艷々つや/\)” の例文
新字:艶々
やがてまちちかい、すゞはしが、河原かはら晃々きら/\しろい、みづあをい、對岸むかうぎしくらい、川幅かははゞよこつて、艷々つや/\一條ひとすぢかゝる。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこに、私は滿足して立つてゐた、何故つて、彼女の顏や、着物や、一つ二つの飾りや、白いひたひや、ふさ/\した艷々つや/\しい捲毛まきげや、輝やかしい黒瞳ひとみ
見上みあげますところすわつたなり、ひざつたつまをふはりとおとして、あを衣服きもの艷々つや/\として、すつと
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これに渦毛うづけぶち艷々つや/\しきちんつないで、ぐい/\と手綱たづなのやうにさばいてしが、ふとこゑして、うぢや歩行あるくか、とふ/\ひとげにさつさつと縱横じうわう濶歩くわつぽする。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
帷幄ゐあくさんして、蝶貝蒔繪てふがひまきゑ中指なかざし艷々つや/\しい圓髷まるまげをさしせてさゝやいたはかりごとによれば——のほかにほ、さけさかなは、はしのさきで、ちびりと醤油しやうゆ鰹節かつをぶしへてもいゝ、料亭れうてい持出もちだし)
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先刻さつきから、人々ひと/″\布施ふせするのと、……ものやはらかな、おきなかほの、眞白まつしろひげなかに、うれしさうなくちびる艷々つや/\あかいのを、じつながめて、……やつこつゝんでくれた風呂敷ふろしきを、うへゑたまゝ
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うすかみむすがみに、きちんとなでつけて、衣紋えもんをすつとはせた……あの、えり薄黄色うすきいろで、してねずみあゐがかつた、艷々つや/\として底光そこびかりのする衣服きものに、なんにもない、しろい、丸拔まるぬきの紋着もんつき
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)