茶番ちやばん)” の例文
その時分の生徒が茶番ちやばんさんと云つた小使こづかひの部屋で女中はお嬢さんのお人形を造つたりして何時いつも待つて居ました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
何處どこでもなが航海かうかいでは船中せんちゆう散鬱うさばらしにと、茶番ちやばん演劇えんげき舞踏ぶたうもようしがある。こと歐洲をうしう東洋とうやうとのあひだ全世界ぜんせかいもつとなが航路かうろであればかゝ凖備じゆんびは一そうよくとゝなつてる。
こめたはらよりぜに蟇口がまぐちよりいづ結構けつこうなかなに不足ふそく行倒ゆきだふれの茶番ちやばん狂言きやうげんする事かとノンキに太平楽たいへいらく云ふて、自作じさく小説せうせつ何十遍なんじつぺんずりとかの色表紙いろべうしけて売出うりだされ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
あとでいたとき直樣すぐさまかへしにかうとつたら、親父とつさんにあたまから小言こゞとつて其時そのとき泣寢入なきねいり一昨年おととしはそらね、おまへつてるとほ筆屋ふでやみせ表町おもてまち若衆わかいしゆ寄合よりあつ茶番ちやばんなにかやつたらう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
茶番ちやばんをやる水兵すいへいもある、軍樂ぐんがくそうする仲間なかまもある、武村兵曹たけむらへいそう得意とくいに、薩摩琵琶さつまびわ河中島かはなかじま』の一段いちだんかたつた。このをとこに、此樣こんかくげいがあらうとは今日けふまで氣付きづかなかつた。
桂川かつらがはまくときはおはんせな長右衞門ちやううゑもんうたはせておびうへへちよこなんとつてるか、此奴こいついお茶番ちやばんだとわらはれるに、をとこなら眞似まねろ、仕事しごとやのうちつて茶棚ちやだなおく菓子鉢くわしばちなか
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
子供中間こどもなかま女王樣又によわうさまゝたとあるまじきめぐみは大人おとなよりもきがはやく、茶番ちやばんにしよう、何處どこのかみせりて往來わうらいからえるやうにしてと一人ひとりへば、馬鹿ばかへ、れよりはお神輿みこしをこしらへておれな
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)