入らせないじゃおかないもの、嬉しいもの、憎いもの、ちょっと
極
(
きま
)
りの悪いもの。
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平時
(
いつも
)
と違って、妙に胸がどきつくのさ。頭の
頂上
(
てっぺん
)
へ
円髷
(
まるまげ
)
をちょんと乗せた罪の無いお鹿の女房が、
寂寞
(
ひっそり
)
した中へお客だから、喜んで
莞爾々々
(
にこにこ
)
するのさえ、どうやら意見でもしそうでならない。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年紀
(
とし
)
は源助より大分
少
(
わか
)
いが、
仔細
(
しさい
)
も無かろう、けれども発心をしたように頭髪をすっぺりと
剃附
(
そりつ
)
けた
青道心
(
あおどうしん
)
の、いつも
莞爾々々
(
にこにこ
)
した
滑稽
(
おど
)
けた男で、やっぱり学校に居る、もう一人の小使である。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……知らぬ間に
肥満女
(
ふとっちょ
)
の込入ったのと、振向いた娘の顔とを等分に見較べて(
和女
(
あんた
)
、
極
(
きまり
)
が悪いやろ。そしたら
私
(
わし
)
が方へ来て
食
(
あが
)
りなはるか。ああ、そうしなはれ、)と
莞爾々々
(
にこにこ
)
笑う、気の
可
(
い
)
い男さ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
学士が驚いた——客は京の某大学の
仏語
(
ふつご
)
の教授で、
榊
(
さかき
)
三吉と云う学者なのだが、無心の小児に向っては、盗賊もあやすと言う……教授でも学者でも同じ事で、これには
莞爾々々
(
にこにこ
)
として、はい、今日は
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、家主の前も忘れたか、気味の悪いほど
莞爾々々
(
にこにこ
)
する。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
莞爾々々
(
にこにこ
)
の顔のまま、
鍬
(
くわ
)
を離した手を
揉
(
も
)
んで
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝶吉は
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら、愛想よく
仔細
(
しさい
)
を尋ねて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫人は
莞爾々々
(
にこにこ
)
笑いながら
低声
(
こごえ
)
で何か命じている。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「私はそうとは思いません、」と
莞爾々々
(
にこにこ
)
する。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と前垂がけのその息子が
莞爾々々
(
にこにこ
)
する。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
亭主までが嬉しそうに、
莞爾々々
(
にこにこ
)
して
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と金之助は独りで
莞爾々々
(
にこにこ
)
。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小松原は
莞爾々々
(
にこにこ
)
しながら
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
莞
漢検準1級
部首:⾋
10画
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
々
3画
々
3画
“莞爾”で始まる語句
莞爾
莞爾莞爾
莞爾〻〻