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真田
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さなだ
ふりがな文庫
“
真田
(
さなだ
)” の例文
旧字:
眞田
肌を押し脱ぐと、背筋を真ん中にして、左右へ三枚ずつ、
真田
(
さなだ
)
の紋のように、六文銭の文身、これは何となく気がきいておりました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
九州では
赤間
(
あかま
)
、三河では岡崎、尾張の
木賊
(
とくさ
)
、越後の三条、信州では戸狩——殊に戸狩花火は
松代
(
まつしろ
)
藩主の
真田
(
さなだ
)
侯が自慢なものであった。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地肌の透けて見える精のない
薄白髪
(
うすじらが
)
を、
真田
(
さなだ
)
の太紐で
大段
(
おおだん
)
の
茶筅
(
ちゃせん
)
に結いあげ、元亀天正の生残りといった
体
(
てい
)
で、健骨らしく見せかけているが
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
今その、十文字にかけた
真田
(
さなだ
)
をといて、サッと箱のふたをとったとしましょうか。中にはもう一枚、
金襴
(
きんらん
)
の古ぎれで壺が包んであるに相違ない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と、
甘谷
(
あまや
)
という
横肥
(
よこぶと
)
り、でぶでぶと脊の低い、ばらりと髪を長くした、太鼓腹に角帯を巻いて、
前掛
(
まえかけ
)
の
真田
(
さなだ
)
をちょきんと結んだ、これも医学の落第生。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
悠々と萌黄
真田
(
さなだ
)
の胴締を解き、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の風呂敷を開いて桐まさの薬箱、四段
抽斗
(
ひきだし
)
、一番下から銀のさじに銀の文鎮、四角に切った紙を箱の上に八、九枚
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
待ってましたと
計
(
ばか
)
りに関白の方では、此の大石を取れば碁は世話無しに勝になると、堂々たる大軍、徳川を海道より、
真田
(
さなだ
)
を山道より
先鋒
(
せんぽう
)
として、前田、上杉
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
長野県
埴科郡松代在
(
はにしなごおりまつしろざい
)
、
清野村
(
きよのむら
)
が彼女の生れた
土地
(
ところ
)
で、先祖は信州上田の城主
真田
(
さなだ
)
家の家臣、彼女の亡父も維新のおりまで仕官していた小林藤太という士族である。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
真田
(
さなだ
)
の
下締
(
したじめ
)
を締めまして、
黒紬
(
くろつむぎ
)
の紋附を着たなり欄干へ帯を縛り附け、脇差や印籠を一緒にして袴の上へ
取捨
(
とりす
)
て、片手にて欄干へ
捉
(
つか
)
まり、片手にて輪にしたる帯を首に巻き附け
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
緋でも、紅でも、黄でも、紫でも、碧でも、凡そ色と云う色皆
焔
(
ほのお
)
と燃え立つ夏の日の花園を、
経木
(
きょうぎ
)
真田
(
さなだ
)
の帽一つ、真裸でぶらつく彼は、色の
宴
(
うたげ
)
、光の
浴
(
バス
)
に恍惚とした酔人である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
よほど遠くから出て来るものと見え、いつでも
鞋
(
わらじ
)
に
脚半掛
(
きゃはんが
)
け
尻端折
(
しりはしおり
)
という
出立
(
いでたち
)
で、帰りの夜道の用心と思われる
弓張提灯
(
ゆみはりちょうちん
)
を腰低く前で結んだ
真田
(
さなだ
)
の三尺帯の
尻
(
しり
)
ッぺたに差していた。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
宗助が広島へ帰ると間もなく、叔父はその
売捌方
(
うりさばきかた
)
を
真田
(
さなだ
)
とかいう懇意の男に依頼した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
善光寺平には
松代
(
まつしろ
)
といふ町があります。昔、ここのお殿様は
真田
(
さなだ
)
といふ方でした。ところが、この松代の殿様はたいへん賢い人で、この方が自分の領地に杏の木を植ゑるのを奨励なさつたのです。
果物の木の在所
(新字旧仮名)
/
津村信夫
(著)
高坂
(
こうさか
)
邸、馬場邸、
真田
(
さなだ
)
邸の前を通り、
鍛冶
(
かじ
)
小路の方へ歩いて行く。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しばらくは
宅中
(
うちじゅう
)
に玩具箱をひっくり返して、数を尽して並べても「
真田
(
さなだ
)
三代記」や「甲越軍談」の絵本を幼い手ぶりで
彩
(
いろど
)
っても、
陰欝
(
いんうつ
)
な家の空気は遊びたい盛りの坊ちゃんを長く捕えてはいられない。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
生きて世に
真田
(
さなだ
)
が庭の桜かな 牧人
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
隠れ住んで花に
真田
(
さなだ
)
が
謡
(
うたい
)
かな
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
槍弾正という名を謳われた
保科弾正
(
ほしなだんじょう
)
や、それに劣らない武功をたてて鬼弾正とならび称された
真田
(
さなだ
)
弾正のような勇士も、その部下にはたくさんいた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ことに生垣を
覗
(
のぞ
)
かるる、
日南
(
ひなた
)
の
臥竜
(
がりゅう
)
の南枝にかけて、良き墨薫る手習草紙は、
九度山
(
くどさん
)
の
真田
(
さなだ
)
が
庵
(
いおり
)
に、
緋縅
(
ひおどし
)
を見るより由緒ありげで、奥床しく、しおらしい。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引出して見ると、血に染んで黒ずんだ
真田
(
さなだ
)
紐が、
膠
(
にかわ
)
の中から引上げたように、ベットリ畳の上へ
這
(
は
)
います。
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小僧さんの盆暮のお仕着せ新しい板目の駒下駄、小倉の鼻緒で嬉しそうにテクテク。だが平素は麻裏草履や
真田
(
さなだ
)
の鼻緒の幅の狭い板草履(俗に草履下駄という)がおきまり。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
男は
股引
(
ももひき
)
に腹かけ一つ、
黒
(
くろ
)
鉢巻
(
はちまき
)
の
経木
(
きょうぎ
)
真田
(
さなだ
)
の帽子を
阿弥陀
(
あみだ
)
にかぶって、
赤銅色
(
しゃくどういろ
)
の
逞
(
たくま
)
しい腕に
撚
(
より
)
をかけ、
菅笠
(
すげがさ
)
若くは手拭で
姉様冠
(
あねさまかぶ
)
りの若い女は
赤襷
(
あかだすき
)
手甲
(
てっこう
)
がけ、腕で額の汗を拭き/\
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
道具を入れた
笊
(
ざる
)
を肩先から
巾広
(
はばひろ
)
の
真田
(
さなだ
)
の紐で、小脇に
提
(
さ
)
げ、デーイデーイと押し出すような太い声。それをば曇った日の暮方ちかい頃なぞに聞くと、何とも知れず気味のわるい心持がしたものである。
巷の声
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
隠れ住んで花に
真田
(
さなだ
)
が
謡
(
うたひ
)
かな
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
そう、べんべんと
真田
(
さなだ
)
の方を
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
銀杏
(
いちょう
)
形の編笠を白の
真田
(
さなだ
)
で
腮
(
あご
)
にむすび、黒の紋服に身軽な
行膝袴
(
たっつけばかま
)
、
草鞋
(
わらじ
)
鉄扇
(
てっせん
)
の
拵
(
こしら
)
えまで、すべて真新しい武芸者姿。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無地の
紬
(
つむぎ
)
の羽織、万筋の
袷
(
あわせ
)
を着て、胸を
真四角
(
まっしかく
)
に膨らましたのが、下へ短く横に長い、
真田
(
さなだ
)
の
打紐
(
うちひも
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、いう当然な打算は、また当然、高圧的な厳命となったので、
真田
(
さなだ
)
方は、ついにその主体国徳川へ、弓を引いても、と悲壮な覚悟をかためるに至った。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何しろ
真田
(
さなだ
)
の郎党が
秘
(
かく
)
し持った張抜の
短銃
(
たんづつ
)
と来て、物騒だ。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と由良の伝吉は
真田
(
さなだ
)
の
襷
(
たすき
)
に
銀角鍔
(
ぎんかくつば
)
の脇差を落して、荒格子の外に出ると、いつか馬子の権十が他へも触れ歩いたと見えて、あっちこっちから血気の若者が
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加うるに今、景勝自身、兵を信濃へすすめて来たら、これはもう一
真田
(
さなだ
)
の問題ではなくなってしまう。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西北には、一条信龍や
真田
(
さなだ
)
兄弟の隊や、また土屋昌次らの二千五百が陣している。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家康からの
頻々
(
ひんぴん
)
たる
督促
(
とくそく
)
にたいし、
真田
(
さなだ
)
の方にも、
一
(
ひと
)
かどの云い分があった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その両手と胴とを幾重にも巻いた
縛
(
いまし
)
めの
紐
(
ひも
)
は、この近郷で——いや近頃はかなり遠国まで知れて来た丈夫な木綿の
平打紐
(
ひらうちひも
)
で、
九度山
(
くどやま
)
紐とも、
真田
(
さなだ
)
紐ともよばれ、製品の販路を拡げて歩く売子も
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれよ
真田
(
さなだ
)
の郎党
鳥海弁蔵
(
とりうみべんぞう
)
と、この辺では知らぬ者もなかったが。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
“真田”で始まる語句
真田紐
真田幸村
真田昌幸
真田源次郎
真田三代記
真田虫
真田一郎
真田信綱
真田父子
真田幸隆