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梯子
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ばしご
ふりがな文庫
“
梯子
(
ばしご
)” の例文
その上、繪圖面に描いてない隱し
梯子
(
ばしご
)
や、入口も出口も無い部屋、穴藏などがあることだらうと思ふ。それを詳しく訊き出してくれ
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
源水横町の提燈やのまえに焼鳥の露店も見出せなければ、大風呂横町の、宿屋の
角
(
かど
)
の空にそそり立った
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
梯子
(
ばしご
)
も見出せなくなった。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
同時に、土塀を越して(万三郎の竹
梯子
(
ばしご
)
を使ったらしい)五人ばかりの者がとびおりて来、退路を
塞
(
ふさ
)
ぐようにうしろへ廻った。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
僕も
亦
(
また
)
或晩春の午後、或オペラの楽屋の
廊下
(
らうか
)
に彼等の
一群
(
いちぐん
)
を見たことがある。彼等は佐藤君の書いたやうに、ぞろぞろ廻り
梯子
(
ばしご
)
を下つて行つた。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「はっ、御用で⁉」と、
胴
(
どう
)
の
間
(
ま
)
梯子
(
ばしご
)
を駈け上がってきたのは元気な三位卿。海をのぞむと誰しもが自然と大きな声になる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
作られている露路は帯のように狭い、その狭い露路の宙を飛んで、捕り物用特殊の投げ
梯子
(
ばしご
)
が、二挺風を切って飛んで来たが、悲鳴は起こらなかった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
現に水夫の中でも兄い分の「
向
(
むこ
)
う
疵
(
きず
)
の
兼
(
かね
)
」がわざわざ鉄
梯子
(
ばしご
)
を降りて、俺に談判を
捻
(
ね
)
じ込んで来た位だ。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
二階
梯子
(
ばしご
)
も昇れない苦しみのつづいていた折で、妻など抱いては壕へ這入れず、今夜空襲があれば、宿運そのまま二人は吹き飛ばされようと思っていたその夜である。
夜の靴:――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
半鐘
(
はんしょう
)
の火の見
梯子
(
ばしご
)
と云うものは、今は市中に跡を絶ったが、わたしの町内にも高い梯子があった。或る年の秋、大嵐のために折れて倒れて、凄まじい響きに近所を驚かした。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ふと建物が切れて、建物と建物との間の
路次
(
ろじ
)
の様な所へ来ると、極った様に鉄の非常
梯子
(
ばしご
)
の
上
(
あが
)
り口が見えた。そして、その奥の方は薄暗く、何かゴミゴミしたものが積み上げてあった。
五階の窓:01 合作の一(発端)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
氏郷が自ら安んぜずして
然様
(
そう
)
いう考を起したのであるというが、そんな
蝨
(
しらみ
)
ッたかりの秀吉でもない氏郷でもない、九尺
梯子
(
ばしご
)
は九尺梯子で、後の太平の世に生れて
女飯
(
おんなめし
)
を食った史伝家輩は
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ZIG・ZAGに急な角度で建物の壁に取りつけられた非常
梯子
(
ばしご
)
を伝って、彼は夢中でシイカを抱いたまま走り下りた。シイカの裾が梯子の釘にひっかかって、ビリビリと裂けてしまった。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
女は恋しい男に逢いたいばっかりに、
真暗
(
まっくら
)
な工場に忍び入り、非常に高い鉄
梯子
(
ばしご
)
を女の力で昇ったり、降りたりしたのだ。さて堕胎手術も、
勿論
(
もちろん
)
その高いクレーンの上で、やることになった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
道は少し北へ曲って、長屋の間を行くこと半町ばかりにして
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
梯子
(
ばしご
)
の立っている四辻に出る。このあたりを大音寺前と
称
(
とな
)
えたのは、四辻の
西南
(
にしみなみ
)
の角に大音寺という浄土宗の寺があったからである。
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「大丈夫です。みんな表
梯子
(
ばしご
)
の方ばかり見張っていますから。」
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
まッ先にかけ
梯子
(
ばしご
)
をおりはじめた彼は頭の上にまた聞いた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
源水横町
(
げんすいよこちょう
)
の提燈やのまえに焼鳥の露店も見出せなければ、大風呂横町の、宿屋の角の空にそそる火の見
梯子
(
ばしご
)
も見出せなくなった。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「八寸ばかりの距離で、二つの爪の跡これは、間違いもなく縄
梯子
(
ばしご
)
の跡だ、——向うの家の三角戸棚の側の窓にも、あれと同じ跡があった」
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それ踏み台がない、いや人間
梯子
(
ばしご
)
を組んで重ねろ。なんだかんだの大騒ぎで、目には見えずも、見えるが如きものがある。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは僅か数
頁
(
ペエジ
)
にオペラの楽屋を
描
(
ゑが
)
いたスケツチだつた。が、キユウピツドに
扮
(
ふん
)
した無数の少女の廻り
梯子
(
ばしご
)
を
下
(
くだ
)
る光景は
如何
(
いか
)
にも
溌剌
(
はつらつ
)
としたものだつた。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小屋の半分は物置になっている、そっちへ廻ってみると、はたして、そこに竹
梯子
(
ばしご
)
が立てかけてあった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
暗い掘割りの一町ばかり向うに、黒い
木橋
(
もっきょう
)
が架かっている。その左手には高い火の見
梯子
(
ばしご
)
が見える。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それを
跨
(
また
)
ぐとトン公は、楽屋
梯子
(
ばしご
)
を下へ下りた。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
源水横町の
提灯
(
ちょうちん
)
やのまえに焼鳥の露店も見出せなければ、大風呂横町の、宿屋の角の空にそそる
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
梯子
(
ばしご
)
も見出せなくなった。
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
平次のさう言ふ顏色を讀むと、ガラツ八はつい目と鼻の先の物置に飛んで行つて、三間
梯子
(
ばしご
)
を輕々と引つ
擔
(
かつ
)
いで來ました。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると、不意に三人の行く前へ、四、五人の小娘の——いずれも山家者らしい者たちが、
背負
(
しょ
)
い
梯子
(
ばしご
)
に何かの荷物をつけて、賑やかに笑って来ました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松林の中を右のほうへくだり、繩
梯子
(
ばしご
)
で崖をおりた。そのとき観音谷の地形が、ほぼ眼の下に眺望できた。
櫛形
(
くしがた
)
の月が空にあるので、狭い谷あいはかなり明るかった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
非常
梯子
(
ばしご
)
伝いに三階の非常口まで来ますと、あそこから丈夫な
銅
(
あかがね
)
の雨
樋
(
とい
)
伝いに、軒先からクルリと尻上りをして屋根の上に出ましたが、さすがの私……火星の女も、その尻上りをした時に
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
キユウピツドに
扮
(
ふん
)
した無数の少女の廻り
梯子
(
ばしご
)
を
下
(
くだ
)
る光景である。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
八五郎は
九
(
ここの
)
つ
梯子
(
ばしご
)
を一丁、物置の軒から持って来て、庭の四角な跡に
据
(
す
)
えました。ピタリと梯子の跡が合います。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうじゃ、九鬼
氏
(
うじ
)
一刻も早く!」バラバラと裏
梯子
(
ばしご
)
を降りて川長の庭——夜露をしのいで忍びこむと、人の気配にさとい
生洲
(
いけす
)
の魚がパチャッと月の輪を水にくずした。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう問答を聞きながら、大助はそっと裏
梯子
(
ばしご
)
から階下へすべりぬけた。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
物置の後ろには九つ
梯子
(
ばしご
)
があるのに、曲者はそれに気のつかなかったものか、物干場から物置の屋根に上り、そこからお勝手の上へ出て、引窓をコジ開けて入ったのは
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
城兵が“敵見山”とよんでいる北山へ今朝から出ばッていた正季が駈けて来て、ちらと了現の筆へ眼をくれたが、すぐ「兄者は上か」と、やぐら
梯子
(
ばしご
)
の上を望んで登っていた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがてどこからか九つ
梯子
(
ばしご
)
を見付けて來て、窓を潜つた繩の樣子、わけても窓わくや鐵格子と繩の接觸部分を丹念に調べ、それから繩の先を縛つた、
逞
(
たく
)
ましい柿の木の枝
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四、五段の船そこ
梯子
(
ばしご
)
から上に上半身を出す。とたんに、眼もとを
顰
(
しか
)
めた。まだ海上はいちめんな
狭霧
(
さぎり
)
だが、大きな旭日と、
波映
(
はえい
)
の揺れに、物みな
虹色
(
にじいろ
)
に燃えていたのである。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其處は店の裏から簡單な段々
梯子
(
ばしご
)
で登つた、物置になつて居て、
屏風
(
びやうぶ
)
、火鉢、小道具顏から、棚の上には布團まで載せてありますが、差當り使ひさうなものは一つもありません。
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細川ノ権大納言
光継
(
みつつぐ
)
と二、三人の
蔵人
(
くろうど
)
がつき添い、また、酒商人に化けていた男と、怪武士の
景繁
(
かげしげ
)
とが、お手引きの案内にたって、御所の裏門附近の
築土
(
ついじ
)
を、彼らの背なか
梯子
(
ばしご
)
で
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縄
梯子
(
ばしご
)
の
鉤
(
かぎ
)
の跡などは見えなかったのさ、でも、踏台を使っては始末が悪いから縄
梯子
(
ばしご
)
に相違ないと思って、博士の研究室の窓へ行って見ると、
其処
(
そこ
)
にはちゃんと跡があるじゃないか
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
苞
(
つと
)
にくるんだ土民の衣裳やら
草鞋
(
わらじ
)
などであった。牛若の衣裳はすべて脱がせ、代りにそれを着せて、
汚
(
むさ
)
いぼろ
布
(
きれ
)
で顔をつつんだ。背には
背荷
(
せお
)
い
梯子
(
ばしご
)
とよぶ物を
負
(
しょ
)
わせて、短い山刀を腰にさして与えた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戸棚を二つも重ねて——いかに電話線のない時代でも、その上へ三間
梯子
(
ばしご
)
を積んだのですから、恰好が淺ましいばかりでなく、車の動くにつれて、グワラグワラと恐ろしい音を立てます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どすん、と聞えた物音は、誰か一人が
鉤
(
かぎ
)
から
外
(
はず
)
した
鎧櫃
(
よろいびつ
)
をささえきれずに、手から離したものだろう。同時にまた、人間
梯子
(
ばしご
)
となっていた連中も総もンどりを打ち合ってみな尻モチついたことらしい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俺は
矢張
(
やは
)
り
此処
(
ここ
)
が臭いと思う。この窓へ踏台でもして——いや縄
梯子
(
ばしご
)
の方が便利だ、兎に角、そんなものを掛けて上半身を出せば、三角戸棚から
拳銃
(
ピストル
)
も取れるし、狙い撃つことも簡単だ。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう八
間
(
けん
)
に灯が入って帳場格子に
宵
(
よい
)
のきた筑波屋の表
梯子
(
ばしご
)
。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さう言へば、物干へ出て、九つ
梯子
(
ばしご
)
で庭へ出られないこともありません」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時、どかどかと、土蔵
梯子
(
ばしご
)
をたれか上がって来た。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次は八五郎を殘して、九つ
梯子
(
ばしご
)
を踏んで庭に降りました。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“梯子”の解説
梯子(はしご、ていし、en: Ladder)とは、昇降のための道具。はしごに「梯」や「階子」の字をあてることもある。
壁の表面などに立てかけて使う固い材質(木・竹・金属など)で出来たものと、頂上から吊るして使う縄などでできたものがある。固い材質の梯子は移動して用いられることが多いが、建物の壁に永久的に固定されているものもある。鉄道車両においては緊急時に車両から脱出する場合に使用する。
(出典:Wikipedia)
梯
漢検準1級
部首:⽊
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“梯子”で始まる語句
梯子段
梯子口
梯子酒
梯子乗
梯子登
梯子乘
梯子伝
梯子壇
梯子昇
梯子櫓