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苦々
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にが/\
ふりがな文庫
“
苦々
(
にが/\
)” の例文
起
(
おこ
)
し我が子の爲と存ずる
淺猿
(
あさまし
)
き心
偖々
(
さて/\
)
苦々
(
にが/\
)
しき
所爲
(
しわざ
)
なり
斯
(
かく
)
淺果
(
あさはか
)
なる惡事何として其身の
望
(
のぞ
)
みを遂ることなるべきや因て其許も
能々
(
よく/\
)
我身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今
(
いま
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
の
顏
(
かほ
)
に
驕
(
をご
)
りと
得意
(
とくい
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて、ある
不快
(
ふくわい
)
な
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
のために
苦々
(
にが/\
)
しく
左
(
ひだり
)
の
頬
(
ほゝ
)
の
痙攣
(
けいれん
)
を
起
(
おこ
)
してゐる。
彼女
(
かのぢよ
)
は
起
(
た
)
つて
行
(
い
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「何だい、たったあれっぽち、猫の額ほどの田を買うて、地主にでもなったような気で居るんだ。」兄は
苦々
(
にが/\
)
しい顔をした。
浮動する地価
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
最も
苦々
(
にが/\
)
しげに彼は笑ひを浮べた——最も決然と彼は私から手を引込めた。「それぢやあなたは約束を取消して、全然印度へなぞ行かないのですね?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
詳しいことは屋敷へ来た折に云ひませうが、武士たるものが町奴とかの真似をして、白柄組の
神祇
(
じんぎ
)
組のと、名を聞くさへも
苦々
(
にが/\
)
しい。喧嘩がなんで面白からう。
番町皿屋敷
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
兎角
慨
(
なげか
)
はしく、
苦々
(
にが/\
)
しき事のみ耳目に觸れて、平和の世の
中
(
なか
)
面白からず、あはれ何處にても
一戰
(
ひといくさ
)
の起れかし、いでや二十餘年の風雨に鍛へし我が技倆を顯はして
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
……
娘
(
むすめ
)
の
舞振
(
まひぶり
)
は、
然
(
さ
)
ることだが、たれかの
男振
(
をとこぶり
)
は、みゝづくより
苦々
(
にが/\
)
しい。はツはツはツはツ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
弟
(
おとうと
)
を
見
(
み
)
るたびに、
昔
(
むかし
)
の
自分
(
じぶん
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
蘇生
(
そせい
)
して、
自分
(
じぶん
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
活動
(
くわつどう
)
してゐる
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
がしてならなかつた。
時
(
とき
)
には、はら/\する
事
(
こと
)
もあつた。
又
(
また
)
苦々
(
にが/\
)
しく
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
もあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
トムは遠い崖の下に、勇ましい聖ヂヨオヂの姿を見ると、
苦々
(
にが/\
)
しさうに舌打ちをした。
LOS CAPRICHOS
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
主人の久兵衞は、自分の歎きも忘れて、若い者の無分別さを
苦々
(
にが/\
)
しがるのです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さういふ人たちのふしだらな
真似
(
まね
)
を、一方では
苦々
(
にが/\
)
しく思ひながら、一方では、実のところ、まあ、
嫉
(
や
)
けるとでも申しますんですか……。御免遊ばせ、こんな言葉使ひをいたしまして……。
顔
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
洗粉
(
あらひこ
)
のはみ出した袋なども私は
苦々
(
にが/\
)
しく思つて眺めるのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
苦々
(
にが/\
)
しい路連れです
小熊秀雄全集-05:詩集(4)小熊秀雄詩集2
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
密
(
ひそ
)
かに
分取
(
わけとり
)
にして毎日物見遊山に出かけしは是則ち三日極樂とも謂つべし
尤
(
もつと
)
も安田は
強慾
(
がうよく
)
の
曲者
(
くせもの
)
ゆゑ此金子を一向に遣ず佐々木の
奢
(
おごり
)
を見て
苦々
(
にが/\
)
しき事に思ひ御邊斯大金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
更
(
あらた
)
めて
其
(
そ
)
の
印
(
しるし
)
を
見
(
み
)
せう、……
前刻
(
さきに
)
も
申
(
まを
)
した、
鮫膚
(
さめはだ
)
の
縮毛
(
ちゞれけ
)
の、
醜
(
みにく
)
い
汚
(
きたな
)
い、
木像
(
もくざう
)
を、
仔細
(
しさい
)
ありげに
装
(
よそほ
)
ふた、
心根
(
こゝろね
)
のほどの
苦々
(
にが/\
)
しさに、へし
折
(
を
)
つて
捻切
(
ねぢき
)
つた、
女
(
をんな
)
の
片腕
(
かたうで
)
、
今
(
いま
)
返
(
かへ
)
すわ、
受取
(
うけと
)
れ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そんなことが世にも恐ろしい
吼
(
ほ
)
え聲と
痙攣的
(
けいれんてき
)
な突進との眞只中に行はれたのである。それからロチスター氏は見てゐる人々の方に振り向いた。彼は
苦々
(
にが/\
)
しげな、而も寂しげな微笑を浮べて人々を見た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見て
苦々
(
にが/\
)
しく思ひ左樣に
御心
(
おこゝろ
)
弱
(
よわ
)
くては
叶
(
かな
)
ふまじ是れ迄の事共も
豫
(
かね
)
て其御覺悟なくしては成るまじくと存ぜしに只今の御樣子にては
聊
(
いさゝ
)
かも
其御覺悟
(
そのおかくご
)
なく
成
(
なさ
)
れし事と相見えたり
然
(
さり
)
ながら今更夫れを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
々
3画
“苦”で始まる語句
苦
苦悶
苦笑
苦痛
苦患
苦力
苦労
苦手
苦衷
苦心